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高級スプーンの部屋  〜 新着順表示 〜


[445] タネなし沼の種
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完璧だから
神なんだって君
また
騙されてるな
見せないだけだから
底をさ
姿すら
見せやしないし
予想だにしない結末は
あの時
円から
はみ出して
見上げてみれば
周知の未来に
変わっていたのに
例外達は皆
皆が
気が付かないうちに
瞬時に発生し
未成熟なまま
膨れ上がり
成長の止まった
創造主を
簡単に
追い越していくのです
よそ見は禁物だけど
死角ばかり気にして
肝心な
部分が
がら空きに
ならぬよう
気を付けよう人類

2005/12/14 (Wed)

[444] いちょう
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捨ててしまいました

両手が塞がっていては

掴めないものがあるので


舞い散る悲しみ

見て見ぬふりをしました

大切なものがあると

歩めなくなってしまうので


幸せをもいでまで

欲しいものがありました

ひと一人落として

進もうとした道に

幸せなどないのでしょう


でもそれでも

どうしても

手に入れたいものが

僕にはあったのです

だから



彼女を捨ててしまいました

2005/12/13 (Tue)

[443] 父の行方
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父不人気
乳大人気

母強
父安
ヨーグルト















父は
子の為
母の為

母は子の為
子は母の為

父の為
誰が赴く

父不在の
母の体内で
我が子等は
先を求める
忘れたものを
目指さずに
気付けるものか
その存在に

頑固親父に
援交親父
ちょいと悪かったり
祭りが好きだったり
正義感が強かったり
平気で人を殺したり
男の中の男だったり

善くも悪くも
いつかは触れていた
その父の手に

2005/12/13 (Tue)

[442] 価値剥奪の無価値
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正常だから
言えるんだ
喪失ったら
戻れないから
今一歩
踏み出す気になれないと
お前をどうにかすれば
俺だって

一文字残らず
君を消したら
僕すら書かなくなるか
主なる言葉を
切り裂けば
逃げられやしないだろ

甘い性癖に
夢を馳せる
お前の頭
壊してやりたいよ

2005/12/11 (Sun)

[441] 制限の崩壊
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暗がりだった先には
ほのかな明かりに
照らされた
暖かな部屋があった
真ん中には
エメラルド色の
ダブルベッドがあって
その上に
ちょこんと座るのは
高校生になったばかりの
女の子だ
場所を移り
感染された記憶が
知らない情報を
覚えていた
あの目をしていないが
間違いなく
あの綺麗な
細くて白い腕だった
白い手に
おいでおいでと
招かれて
ベッドへと
無表情に直進する
触りたい
早く触らせろ
何か喋ろうとしたのか
開いた口を
左手で塞ぎ
離してキスをする
強引に唇をどかして
舌を入れようとしたら
顔を掴まれ離された
潤いを帯びた
大きな瞳を
こちらに向けながら
嫌々と首を横に振る
何を今更
誘ったのは
お前の方だろ
逆に顔を掴み返し
動かないよう
固定して
強引にキスをした
抑制が利かず
後は欲に任せた
拒む手を撥ね除けて
無理矢理
服を脱がし
下着を剥がし
裸にした
発展途上の
未熟な体を貪って
挿入するまで
5分とかけなかった
早く
早く
お前の中に
なんでそんなに
嫌な顔をする
笑えよ
喜べよ
感じてるんだろ
涙ぐみ
悲痛な表情を浮かべた
殊更に興奮し
勢いよく中へ
飛び出した

行為が終わり
背中を向ける男
触れたら
触るなの一言
どうして貴方は
いつもそうなの
自分勝手で
好き勝手やって
束縛したり
突き放したり
貴方の自由
私は不自由
いい加減にして
泣いても叫んでも
隔離された四畳半を
行き交うだけで
他には漏れない
溜めて吐く息さえ
無駄な気がした

午後四時半過ぎ
高校生の妹は
ちらりと
こちらを見下して
通り過ぎ
階段を上がり二階へ
父はまだ会社に居た
あの時
母を犯したのは
今も
背後に存在するのは
誰だ

身を置く場所に
常に本物の
自分が在るが
本当は
何処に居るのか
見当もつかない

僕はボロボロ

2005/12/11 (Sun)

[440] 白昼の失踪
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TVの明かりだけの
薄暗い部屋で
何やらもそもそ
蠢いていた
嫌がる子宮のない母を
寡黙な父が
自分を満たす為だけに
没頭していた
非生産的な行為
その傍らには
学校帰りの
少年が立っていた
左手に持っていた
灯油を二人にかけて
即座に
マッチに火をつけて
ぽい、と放った
少年も含めて
燃える四畳半の部屋
けれども
二人には何故か
火は移らなかった
父の汚い尻が振られ
それに伴い
母の乳が上下に揺れた
行為は終わらなかった
夢も終わらなかった
いつもなら
怒りが破裂して
涙が飛び散れば
枕を濡らして
ふと目を覚ます筈なのに
熱い体
全身が燃えていた
とにかく
ここから離れよう
横幅の狭い
急な階段を駆け上がり
襖を開けて
自分の部屋に入った
部屋には
両親の代わりに
ファミコンがあった
漫画があった
小さいけれど
TVもあった
敷きっ放しの布団に
黒焦げになった
体のまま入った
どうなろうが
どうしようが
もう関係ない
仰向けになって
天井の枡目を数えたり
木目の模様に
様々な顔を浮かべていた
しばらくして
こちらを見ている
一つの目に気付いた
一体、何時からだ
天井に穴が開いていて
その暗がりから
するりと
手が伸びてきた
白い手
白い腕から
透き通って見える
紫色の血管
凄く綺麗だと思った
穴から覗く
一つ目は
背筋がゾクリとする程に
怖かったけれど
その手は誘っていた
明らかに
引き込もうとしていた

掴んではいけない

頭の中で僕は叫んだ
何度も何度も
掴んではいけないと
掴んだら
戻れなくなると
叫んでいたのに
一つも耳に入らなかった
何も考えられなかった
目先の誘惑に
耐えられず
その手を掴んだ

2005/12/11 (Sun)

[439] 夜の錯覚
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もう冬なのに
うしろで
セミが鳴いている
よく晴れた夜に
うるさいのは御免だ

月がうらやましい
隠れていても
慕われていて
それに今だって
誰かに
想われているんだろ

ぼくは
自ら輝けないし
スポットライトを
浴びた時だって
たいして
目立たなかったし

だから夜な夜な
ぼくはでかける
彼女を置いて
外へでかけた

死ぬほどに
生き抜いて
平然と今日がある
信じた偽りの
真実に気付いても
ぼくはこうして
月を見ている

赤の他人が
うらやましくて
とてもうらやましくて
ニセモノにすら
なれない自分に
嫌気がさして
そらに
身を投げそうになる

グッと堪えたら
やっぱりな
やってきた
くやしさはいつも
後からじゃないと
込み上げてこない

急に
月が一つ増えた
きっと
錯覚なんだろう

2005/12/09 (Fri)

[438] 早い逝交渉
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丁度良い温もり
ほんの一部分
浸かるだけなのに
頭から丸ごと
吸い込まれ
我を失う
ぬめる祠の
虜になって
ひたすら振り続ける
パンク寸前の風船
獣の意識は中空に

美味しい部分から
食べ始めると
最初の方や
結末直後を
表に運ぶのが
面倒になるし
見ていても
つまらなく感じる

幾ら他人のセックスに
興味があったとしても
読み飛ばして
大事な場面を
先に見て
ヌいてしまったら
瞬間に興味は
プツリと失せる
どんなに濃厚な物語でも
一気に色褪せ
幕を閉じる

幻想を脱がして
唇を奪い合い
舌と舌とを絡ませて
ミルクを飲むように
首筋をぺろりぺろり
柔らかさを
十二分に味わい
全身の皮を
少しずつ剥いだ後
自身の中身を啜らせる
それから

空洞になって
落ち着いてから
気が付くらしい
奥の方で
ヒリヒリする痛み
分からないから
優しくキスをして
笑ってやる

天国を過ぎると
急降下
頭の中は
トぶ前より
ずっと鮮明で
熱を奪われ
牙が萎え
急に
おとなしくなる獣
眠りを妨げられ
突き放したくなる衝動を
必死に堪え
抱き締める

もう何も言うな
この胸の中で
安らかに眠れ

2005/12/09 (Fri)

[437] 絡まりながら反り返る内への干渉
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Oh!神よ
かつては
人の子だった
貴方の創った世界に
何度目かの
新時代が到来し

未だまともに
直視出来ない
光の背後に
隠された姿
たった今
眺めているものは
明後日にある別の

同じ色をした
闇は無い筈なのに
どいつもこいつも
一緒に見える
造形が似通るせいか
誰をモデルに
デッサンしたのか

狼よ
かつては
鳥の子だった
空を飛べない
代償として
小さくも鋭い
牙を手に入れた
白い柵の向こう側
早くも危機と
出遇ってしまい

異彩を放つ
幼き四体に
魅せられた
蠢く闇々は
涎を垂らし
標的を見つめ

睨み返し思う
こんな処で
終わってたまるか
未発達のケモノ
怪しい茂みに
襲い掛かる
次の瞬間
呆気なく
捕らえられたが

牙を持っても
強気で挑んでも
所詮
ヒナはヒナ
危険を冒せば
狩られて
消化されるのみ
されど
露骨なケモノ
たとえ
肚の中でも
祈りはせずに

喰らってやる
喰らってやる
自らを呪うように
幾度も欲した
砕けた体は震え
潰れた目の奥は
空洞のまま
意識が途絶えても尚   膨らみ続けて

2005/12/08 (Thu)

[436] ヒナ
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子育てに飽きられて
温かいだけの庭に
放置されたまま
忘れられた
骨と皮だけのヒナ

食べる物には
困らない環境だから
幾ら食べても
何一つ身に付かない
言葉を知らない
ひ弱なケモノ

潜在的に
知識を欲す
飢えを凌ぎ
渇きに応えるには
一体どうすれば

虫の呼吸のように
囀る呻き
頭が弱すぎるから
空いてばかりいる
満たすには
やるしかない

羽のない前肢を広げ
闇雲にばたつかせ
白い柵に向かって
走りだす
ヒナは自分すら
よく分かっていない

2005/12/07 (Wed)
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