詩人:孤 花 | [投票][編集] |
昨日は夢じゃなかったんだと
確認する次の日
その繰り返し
不安定で高い足場に
ふりふりのミニスカートで
立っているようなのです
疲れるし怖いし
第一、嘘なのです
こんな姿は
それでも踏ん張っている
すーすー風に吹かれても
ふりふりが恥ずかしくても
だってあなたが好きだから
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きみの胸の中が
全部透けて見えたらって
ふと思った
そうしたらきみの全てを
手に入れられるのかな
きみが望むように出来たらと
もどかしい
一日の終わりに
今日は暇をしていた
なんて言わないでよね
もったいなくて仕方ないから
わたし
こんなせっかちなわたしに
初めて出会うの
きみはわたしに似ているから
共通点も
意外なところも
早く知りたくて
会いたいのに
わたしは会いたいのに
きみは違うみたいだから
だから一日の終わりに
今日は暇をしていた
なんて言わないでよね
明日は休日だよ
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嘲笑
爽やかな心理状態からはほど遠い複雑で醜い気持ち
歓喜
さっきまでの最も自分的な思考が一本道の単純な嬉しいになる
君の言葉で
憂鬱
そして実際胸がはっきり痛む程
分かりやすく落ち込むのである
君の言葉で
君のせいで喜んでいる私も
君のせいで落ちている私も
ただの馬鹿な女だと
自覚しているのに
私はロボットの様
ロボットの様に
君の言葉のスイッチで
一喜一憂する
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覚えていますか
やんちゃな君は誰かに追いかけられて
しょっちゅう軽い体で突進してきた
柔らかい髪が触れて口元辺りがくすぐったかった
覚えていますか
じゃんけんと君が言うからぽんと私は言った
面白いくらいにほとんど私が勝った
君が勝手に作った給食の後片付けのルール
覚えていますか
お互い機嫌が悪くてきっかけは些細なこと
いつも笑って許せることが駄目だった
次の日何もなかったようにもう笑っていたけど
覚えていますか
時々見せる照れ笑いが私は好きだった
用もないのに机のところへ来るのが
私が笑うまでずっとおちゃらけているのが
覚えていますか
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私たちの日々は
簡単に呼び出したり
消えてもいいようにコピーをとったり
消えてしまったかのように見えたものを見事に復元したり
出来ないから美しいのですね
日常は忘れ去られるもの
そして人の記憶は曖昧です
だから時々
一日の中の瞬間的なものに息を吹きかけ
命を与えます
永遠の命
あなたに届けば
なお良いのだけれど
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写真には残らなかった
他の人の記憶には残らなかった
恋人も知らない
私から見た美しさを
ずっと私の中に書き留めて
誰も見ないけど
私が生きる世界に
残しておくために
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絵となった思い出は
その面影を何とか留めているだけで
映像も
途切れ途切れ
昨日の出来事のように
呼び起こすことなど
出来なくなっていた
子鬼が花を降らした日も
今では半透明の膜に覆われて
かたくなってゆく
私の上に色とりどりの幸福達が
はらはらと舞い降りたあの日
褪せないと思っていた
瞬間
気持ち
ためらわずに
ためらわずに褪せていくのね。
あぁ月の日に君を想い
蒼すぎる哀しい空に馳せました
夢にはしないと叫んでいた
ずっと
ずっと
光が射すまで
あの街に残存感
黄色い声と制服
眩しい白の体操着
若さのスピード
頬をかすめた
チクタク
チクタク
チクタク
チクタク
夕方の暗い部屋に
現実が一杯に広がっていた
軽い疲労感
昼の明るさは嘘のように
子鬼は嘘のように
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さらさらと降りてゆく白雪を
ひかえめで優しい形をした粒を
それが寒々しい一本の樹を
緩やかに撫でるようにするのを
寂しそうな山はだを
そっと包んでゆくのを
歪んだこころに映して
それでも美しいと思った時に
涙が落ちた
景色など
窓の外など
いつの間にか
しばらく嫌っていたのだ
そんなことを考えていたら
白い小雪達は
心に染み込むくらいの大きさに
変わっていた