詩人:孤 花 | [投票][編集] |
どうしてだろうね
自分から逃げたくなるの
君を想うきれいな気持の上に
少し複雑な理屈が乗っているみたい
そして自分に正直であることを
やめてしまいそうになるの
何が違うのかな
あの頃と
あの頃は不純物なんてゼロで
ただ単純に真っ直ぐに
想えたんだよね
ただひたすらに
大好きなのに
大好きなのにね
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もちろん
こんな考えは
誠実さからは
かけ離れていて
刹那的なものかもしれなくて
いつの間にか消えてくのかもしれない
でも
君が最後に
私の瞳の中を覗いてくれた時
今まさに失くしかけてる
どうしようもなく愛しかったものに
優しく
別れを
告げられる気持ちになって
きっと
私は一生この人を愛しているんだろう
そう思った
それは何よりも
本当っぽかった
何年後
私の傍らには別の愛する人がいて
紛れもなく幸せだったとしても
それでもきっと
きっと
そう思うことは
とても
とても温かかった
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アタシ
神様なんて信じていないよ
だけどね
お前がアタシを
あのお空から見てるって
信じたいんだ
ズルイんだ
ねえ
見てるよね?
最後にお別れが言えなかったことも
アタシがまだオマエより小さかった時
沢山遊んでくれたのに
アタシはお前に触れることさえ
忘れてしまったこと
許してくれる?
お前の辛そうな眼が忘れられない
最後に見たのはその眼だったから
最後に見たのが
その眼だったから
穏やかで優しい真っ白なお前
いつも嬉しそうに近寄ってきたね
お前にこの想いが伝えられたらって
何度思っただろう
もう一度だけ会って
一生分の優しさをあげたられたらって
何度思っただろう
お前が好きだったのに
本当に好きだったのに
アタシは神様なんか信じていないのに
神様を信じたいんだ
ズルイんだ
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淡いピンク色の美しさに掻き消されて
小さな生まれかけた気持ちも
いつの間にか忘れ去られるのでしょうか
花の香りに包まれた慌ただしい日々がとめどなく流れ
何気無いメッセージにクスリと嬉し笑いをしたことを
振り返る余裕さえ無くなるのでしょうか
貴方に抱いた暖かいものは
この寒さの中で凍りついて
小さくて硬い石のようになって胸の隅に転がり
置き去りになるのでしょうか
そんなの
やっぱり
嫌なんです
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誰を抱いても
一人でいる私を見付けてくれ
暖かい貴方で
包みこんで慰めてくれたら
それでいい
砂浜に転がった
乾いたコップを
その優しい手で
そっと拾い
貴方は捨てずに
水を注ぎ
きっと喉を潤す
それでいい
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君は卒業した
君が壇上に上がる三歩の音に耳を傾け
卒業証書を受け取る姿を瞳に納めた
もっと
ゆっくり
歩いてよ
全く特別なことは起こらなかった
面白いくらいに淡々とした儀式はつまらなかった
そして君は卒業した
私もまた卒業した
心の準備は十分の二倍くらいにしてたから
寂しさの涙は出さなかった
心残りは笑顔で散らした
写真の中の私はしっかりピースを出している
だから大丈夫
君は知らないけれど
私の想いは
君の机の上に
置いてきた。
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交わる予定の無かった
君と私の時間が偶然交差したのだから
私はそれに感謝している
君の気持ちになんて
何枚のベールを外していけば辿り着けるのかしら
君が時々くれるチャンスの意味すら分からない私だから
一瞬交わりそうな時間を
時々私は捨ててしまう
本当は君を知りたくて
知りたくてたまらないのに
優しい言葉だけを頼りに
遠くの君を思い浮かべる他ないわね
別の列車に乗る君を
ここから追いかけ見つめている様に
夢の中では
何もかもを潔く手放して
君に飛込むために走り出していたのに
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流行りの曲の歌詞はどうしてこうも恋愛について語るのか
恋のことばかり考えている人間がどれほど多いかを語ってる
幼い私はそのことを馬鹿らしく思っていた
世の中の大半は異性に対する愛で出来ている
陳腐な世界だ
そして見事にそこへ私はおちた
彼を愛していられる世界に満たされるから
それ以外の世界はいらない
安っぽくも無限の世界だったんだ
彼が居ない世界なんか本当はとっくにいらなかった
仕事をして勉強して遊んで補う心の容量
楽しいと思うことが楽しさに変わる
変えようとする
本当は陳腐な其所へ戻りたいのに
寂しくて寂しくて吐きそうだ
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ずっとこの街で過ごし
ずっとここがすきだった
でも
もう
恋したあのひとも
いつまでも一緒だと思っていた友人も
遠い街へ去っていった
何の不満もなかった田舎での暮らし
東京に出たいなんて思ったことなど一度もなかった
だけどこのまま
私だけ何も変わらないことに
不安を覚える
当たり前に笑い合った人の中には
もう二度と会わない人が居る
そんな風に
人生は無数の方向に流れ続けているんだ
永遠なんて無い
私も
どのようにも選択出来たんだね
これからでも
出来るんだよね
恋したあの人はもう居ない
澄んだ空は
一体どこに見える?
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思い出そうとすればするほど
薄れていく夢の内容のように
すこし前の頃の私も
私に逆らって薄れていく
強い力が
体と目の前の道にかかって
捕われたのか
期待なのか
軌道に乗った先のことなんか
考えたことがなくて
ここから歩くために
瞳を開いていなきゃ
潰れても
立ち上がらなければいけないなら
潰れるのは面倒だし
やっぱり歩かなければ
飛ぶなんて事は今は考えずに。