詩人:シンラ | [投票][編集] |
春は見せかけ
人々の笑い声
私のつまさき
一層冷える
春は見せかけ
泣き笑いで 砕けた目
憎むことに
慣れすぎていた
鳥が
草が
つちが
うたいだして
なのに私は
動かぬつまさき
眺めているだけ
この砕けた目
鳥が 草が つちが
それでもまだ
うたうから
風に吹かれ
呟くつまさき
目を閉じて
ほどいたささやき
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空を見上げて
ふと深呼吸
すなおなきもちで
雲をながめて
それが とても ひさしぶり
鳥のさえずり
風の感覚
きっともうすぐ
春やってきて
草花の匂い
水のせせらぎ
ちいさなしあわせ1コずつ
そういうのがね
わたしのなかでは
ふんわりじんわり
ひろがってって
とっても大きなしあわせになる
思いだしたの
少しだけ
1歩ずつ
歩いてみようと
今は思うの
なんとなくね
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音もなく
雪が降る
音もなく
時が降る
確かにそこに
あるのだけれど
触れたら
すっと
消えてしまう
降り積もるのに
やがてはなくなる
「今」って一体
何なんだろう
雪道を
誰かが駆けてく
時の中
ひそかに眠る
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枯れ草の上に寝転んで
飛行機雲を
眺めてた
存在意義を 探す人
想いが実って幸福な人
愛する人と 別れた人
明日 誰かと出逢う人
地球は廻る
廻る
廻る
数えきれない祈りを繋いで
僕らは旅する
今日から
未来へ
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声は空から降ってきて
眠れる君の
頬を打つ
彼女は広場の隅っこで
君の目覚めを待っている
雨粒ほろりら
おかえりなさい
雨粒ほろりら
さぁ行きましょう
苦しかった
優しかった
恋しかった
切なかった
星を見るのが大好きだった
あの頃君は
夢を生きてた
やがて夜明けが訪れて
雨は止み
ひかりが射し込む
雨粒きらきら
おかえりなさい
雨粒きらきら
さぁ行きましょう
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開拓道路の続きを探した
獣道に咲くヤマユリの白
ばかにすんな
ばかにすんな
じゃじゃ馬の棲みかを
その本当の意味を
晴れた空が好きなわけじゃない
澄んだ世界を見上げたいだけ
砂利の上伸びる
背の高い草
ばかにすんな
ばかにすんな
どこでもよかったわけじゃない
上を目指してみたかっただけ
さびついたコーヒーの缶
丘の上で風に吹かれた
西に向かって歌をうたった
オレンジが色を深めていった
帰り道など考えなかった
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絶望を
希望に変えるなんて
そんなコト
とてもできないけれども
僕は知ってる
ほんのわずかな
“癒し”という存在のコトを
たとえばそれは
あのメロディ
たとえばそれは
あの言葉
たとえばそれは
あの日の空
ゆっくりゆっくり
思い浮かべて
何とか今日を
やっていくんだ