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猫の影の部屋  〜 新着順表示 〜


[537] 蝉の声。
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背中にはりつくTシャツのすそ
ひろげて風を通しつあなた待ち

2014/07/28 (Mon)

[536] 夏の夜の夢。
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闇の向こう

庭の方かはわからぬが

りーりーりーと鳴いている

部屋の中かもわからぬが

りーりーりーと哭いている

どこにいるやらわからぬが

りーりーりーと闇の蟲

2014/07/17 (Thu)

[535] きっと、咲くから。
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ずっと花をつけないものだから

もう諦めていた

今年の夏咲いたその花は

赤く強く美しかった


きっと 大丈夫だよ

君は庭を眺めたまま呟いた



コップの中の氷の音が

カランと響く 夏の午後だ

2014/07/02 (Wed)

[534] しかたない。
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余計なことも

逃げたいことも

投げ出したことや

目を閉じたことも

どうしたって私のものだから

仕方ないよね

仕方ないなら楽しんじゃうしか、ないよね


2014/06/25 (Wed)

[533] 踏み越える理由。
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しん、と寒い部屋の中

ベッドの上に僕はいる

空気までこおりついたようで

死のう、と思った

ただ、孤独だった

2014/06/14 (Sat)

[532] リスタート。
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自分を殺せなかったあの日があって
裏切られた期待を呪ったあの頃があった

自分に優しくしてやれなくて
いつだってちぎれそうなくらい自分の首を絞めてきた

ぼくは笑いながら
笑うことをやめていた

軛から逃れ
ただ逃れ
走ることをまた始める

ぼくは今自由になる
今までの中で一番自由に

笑うことをもう一度はじめる
笑うことから逃げない
また笑おうと決心する

2014/05/24 (Sat)

[531] 夢のあとさき。
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思い描いた未来とはあまりにも

ほくそ笑んだ未来とはあまりにも

かけ離れた僕の世界を

僕は真正面から受け止めるのだ

傷つけたあの人も

傷つけられたあの過去も



愛してると言った

愛してると言ったはずだろ

でもそれはただの言葉だった




抱きしめたイマも

すがりついたソコも

諦めきれないアレも

それはただの言葉だったよ

2014/03/01 (Sat)

[530] 隣で貴方は。
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甘いスコッチが
舌の上で薫りだけ残して
去って行く

ピリリとアルコールが皮膚を焼いて
誤魔化すようにピーナッツ

ずっと好きだったみたいなんだ
貴方に言えればどんなにかいいだろう

ずっと好きだったんだ
言葉にできればどんなにか素敵だろう

隣で貴方は仕事の話



煙たいバーボンは
鼻腔の中をふわりとまわって
去って行く

胸を焦がすことも
貴方に触れることも
できないままにカラにする

ずっときっと好きだったの
言ったら全部おしまいになるよね

きっとずっと好きだったよ
だからこれからもずっと好きなまま

隣で貴方は女の話




ねえずっと好きだったよ

多分これからも好きみたいだよ

きっとずっと、

ずっときっと、



隣で貴方は笑ってる

2014/01/15 (Wed)

[529] ラムと貴方と僕の声。
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届かない人に恋をする。

届かないから失うこともない、
甘くて半端な、冗談みたいな恋。

傷つくことも傷つけることも、
満たされることも満たすことも、
何もない、ただ想いだけが、
ふわり宙に浮かぶ。



決して届けるつもりもない恋。

連絡が来て喜んで、
気遣われただけで舞い上がって、
頼られたら涙して、
顔を見たら幸せすぎて倒れそうで。

だけどそれも全部閉じ込める。

深く深く押し込める。

多分ずっと好きだけど、
言葉には決してしない、
してはいけない。



ただただ、胸の内にしまったら、
唇をキュッとかんで、
とりあえず今日を生きるのです。

2014/01/15 (Wed)

[528] 夜に恋して。
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久しぶりに眠れた夜の
そのあとの朝は何だか気まずい

ただしとしとと
雨のように
涙が流れた

どうして人は
いつだって愚かで
いつだって醜くて
いつだって脆いのでしょう

そんなこと考えていたら
太陽が高くなっていた




夜を裏切ったような気がして
太陽と顔を合わせるのが気まずい

顔を洗って
鏡の自分に
笑いかけてみた

どうして人は
いつだって無邪気で
いつだって優しくて
いつだって強いのでしょうか

そんなこと考えていたら
また夜の帳が降りてきた



私はもう
夜に殺されても
それでもいい

2013/09/13 (Fri)
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