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猫の影の部屋  〜 新着順表示 〜


[507] marmelo.
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貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる

吐いた煙
指先に巻いて
屠った肉も
うまく噛み切れなくて

わかってはいた
虚しく笑ってもみた
何か手にしたような
それだけの感覚


貴女の肌の温もり
寄り添った頬の感覚だけ
少し思い出せる

吐いた糸を
指先に巻いて
放った言葉も
うまくいかなかった

わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触



貴女の髪の香り
抱き締めた腕の感覚だけ
少し思い出せる

わかってはいた
虚しく笑ってはみた
何か失った様な
優しい感触

2010/09/23 (Thu)

[506] 沈黙。
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忘れてしまいそう
あの日の夕焼けも
あなたの絵も

湿気たクッキーが
袋の中で粉々になっていた

何が楽しかったのか
何が哀しかったのか
思うようには描けなくて
日が滲む


かすれてしまうそう
綺麗な思い出も
恋人との時間も

錆びたジッパーが
記憶の隅で引っかかっていた

何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けなくて
日は沈む


古びた雑誌が
口を噤んで佇んでいる

胸が濡れた


何が足りなかったのか
何か余計だったのか

何を求めていたのか
何になりたかったのか
思うようには描けない

描けなかった

2010/09/13 (Mon)

[505] 視界が暗い。
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髪を伸ばしてる
視界が暗い

未来はちょうどこんな風か
見えそうで見えない
そこがsexy

遮る黒い細いライン
かき上げたら
不自然なくらい鮮明な
世界


君を探してる
視界は暗い

それはちょうどこんな風か
届きそうで届かない
それがsexy

遮るクロック 細るライン
巻き上げても
動きそうもないゼンマイ
She's cry.

未来はちょうどこんな風か
見えそうで見えない
そこがsexy

遮るクロック 細るライン
巻き上げても
動きそうもないゼンマイ
She's cry.

2010/09/11 (Sat)

[504] 哀しい恋。
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哀しい恋はいつも滑稽で
イエスが座禅を組んでいる

振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ

マグダラのあの女
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その糸は見えることもない


哀しい恋はいつも早計で
妻子を捨てた男の後悔のよう

耽美的な微笑み
目にしみるその造形
目から何か流れているのは
多分何かの勘違い

宮殿のヤショダラとでも
そんな風に言いたくなる
絡め取られた少年に
その意図はわからずじまい



振り返るその刹那
香る髪の粒子
鼻の奥が少し痛いのは
多分気のせいなのだ

2010/09/08 (Wed)

[503] 何を思えば。
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またかよ、ほんと
付き合いきれないかもね

君のワガママにも耐えたのは
そのつもりでいたから
なんとかロードってやつ
歩く君 想像して

しかしなんだまぁ
僕のワガママは耐えられないって
そのつもりはないのなら
この関係もリロードして

AからZのうちから
たった一つを選ぶこと
とりあえずは一石投じる
それくらいやってみても
ねぇ

君を我がママに会わせたのは
そういうあれでいたから
なんとかイエスの返事ってやつ
もらえるものと思って

しかしもうガダマー
それも人それぞれって
そういうつもりなら
この関係もウエスで拭って

ええからこのトポロジーから
抜け出せやしないかと
とりあえずは一石投じる
それくらいのことしかなんて
ねぇ


またかよ、ほんと
もう付き合いきれないかもね

なんて

僕のワガママも

なんて

なんて惨めな

この

なんだ

2010/09/04 (Sat)

[502] カラクサ。
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唐草模様の未来は
どうにも胸に悪いらしい
闇雲にひろがって
不安に空虚が満たされる

向こう側には何があるのか
そんな事を知りたいのか
馳せる思いはいつでもきっと
耽美に甘美に爆ぜてしまうから

つまらない思い出も
つまらない未来でも
それは途切れる事なく続いて行くはずだ
どのみち歩かなければならないんだろう
それでもいいと思う次第だ


唐草模様の窓ガラスが
どうにも目には落ち着かない
うろこ雲が朱に染まって
黄昏が黒に覆われる

向こう側には何があるのか
そんな事は知りたくもないのに
走る僕は今にもきっと
酸鼻な未来に捕まってしまうから

つまるところは昔でも
つまるところが明日でも
それが途切れる事なく続いて行くはずだ
どのみち歩かなければならないんだが
それは自分の脚次第なんだ


唐草模様の未来は
どうにも胸に悪いらしい
闇雲にひろがって
不安に空虚が満たされる

つまるところは昔でも
つまるところが明日でも
それが途切れる事なく続いて行くはずだ
どのみち歩かなければならないんだが
それは自分の脚次第なんだ

2010/08/27 (Fri)

[501] 希望。
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空、見上げた
澄んだ青が、目を刺した

君、との未来だ
撒いた種が、芽を出した

眼前の視界が、笑えないほどゆがんでいって そう
その馬鹿みたいな不条理劇も
その馬鹿みたいな悲しいことも
全部水に流しちゃってくれ

空、見上げた
汗ばんだ頬に、朱が差した

君、との未来を
描いたその絵に、朱を差した

瓦解する世界が、含めないほどふやけていって そう
その刹那のような幸福も
そのせつないような希望さえ
全て流れてしまえばいい


しまえばいい
しまえばいいのに……

君の名を呼んだ
声は青さにほだされたみたいだ




空、見上げた
澄んだ青が、目を刺した

君、との未来だ

2010/08/25 (Wed)

[500] バーバラの憂鬱。
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 境がほら
くるくると
入れ替わるのが
みえるだろう?

臨界が
溶け出して
溶け合っていくんだ
クリーミィで
冗談みたいなの
そんな視界なの

指先を
ミルクに浸して
口づけるような
そんな甘美な
曖昧な、憧憬


世界がそう
カラカラと
から回るのも
目に見えるようだ

2010/08/01 (Sun)

[499] 少年。
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深い深い森だった
どこかで何かが
流れていた

青い静寂が垂れ込めた
黒い風が頬を撫でた

彼は言った
あなたはあなたのものではない
美しい少年だった


長い長い時間だった
どこかで誰かが
泣いていた

群青の偽善を浄化した
聡い眉が疑義を呈した

彼は言った
あなたには死すら許されない
儚げな微笑みだった


日の光がたちこめて
粒子にまで昇華しそう
東にいたあの少年は
今はもうない

彼は言った
あなたはあなたのものでない
彼は言っただろう
あなたには死すら許されない

2010/07/16 (Fri)

[498] Lyke.
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遠く、遠くへ
去るだろう
届かない、彼岸へ

ちぎれそうなほど
無垢で
押し潰されそうな
残虐性

波が全てを飲み込む
その感覚だ
目をつぶってしまっても
変えられはしない
敵いはしない


速く、速くに
去るだろう
性もない、彼岸に

コトキレかねぬ程の
狂気
蝕まれそうな
その知性

微細な粉末に支配される
その感覚だ
目をつぶったところで
抗えはしない
適いはしない


一条の光が
焼き尽くすだろう
一条の光が
全てを


岩塊の衝突する
あの感覚なのだ
五感を閉ざしたところで
そう、叶いはしない
叶いはしないのに


2010/07/15 (Thu)
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