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そほとの部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] くちづけ
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あなたのとばしたシャボン玉
そおっと
てのひらにとったら
きえました

あなたの
やわらかなくちびるに
そおっと
くちびるかさねたら

やはりあなたも
きえますか



2009/01/27 (Tue)

[12] ねェ
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なぜ 霜がおりるの?

月のうさぎの息が凍って



2009/01/27 (Tue)

[13] その者
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地面から空へとぶら下がる鎖は
風にチャラチャラと鳴り
赤サビの粉を飛ばす
黒い皮膚から滲み出す汗はしょっぱくて
目から溢れる汗もしょっぱかった
天に召されることまでも許されず
足枷のまま埋められた
鎖は天よりの引力に引かれ
ぶら下がり
死して
位相反転したその者
地中高く舞い上がる

最終到達地点は





2009/01/28 (Wed)

[14] ねむの花
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朝霞ほのかな紅はねむの花
はるかな母のぬくもりに似て

2009/01/28 (Wed)

[15] あぶく
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詩を探して
水の温んだ田圃を覗き込んでいたら
オタマジャクシのアホ面が
うたかたの夢でも喰らいやがれと
あぶく ぷくっ



2009/01/28 (Wed)

[16] うぐいす
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窓の外で 
うぐいすが
歌をうたっておりました
それはそれは 
やさしい歌でした
お礼に
あの人の名を
あげましょう
だから
明日もうたって
くださいな
わたし一人の
ためだけに



2009/01/28 (Wed)

[17] 雪は
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ちぎった綿雪
ゆっくりと下界を眺めながら
気の向くままに下りて行く
草木の命に微笑みながら
山に降るやつ
畑に降るやつ
暖房の効いた屋根に降るやつ
どいつもこいつも
すぐ消えてしまうくせに
あの気ままで
清らかな笑顔はどうだ
やつらは知っているんだ
たとえ泥に汚れ消えようとも
また雪に戻れることを
純粋な命に
「ほろび」は無いと



2009/01/28 (Wed)

[18] レンガの螺旋階段
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降り出す雪のにおいが
朝の風に染みていた
さむさ坊主が肌に立ち
雪のにおいにふるえている


朝には土を埋め尽くし
夜はその下に眠る

眠れる夜のために
バベルの塔より高く
螺旋階段をつくってやりたい
レンガを積んで
つくってやりたい


朝には昨日の雪を埋め尽くし
夜はその下に眠る

眠れる夜のために
花を飾ってやりたい
あなたの好きだった
むらさき色の花を
枯れ枝のようだったその腕に
抱えきれないほど


朝には昨日の雪を埋め尽くし
夜はその下に眠る



2009/01/28 (Wed)

[19] 
詩人:そほと [投票][編集]

朝がいつも
真新しいシャツを着て
ボクを起こしに来る頃
母さんはいつでも
先に起きていて
不服そうに寝ぼけまなこを
開いたボクに
「おめざめね」
と言いながら
大きなアメ玉を
口の中に押し込む
ボクはキョトンとした顔
してみせたけど
本当は知っていたんだ
起きぬけの
全ての幼児がそうであるように
目覚めの瞬間
母さんの温もりを感じられない
不安
あてもなく訴えるためだけに
ぐずらぬように

早く目覚めすぎたお腹の虫を
仕度ができるまで
だまくらかそうとしていることを・・・・
それでも
その時は
確かに幸福だったんだ
確かに

そして

朝は
昨日と同じシャツを着て
昨日と同じ手口で
起こしに来る
僕は僕で
長い長い夜を
眠ったふりをしながら
手ぐすね引いて待っているんだ
ヤツのシャツが
日一日と汚れ
擦り切れてゆく淋しさを
だまくらかすための
大きなアメ玉
口の中へ押し込んでくれる
やさしい手の無い事を
知りながら



2009/01/28 (Wed)

[20] 帰宅
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また来たか
コーヒーでもいれてやる
そう警戒するな
インスタントだ
粉と
粉と
粉と

水は熱してある
この湯気くらいは
俺の真心だから
とりあえず飲め
鏡の外の疲れた俺よ



2009/01/29 (Thu)
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