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そほとの部屋  〜 投稿順表示 〜


[31] いたいよ
詩人:そほと [投票][編集]

まねき寄せ
抱きしめたなら ほんのりと
髪の匂いに思わず ぎゅっ
小さな声で
「いたいよ」

2009/01/29 (Thu)

[32] そして私は
詩人:そほと [投票][編集]

優雅に咲く花
可憐に咲く花

はかなく散る花
静かに枯れる花

そして私は
花がすき

そして
つぼみのキリリ
が  すき



2009/01/29 (Thu)

[33] 新聞配達の男
詩人:そほと [投票][編集]

極寒の冷気が
ショットガンの威力をもって
突き刺さる

噴出す血潮は
サラサラの結晶と化し
美しくさえ見える

裸の木々は凍え
もはや
何も感じてはいまい

日常の醜悪なペニスが活字と化し
ビッシリと刷り込まれた新聞
メリメリと突っ込まれるのを
待ち受けるポスト
赤く爛れた口を
夜に向かって開けている

新聞配達の男
お前の目的は何だ

何を企んでいる



2009/01/29 (Thu)

[34] ぜんそく
詩人:そほと [投票][編集]

おかあさんのためなら
がまんできます

がまん強いボクは
小児ぜんそくとたたかいます
でも
何度か負けそうになりました
おかあさんは
だまって背中を
さすってくれます
何も言えず背中を
さすってくれます
一度だけ
「たすけて」と言いました
一度だけ
「どうしようもないでしょ」
と言われました
どんなにおかあさんが
辛いのかわかりました
ボクは疲れ果て
息ができずに
気を失って眠るまで
がまんできます
おかあさんのためなら
がまんできます



2009/01/29 (Thu)

[35] まさにまさに
詩人:そほと [投票][編集]

無意味な瞼の独り言
騒々しい眼球の高笑い
気取った鼻毛のフェンシング
これほど虚しい眠りに就かなきゃならんとは
愚かな生き方をしている



2009/01/29 (Thu)

[36] 「すき」
詩人:そほと [投票][編集]

あかちゃんの寝息
音の無い音の「す」
「す」
すきとおるの「す」
「す」「き」は
すきとおった
きもち
「すき」
すきまの
なにも無いところ
とつぜん現れるこの気持ち

だから
どうしようもない

だから
どうしようもない



2009/01/29 (Thu)

[37] 菜の花
詩人:そほと [投票][編集]

あれっ
一人だ

菜の花の声
ふふっ
咲いちゃお

菜の花



2009/01/30 (Fri)

[38] 
詩人:そほと [投票][編集]

涎とフケで変色した
俺の枕は嫌なヤツだ
俺の弱みをにぎっている
今夜も
期待にシッポをふるわせて
うずくまっている



2009/01/30 (Fri)

[39] おさんぽ
詩人:そほと [投票][編集]

おさんぽしてると
おかあさん
ひょこっとしゃがんで
草を摘む
苦労時代の哀しいなごりと
今は知るけど
幼い目に
いっぱい「ふ・し・ぎ」ためて
見ていたものです
そう
今は知るけど
思い出せば
うつくしい



2009/01/30 (Fri)

[40] チュ〜したい
詩人:そほと [投票][編集]

日が射せば
灰になる
恋を忘れた吸血鬼



2009/01/30 (Fri)
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