詩人:そほと | [投票][編集] |
極寒の冷気が
ショットガンの威力をもって
突き刺さる
噴出す血潮は
サラサラの結晶と化し
美しくさえ見える
裸の木々は凍え
もはや
何も感じてはいまい
日常の醜悪なペニスが活字と化し
ビッシリと刷り込まれた新聞
メリメリと突っ込まれるのを
待ち受けるポスト
赤く爛れた口を
夜に向かって開けている
新聞配達の男
お前の目的は何だ
何を企んでいる
詩人:そほと | [投票][編集] |
おかあさんのためなら
がまんできます
がまん強いボクは
小児ぜんそくとたたかいます
でも
何度か負けそうになりました
おかあさんは
だまって背中を
さすってくれます
何も言えず背中を
さすってくれます
一度だけ
「たすけて」と言いました
一度だけ
「どうしようもないでしょ」
と言われました
どんなにおかあさんが
辛いのかわかりました
ボクは疲れ果て
息ができずに
気を失って眠るまで
がまんできます
おかあさんのためなら
がまんできます
詩人:そほと | [投票][編集] |
あかちゃんの寝息
音の無い音の「す」
「す」
すきとおるの「す」
「す」「き」は
すきとおった
きもち
「すき」
すきまの
なにも無いところ
とつぜん現れるこの気持ち
だから
どうしようもない
だから
どうしようもない
詩人:そほと | [投票][編集] |
おさんぽしてると
おかあさん
ひょこっとしゃがんで
草を摘む
苦労時代の哀しいなごりと
今は知るけど
幼い目に
いっぱい「ふ・し・ぎ」ためて
見ていたものです
そう
今は知るけど
思い出せば
うつくしい