詩人:そほと | [投票][編集] |
窓を多めに開けて
タバコに火を点ける
「もう ヘッドライトはいらんなァ」
と 独り言
さあて今日も仕事と
つま先に力を入れて
バク転一発
狭い車内
朝まずめのエラ洗い
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風が引っ掻き回す夜
雲に隠れたと見えた星
実は逃げ去った
昼間の怒りがくすぶっている私は
眠れない夜を風のせいにする
誰か
ホットミルクにシナモンを
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詩・曲 そほと
ただ
貝のペンダント
あなたがくれたわたしの海
山に育って海を知らない
あなたが海
波は電話のあなたの声
波にわたしはゆらされて
ただ
貝のペンダント
抱きしめて
嫁ぎ先まで持ってきた
こっそりないしょで持ってきた
こわれても
まだ抱いてます
こわれた海を
抱いてます
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冷徹な温度を秘めた
吹き上げられた砂が放つ
コントラスト
波紋の屈折が生み出す
グラデーション
空気の振動を介さぬ
心地よい調べ
湧水が見たい
気だるい
ありふれた朝が
地平を離れ
大きく見える
無表情な
車と車と車
流れ
タイヤはどうして
黒 どうして
「湧水が見たい」
無意識のつぶやきに
我 おどろいた朝
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ひあたりの良い川の土手
いっぽんとったら母をみる
はしりまわってつくしとり
いっぽんとったら母をみる
ころげまわってつくしとり
編んでもらったセーターが
枯れ草まみれになってても
目を合せれば微笑みかえす
ここはひあたりの良い川の土手
ころげまわってつくしとり
はしりまわってつくしとり
詩人:そほと | [投票][編集] |
天空の猫は
片目だけで地上を覗き見するのが
たいそう面白いらしいのだ
まん丸に見開いたり細めたり
雲に隠れて見えない時でも
思い出してはノドをごろごろ鳴らして
たいそうご機嫌らしいのだ
どうも人間という種類が
飽きさせないらしい