詩人:アイカ | [投票][編集] |
喜びは消えた
悲しみは消えた
ここにはなにもないの。
ゆるみすぎて絡まった私の時間をほどくのに、
あとどれくらいかかるだろう。
あの鳥には餌をやらなくたっていい。
自分で飛べるから。
私の背には羽毛の抜け落ちた
汚い羽
私にはあの空が
遠すぎるから
別におかしくなんてないわ。
日に焼けて色褪せた服を
ただ着てるだけ
汚い羽を隠してるだけ。
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交差点に立ち
行き交う人混みを
さげすむ様に
眺めている午後
私だってあんな風に
笑えていたはず
上手く演じてたはず
だけどあの時
体中で助けを
求めてた
何故だかあの頃の面影が
………ふっと視界を通り過ぎるのです
笑っていたはずなのに
必死で
温もり探してた。
足先に溜まった
痛み達は
いつしか逃げ場を無くしてた。
振り返れば過去になるのでしょう………
それを怖がるこの痛みは
今でも私を苦しめる
いつまでも過去にできない。
いつまでも過去にならない。
私、振り返る事
できずに居るのです。
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このまま誰にも気づかれずに
一人、消えていくのだろう………
そんな気がした夜があって……
目を閉じればそのまま死んでいくのだろう………
本当に
そんな気がした夜があって………
此処には、確かに体があって……
此処には、確かに心があって……
それでも
不安でしかたのない気持ちを
ぬぐえない頭があって……
涙は止まろうとはしてくれない
手の震えは増すばかり
膝を抱え
祈りながら
夜が過ぎるのを待っていたのです
祈りながら
いつか許されると信じていたのです
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風が吹いたって
雨が降ったって
ここに
君が居なきゃ意味などないじゃないか。
綺麗な服があったって、
素敵な靴があったって、
愛の歌が唄えたって、
この手に
君が触れなきゃ意味などないじゃないか。
どんなに記憶を消そうとしたって
叶わない
歩き回ってやっとみつけた一晩中光る蛍光灯の下で
どうしても
缶コーヒーを二つ買ってしまうんだ
あの日の君のこと思い出しては
悲しい習慣に失笑してる。
君はきっと
私の小さな望みより
譲れない夢の続きを選んだんだね
君が居なければ
私の意味など
ないじゃないか………。
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醜く動く口先だけ
上手く石膏固めたとて
所詮、
哀しい夢の続き。
最後に私は死んで
奴等は、さも面白そうに笑うのです。
突然、
美しい口笛で目が醒めたのです。
ふと見回せば
辺鄙なところへ来ていました。
どうたどり着いたのかさえ
記憶にございません。
物語は終盤近く、
今にも笑い声が聞こえ始めるのでしょう。
所詮、
悲しい夢の続き。
体は
赤い靴の踊り娘の如く。
足焼き払うまで
休む事はしない
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アンタだけが
一人で生きてるんじゃないわ
勘違いしないで。
粉々に飛び散ってる
心の欠片は
もう戻らない
勘違いしないで
ここに転がって
光ってるのは
私の欠片
アンタは
平然と言い放つ
私が一番不幸なの
例えそう思ってもかまやしない。
勘違いしないで
アンタが
不幸だろうが
私には関係のない事
街の隅で
仲間と傷舐め合えばいい。
それがアンタの自由ならば
私は止めやしない。
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辛いのです
辛いのです
他人に
迷惑をかけず
生き行くのは
困難で、
途方もない
空虚感を体で受けながら
目線、遠くをなぞり
さらば君よ。と…………
精一杯差し出した手のひらに落ちる雪を
数えて居ました
さらば君よ。と………
違う道を選んだ
背中を
いつまでも見ていました。
このまま夜になるのならば
それでいいのです。
その背中
残像が消えるまで………
この手のひら
君の温度消えるまで………。
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今日は汚い私の生まれた日らしい
それは
産んでいただいてありがとう。
綺麗な紙の上で
当たり障りのないような
言葉を書いて喜ぶ影。
私は汚い偽善者
冷えたミルクティーをわざとこぼしてる。
その不規則な
シミは消えることのない空虚の形
貴方からの返事を待ってたのよ。
おめでとうなんてからっぽの言葉
待ってたのよ。
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どうせいらない子なのでしょう。
皆が望んでる事。いい子の私は、
言われなくても
知っていました
冷たい朝
左足が酷く痺れていました。
冷たい朝
貴方への言葉を綴っていました。
首から下げる
冷たい鍵を
インスタントの火で燃やすのです。
その鍵をわざと
手首に押し当てて生きている勲章を
いくつも
いくつも
作ったのです。
誰も気づかない
生きてる印
私だけの綺麗な印
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倒れまいと必死に
こらえています
空を語るには
汚れすぎてるこの手のひら。
一秒……
時を重ねるごとに
義務
と言う名の自由が、
かさなって
身動き一つできなくなって
四角い箱の中から
助けを必死に求めています。
悲劇と呼ぶにはあまりにも
足りない
なんて悲しいお話