詩人:夕凪 | [投票][編集] |
実家の父の元へと
向かう道の途中
私の少し後ろを
歩いていた兄が
急に笑い出して
私に言った ‥
お前の後ろ姿
歩き方とか ‥
元気やった頃の
母さんに
そっくりやな ─‥
不意打ちの言葉に
立ち止まる
そんな私の横を
笑いながら
スタスタと
追い抜いていく兄 ‥
その後ろ姿を
見ながら思う
お兄ちゃんかって
お父さんに
そっくりやのに(笑)
兄にそう言おうと
したけど
止めておいた
父親譲りの
不器用さんは
照れ隠しに
四苦八苦しそう
やもんね 。
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そこのけ
そこのけ
愛サンタの
お通りだい ─‥
愛を
降らすよ
愛を
届けるよ
心の靴下
穴はしっかり
繕って
愛サンタが
やってくる ─‥
愛を失くした
ピーターパン達に
愛サンタが
とびきりの愛を
見せるよ ─‥
ほら、もう
君の心まで
あと少し ─‥
そこのけ
そこのけ
愛サンタの
お通りだい ─‥!
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おかあさんのてが
やけどするくらい
あついごはんで
おにぎりつくったら
いちばんおいしい
おにぎりになるねんで
たべるとき おにぎりが
やさしくたべれる 。
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寒い冬の日
電車に飛び込んだ
あの老人の
孤独を知る者は
何処にもいない ‥
線路脇に残された
灰色の杖
取り除けない
最期の残骸 ‥
私は泣いた
途方に暮れて
動けず泣いた
私の乗った電車に
飛び込んだ老人
知らない老人
杖だけが
強く焼き付いた
あの老人の
本当の孤独は
今もきっと
あの杖しか
知らない ─‥
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透き通る心を
惜しみなく広げ
ありふれた
言葉は持たず
ただ優しく
微笑むあなた ‥
その純度を
前にして
私もまた
言葉を持てずに
見惚れている ‥
私はあなたに
逆らえない ‥
私はあなたを
愛してしまった ─‥。
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かすれた声で
歌う人
かすれた歌に
泣いてる人
泣いてる人に
微笑む人
微笑む人の
肩を抱く人
肩を抱く人に
乾杯する人
乾杯する人に
想い寄せる人
想い寄せる人を
励ます人
励ます人に
愛を歌う人
歌う人
かすれた声で
歌う人
歌う人の歌に
歓声を送る
人々 ─‥。
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今年最後の
一枚に
君の笑顔を
収めよう ─‥
ピントは君に
合わせてる
最高の瞬間を
待ってるんだ ─‥
デジタル補正は
ないからね
君自身が
色鮮やかに
笑っておくれよ ─‥。