詩人:杞柳 | [投票][編集] |
器用に渡る生き方に
魅力なんざ感じない
人間嫌いなあたしだけれど
人間臭い生き方だけは
如何にもこうにも憎めない
故に今
派手に転んだあんたとか
綺麗に病んでるあんたとか
好きで好きで
たまらないんだ
愛しくて愛しくて
哀しくなるんだ
傷の舐め合いで
結構じゃないか
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のらり
くらり
電子の波に浮遊しては
ふわり
ふわり
君の元へ辿り着く
そろり
そろり
踏み込んでみれば
くらり
くらり
酔うて終わる
金曜の夜
さらり
さらり
巧みに躱すと思いきや
くるり
くるり
妖艶に舞い
くらり
くらり
結局最後は
酔うて終わる
金曜の夜
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オマエ笑わないから
仲間はずれなんだよ
走りきれない坂道と
危なっかしい呼吸と
逆光で視えない
貴方はだぁれ?
擦り剥けた膝小僧と
泥塗れの手のひらと
逆光で視えない
貴方はだぁれ?
夢現つ
すらりと立って
あたしを蔑む
貴方はだぁれ?
「オマエ笑わないから
仲間はずれなんだよ」
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ずる休みをしよう
頑張った君にご褒美
電話口に大げさな咳
「風邪をひきました」
下り電車に乗ろう
キャンディを忘れないで
初めて聞く駅の名前
知らない事が溢れてる
たまには意味も無く遠くに行こうよ
ずる休みをしてさ
たまには理由も無く泣いたっていいよ
明日また頑張る為にさ
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学校と呼ばれる所は
死ぬ程苦痛で
直ぐにでも帰宅したいと
思って居た記憶しかなくて
だからと言って
窮屈な家には
如何しても帰りたくなくて
そんな15のあたしは
一体何処に行ったのだっけ
今となっては
如何でも良い昔話
けれど
医者が思い出せと
五月蠅いのよ
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あなたの目を奪うほどの
容姿を
あなたを繋ぎ止める程の
言葉を
あなたと寸分の違いも無い
思考を
その結果
あたしじゃなくなっても
君が好きだと言えるよ
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月が欠けるより
闇が満ちる
盛りを過ぎた
白菊の死臭
好きだと唄わせて
罪だと疑わせて
酸性雨に濡れた
褐色の髪を
呆れるくらい
優しく撫でる
物好きめ
好きだと唄わせて
不利だと促して
両耳に揺れる
銀細工を
怖いくらい
律儀に外す
せっかちめ
ほら
作り物の明日が
音を立てて嗤ってる
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リスクを感じる
離れて去くとか
嫌われるとか
不安を告げる事
寂しいと求める事
口に出来たらどれ程幸せか
想像して怖くなる
毎日がエイプリルフール
笑って
強気
笑って
前向き
毎日がエイプリルフール
冬を知らないばっかりに
夏も
秋も
春さえ知らず
肌寒い風に凍える毎日
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
責めている
クローゼットの奥
息を殺して
責めている
雑踏の中
左右非対称の仮面
責めている
責任転嫁の罠
良心を痛めて
だから何時か
胸のそれの
止血も兼ねて
母親よりも強く
強く抱き締めて
大きくこう囁いてやる
それでも、
オマエを愛してる。
ざまぁみやがれ