詩人:綾 | [投票][編集] |
ひとり空を見上げ
澄んだ星空に冬を思う
まっ白い羽根が優しくて
泣き顔をかくした失恋日
強がりな私も
悲しい涙の音も
飲み込んでいく
こんな寒い季節も
私はきっと好きになる
春の私がふりむく頃には
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薄手のカーディガンを
パジャマの上から羽織り
ベランダで見る澄んだ月
ただ眺めるつもりが
あたしを振り返ったり
阿呆な妄想に走ったり
夜の魔力に負けていく
伸ばすと決めたのに
切ってしまった髪が
頬にかかり好い香り
未練なく好きになれる
にゃあお
闇に隠れて鳴いた猫
きっと格好いい黒猫
金色の目をした黒猫
にゃあお
甘ったれた猫撫で声で
月におねだりする
あたしだって
女の子したいの
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あなたの緩い隙間に
落ちてしまったのだ
そして
少し痛い想いをした
困った顔で笑う私は
許しを欲しがっている
甘い判断をしたと
わかっているけれど
ひどく優しいキスをする
あなたもまたずるい人
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涙がこぼれます
ぽろぽろと
海が誕生しました
水面は輝きはじめました
体内水分は0%になりました
からっぽになりました
リセット完了です
もうすぐ
再生できますよ
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青の雨が降ってくる
未熟さにほどけた指
傘がはじく涙の感覚
まだ残っているから
中途半端にざらついて
同じこと確かめては
泡になってく期待
ひとり切なくなって
何でもないふりする
君の言葉をかじれば
ほろ苦くて口に出来ない
青の雨が降ってくる
まっすぐな時間の酸味
君に揺れてた甘い感情
また思い出すから
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色とりどりの言葉が
川のように流れている
だれが間違っているか
それを責めるよりも
想像力を手に入れよう
ねぇ 傷みがわかる?
愛は生まれるのかな
好きな歌を好きでいる
素敵な色は素敵で
どれが劣っているか
それを決めるよりも
大事なものを抱きしめよう
誰かが落としてく声
波紋を描いて伝わる
届いたら繋げてみよう
肌の温度をしっている?
優しくて泣きたくなる
そうしたっていいよ
寄り添っていいんだ
君の中に流れている
そう 傷みがわかる?
愛は強くなるのかな
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埃っぽい春の風
洗濯物が揺れている
ごみ袋に詰めた過去
鍵は置いていこう
ひだまりの匂いに
さそわれて呼吸する
緩やかな曲がり道
まだ見えない先も
歩く速さでいけばいい
胸のつまる思い出は
シャボンのように
空を掠めるくらいがいい
流されたわけではなく
季節をそっと越えただけ
揺り起こされた気持ち
右手に落ちた花びらが
ふっと吹かれて笑った
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何気なくふと点けた
ラジオから流れた曲は
私の好きな歌だった
色褪せずに口ずさみ
素敵な昔話に帰ると
あの人が微笑むのだ
忘れられない
忘れたくない
そうやって通り過ぎた
夕日は明日に恋をした
一時の淡さに酔いしれ
巡らぬまえに手放した
それはアクセルを踏んで幸せへ向かう途中の
ささやかな出来事だった