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[194191] 愛の呼びかた
詩人:EASY [投票][編集]

思考に彩られた制約を駆使して
それは行われる



明日との距離感は
とても精密なもので

それはいつの日も

今日という日の
次の日である


瞬く間もなく繰り広げられる
演劇の最中に

注意深く見つめるものが

愛であったらどんなにも
救われるものであろうか?


これは
苦しみの正体ではなく

苦しみの在り方なのだろう


言葉ほど曖昧なものはなく

それが愛と呼ばれることも
なくはないのだ

2017/12/22 20:54



[194190] 仕事帰り
詩人:EASY [投票][編集]

まるで

間違い探しをするかの様に
列なった街灯を眺める


気づかれない程の微妙なカーブを
描くこの街道


寒い時に吐き出される
息は白く

煙草との因果関係を

何らかの必然性として
表現している


信号を無視する僕の姿を
怪訝そうな表情で見つめる外国人を見ながら

何よりも小さそうな罪悪感を
僕は背負うのだ

2017/12/21 20:01



[194189] 棚に上げた問題
詩人:EASY [投票][編集]

何か問題がある時に


僕はそれを横に置き
寝たりする

眠いからだ

僕はそれを棚に上げ
食事をしたりする

お腹が空いたからだ

僕はそれを空に上げ
風に吹かせたりする

綺麗だからだ


それがあまりにも大きい時は
ほったらかしにする


すると

それは小さくなっていたり
色が変わっていたり
大切なものになっていたり
見つからなかったり
ゴミになっていたりする

色んなものに変わってる


僕はこのことを知ってから
問題をあまり抱えなくなった

ただ

ほったらかすようになった






2017/12/21 00:25



[194188] ――風早――
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]

海が泣く
 風が鳴る
  鳥が飛ぶ
   人が来る

風早の地名をもった
この入り江を風が走る

鳥は翼をちぎられて
海の蒼さに消えていく

人は望みを断ち切られ
海の深さを憧れる

海鳥の歌にあわせて
波は呪いを繰り返す

人のまなこは射抜かれて
風の速さに見失う

風早の地形をもった
この入り江は風の宴

風の

――――――――――

風早(集落)……長崎県西海市に実在する。

2024/06/20 14:28



[194186] 僕のいい訳
詩人:EASY [投票][編集]

夢の中で夢だと気づくのは
どんな感じだろうか?


そして

夢の中の知らない人に
悩みを打ち明けられるのは

更にどんな感じだろうか?


取り合えず真剣に
話しは聞くが

どう答えたらよいのか?
答えるべきなのか?
そもそも聞くべきなのか?

それさえも

本当には
分からない

これは

答えを忘れた子供が出す
なぞなぞの問題の様なもので

その答えが大人たちにも
分かりそうで分からない

そんな時に浮かべ出す
表情にも似ている


夢の中で悩む知らない人達は
僕が作り出した人なのだ

文字通り僕が目覚めれば
夢は一切消えてしまう

僕からすれば

悩みを聞いている暇があるのなら

空を飛んでみる方が
いくらか価値がありそうだ


もし愛が
呼吸の様なものならば


「僕はもうすぐ夢から覚める
心配はいらないさ」



それくらいは
言えるかも知れない


でも

そうする為に費やすものは

感情とか努力じゃない
情熱ですらないもので

僕の知ってる溢れたものを
簡単に否定する


とても冷たい孤独である



だから僕は夢の中で

僕の夢の中で

この細やかな
儚さの中で


誰のせいにも出来ない
この僕の夢の中で


君を必要以上に

抱きしめてしまうんだ





2017/12/20 19:23

[194185] 愛くるしい君
詩人:EASY [投票][編集]

僕は

一般的に言うような
人好きではない

大勢でいるのは
好きではないし

必要だからそうすることはあっても

その煩わしさは拭えない


でも一方では

どうしようもないほどに
人を愛しく思う

それは

強がるほどに
僕をそうさせる


格好つけてもみんな
お腹は空くし

どんなに気取っても
ため息はつく


普通に愛しい人達は

人の悪口は言っても
自分は良く思われたい

それは裏を返せば


本当は辛くても

そんなことしか口に出来ない
強がりにしか見えなくて

僕からすればそれは

愛くるしさの表現だ




あれ知ってる?

知ってる知ってる!
あれでしょ?


僕たちはいつも同意する

それに
乗り遅れてはならない

その焦りに対する
僕らが見せる微笑みは

それに対して行うものだ


子供の時に手放した
風船が飛んで行く空の

それを想像できるなら



その空と同じくらい
僕たちは広くって

その空と同じくらい
僕たちは愛しくて

その空と同じくらい
僕たちは切ない


でも

僕から見た君は

その空よりずっと愛しくて

その空よりずっと切なくて

その空よりずっと


愛くるしいものなんだ






2017/12/20 00:10



[194184] 副隊長
詩人:ふくざわゆいと [投票][編集]

それはあまりにも突然だった

なにかで殴られたような 衝撃だった

時が経っても 信じられず

ただ 休暇を取って

会社にいないだけだと思えた

仕事が大好きな人だった

人一倍真剣で 手を抜かず

強い責任感と 誇りを持って業務にあたる

その姿は 周りには眩しく

その立場から 皆を引っ張り

時に疎まれても 正しい道を貫く

憧れの存在だった

入社当初

要領の悪い自分は すぐに孤立した

けれど この人は信じてくれた

周りに「やめてしまえ!」と嫌われて

小さく虚ろな自分に

「ここで負けるな!」と励まし

「このままじゃ悔しいよな」と寄り添い

『現場』を 教えてくれた

「バカヤロー!」と何度も叱られて

だからこそ 褒められると嬉しくて

誰よりも厳しく 誰よりも優しかった

悩めば 一緒に考えてくれた

この人に付いていこうと思えた

『父』のような存在だった

夕方になっても ピンと来なかった

なぜこんなことしてるのだろうと

喪服に着替えながら

通夜に向かう足は重たく

心は 向かなかった

お別れになってしまうのか

頭の中を ぐるぐると回って

落ち着かないまま扉が開くと

会社を辞めて 別の道に進んだ者

勤務先が異動となった者

上司や同僚 俯く面々

確かめたくなった

ぎごちなく礼して 顔を合わせた

ただ 寝ているようだった

言い表せない気持ち 激しく動揺した

受け止めがたい事実だった

一礼し 棺を離れてからは

よく覚えていない

奥さまの言葉

何度も読み返していた

いつのまにか一人 ぽつんと残った

「まだ教えてもらいたいことがあるんですよ!」

「なに、寝てるんですか。いつもみたいに叱ってくださいよ」

「この先、誰を手本にやっていけばいいんですか!」

涙が溢れた 止められなかった

「決して周りに流されるなよ、

お前のいいところは真面目に取り組むところだ、

腐らずにやっていけば、必ず大丈夫だから。」

自分に よく掛けてくれた言葉

絶対に忘れない

あなたの意志を 継いでいかなければ

2017/12/19 01:40



[194183] 宝くじの秘密
詩人:EASY [投票][編集]

僕が宝くじを買う理由は
ほど遠くも儚きものだ


一等が当たった時に
どんなことを思うのかという

好奇心と呼ぶ為に必要なものを
ギリギリに満たした

その様なものだ


野球が嫌いなのに

壁にボールを当てて取る事しか
楽しみのない子供が

グローブを親にせがむのを
想像出来るなら

その様なものだ




僕は大抵

スケジュールの空いた休日の正午に
宝くじを買いに行く

信じられないほどの無気力と結託し
宝くじ売り場に向かうのだ


どうでもいいにも程がある程の
適当さを信条に

僕はナンバーをマークする

そして

下町の総決算
とでもいうような

おばさんとの接触を図る為に

その列に並ぶのだ


その列に並んでる間に
考えることは

その日の夕食のメニューである


気づかれない事が多いが

夕食を考える為に
最も適した環境は

宝くじ売り場の列なのだ



僕はそう思われる事を
望んでいるかの様な愛想笑いで

当たれば良い様な顔をして

その

遠くも儚きものに
酔いしれる


それに適した温度は
春か秋の真ん中辺りの

17度前後の昼下がりであるが

そんなことを予報する天気予報は
途方もない年月を経ても

放送されることはない




そして

信じられない程
無気力な僕が

ワイドショーを見ながら
みずほ銀行の場所をチェックするのは

どれ程までに


ほど遠くも儚きものか

想像すらも憚れるのだ





2017/12/18 21:17



[194179] 良いもの
詩人:EASY [投票][編集]

もし君が
迷わず行くというのら

兆候としては良いものだ



もし君が
迷うことがあるのなら

前兆としては良いものだ



もし君が
悪いものと思うなら

それでも良いと思うのだ

2017/12/17 20:36



[194178] 悟り
詩人:EASY [投票][編集]

あーあ、
もう疲れた

どうでもいいや

しーらない



シンプル過ぎる

2017/12/17 20:07
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