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山鳩の部屋  〜 新着順表示 〜


[82] 言葉の比重
詩人:山鳩 [投票][編集]

君からの言葉が

少しのあいだ聞けなくて

君からのいつもの言葉が

縁遠くなった気がして

少し寂しくなっていた

そんなとき

ひとことだけ

ボソッと言ってくれれば

気が休まるのに・・


言葉は大切なもの

でも言葉をこえた

二人だけのシンパシーのようなものが

こころとこころに通っているなら

言葉なんて

ある意味で無用にも思える


「愛してると」か「好き」とかを

お互い口にすることが

少し乾いた感じがして

その言葉の比重が軽くなったと

感じられたら

君とのなぞなぞあそびも

もうすっかり

板についたような気がする

2007/11/23 (Fri)

[81] 君からの宿題
詩人:山鳩 [投票][編集]

君が旅立つ朝までに
 僕はたぶん

君からの主題を
 仕上げられないだろう

何一つ
 ヒントもくれない

じっと僕を遠くで見つめている
 哀しい目をしてね

山積みにされた
 解けない問いに

君はあきらめた様な眼差しで
 ふっとため息を漏らしているかもしれない

ゴメン
 やっぱり間に合わないみたいだね

もう遅すぎたね

僕の身勝手な曖昧さが
 君を哀しみの果てに置き去りにしてしまった

思い返せば
 いつも涙の日々

その涙ももう枯れてしまって
 君のこころも変わってしまった

握りしめた
 古びた鉛筆の芯がポキッと折れて

消しゴムも
 失くしてしてしまったよ

暗い部屋に差し込む朝日が
 君からの最後の知らせ

時間切れを伝える
 鳥のさえずり

北へ向かう君の足音が
 空耳のように耳元で響いた 

2007/11/21 (Wed)

[80] やさしさなんて
詩人:山鳩 [投票][編集]

やさしさなんて

あてにならない

やさしい言葉なんて

あてにならない


やさしさは

ときどき人を駄目にする

冷たい態度ほど

勇気を奮い立たせる


嫌われたくないから

ご機嫌伺って顔色を見て

目先の倖せを求めてる


哀しい茜色の空に背を向けて

誰かの名を呼び続ければ

いつわりの日々はなんてやさしい

2007/11/18 (Sun)

[79] 今日の一行詩
詩人:山鳩 [投票][編集]



人のこころは、見えないから良いのです。




♫こころの中まではみえないけれど

さみしいんだろう 君だってほんとうは〜

『心さみしい人よ』OFF COURSE より

2007/11/17 (Sat)

[78] 〜のくせに
詩人:山鳩 [投票][編集]

臆病者のくせに

小心者のくせに

怖がりのくせに

やきもち焼きのくせに

ひとぼっちが嫌いなくせに

寂しがりやのくせに

泣き虫のくせに

恥ずかしがりやのくせに

僕は君が好きなんだ


哀しくなって

嬉しくなって

冷たい指先を握りしめたら

降り始めた綿雪の中で

君のことしか考えないでいる

2007/11/16 (Fri)

[77] 虹の日
詩人:山鳩 [投票][編集]

降水確率100%の朝に

パック入りの牛乳を飲み干したら

僕は窓を開けて曇り空を見上げていた


まとまった雨が降るでしょうと

昨夜十時前の天気予報で言っていたのに

途切れ途切れの雨雲が南に流れてゆく


夕方に久しぶりに虹を見た

ほぼ完全な半円をして

虹のたもとにある家々が

すっかり呑み込まれている


束の間のカタルシスに

君の嘘がその時透明になった

空を透かす七色の言葉たちよ

今は黙って許したくなった

2007/11/15 (Thu)

[76] 一行詩六編
詩人:山鳩 [投票][編集]

雨降りだと思っていた今日に君が来た



もう少しまどろんでいたいんだね



涙は愛という宝石の原石



愛は涙で始まり涙で終わる



空耳じゃないよね、その言葉。



また夢は現実になってくれなかった



※投稿した一行詩六編をピックアップしました。


2007/11/12 (Mon)

[75] 諏訪湖畔にて
詩人:山鳩 [投票][編集]

雨降りだと思っていた今日に


君がやって来た


******************

今日は朝から雨降りだと思っていたのに
雲は足早に東の空に流れてゆく。
水分を含んだ重たい空気に、
突然つむじ風のような冷たい風。
冬が其処まで来てるんだなあと、
ふとこころに中で呟いた。
君がとりあえずたたんだ傘を持って駆け下りた
夜半すぎに濡らしたこの石畳の道は、
ようやく乾こうとしている。

2007/11/10 (Sat)

[74] それが君の優しさなんだ
詩人:山鳩 [投票][編集]

鳥は空の嘘を知らないので

嬉しそうに空を飛んでるそうだ

でも空があるから鳥は空を飛べるんだ

僕もそう思った

だから

僕も君の嘘を知らない

知らないから君の空を飛んでいる

君は哀しみの涙を雲の上に置き去りにして

僕はそのはるか下を飛んでいる

悩みと苛立ちの海は

嘘という水平線にさえぎられて

さざ波の音さえ聞こえてこない

口をつぐみ黙っていることで

コトバを推敲し

あの大空の片隅に飾ることで

僕は君のしあわせのなかで生きられる

それが君の

僕への最大の優しさなんだ

      

※谷川俊太郎詩集『愛について』を読んで

2007/11/08 (Thu)

[73] たいむましんにのって
詩人:山鳩 [投票][編集]

ぼくはあのころにもどりたい

たいむましんにのって

あのころのきみのめのまえにあらわれて

ごめんそれにありがとうと

そのことばをつたえたい

きみのこういをうけいれることができず

やさしいきみを

つめたくあしらってきらっていた

ちゅうがくせいのぼくのこころは

まだまだみじゅくで

そんなきみのたいせつなきもちを

だいなしにしてしまった

まわりのくらすめいとから

ひやかされてうわさされて

それがいやでどうしようもなく

ことばもかわさずめもあわさず

むししつづけていた

あれからおおくのときがながれた

いまかのじょは

あたたかなかていをもって

しあわせにくらしていることだろう

そしてぼくのことなど

すっかりわすれて

あたたかなにわのしばふのうえで

ほほえんでいることをだろう

ぼくはときどきおもいだして

そうねがっている

2007/11/07 (Wed)
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