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山鳩の部屋  〜 新着順表示 〜


[52] 哀しみ
詩人:山鳩 [投票][編集]

哀しみという地平線に
      秋の陽が沈む


哀しみを捨てに海へ行けば
      忘れ去られた歌が流れていた


哀しみをひとつコーヒーに溶かすのは
      すっかり忘れてしまいたいから


哀しみの星をひとつずつ数えて
      夜空を宝石箱にしてしまいたい


哀しみは毒りんご
      皮を長めに剥いてください


哀しみはタバコの煙
      ひとりぼっちが好きだから


哀しみは忘れた頃にやってくる            

2007/10/15 (Mon)

[51] 君への12の質問(その8)
詩人:山鳩 [投票][編集]

秋の日に



木漏れ日のなかでしゃがんで探す



四葉のクローバー



君の愛は見つかりましたか?

2007/10/14 (Sun)

[50] 二十一の君に〜十年後この丘で〜
詩人:山鳩 [投票][編集]

君はいま

十年後を想像できますか

もう二度と

こんな過ちを繰り返したくない・・



お元気でした?

随分遠回りして来たのですね


懐かしい君の微笑み

また逢えましたね

そんな夢の世界から目覚めた

この暖かな丘の上


その決心は

僕の弱いこころを上回っていた

君の決断があったからこそ

僕は今ここにいられる

十年後を約束することで

そのとき僕は救われていた


人のこころを長い間結びつけるものは

何なのか

言葉はこころを結びつけるのか

言葉を超えた

何か共通のシンパシィのようなものが

隔たったこころを繋げるのか

二十一の君を最後に見たこの丘の上

人のこころなんて移ろいやすいもの

君はいま倖せ中にいますか



あの愛からもう七年の

歳月が過ぎようとしている

2007/10/24 (Wed)

[49] 君のパラソル
詩人:山鳩 [投票][編集]

今朝見つけた君のパラソル

其処にあることも知らずに


じっと動かずこっそりと

リヤシートに寝かせられ


「早く私に気付いて・・・」

そんな小(ささ)やかな呟きが

聞こえたような気がした


水色の雫は泪のよう

もう差すことのない君のパラソル


君は濡れたこころと

乾くはずのない哀しみを

僕に残していった

2007/10/12 (Fri)

[48] 失恋階段
詩人:山鳩 [投票][編集]

哀しみという少し重い荷物を抱えて

ひとりうつむきながら

失恋という階段を上れば

ちょうど踊り場で見えた

忘却という名の扉

***********************************

人を好きになること
人を思いやること
その行為は人間形成にとって
とても重要な要素になってくる
いくら頑張っても頑張っても
その想いが成就されず
哀しい結果に終わったとしても
その行為に費やされた精神は
決して失われていない
失われるどころか
相手の立場になって物事を考える力
思いやりのこころが増幅されてゆく
詩人・谷川俊太郎はこう言っている
失恋とは恋人を失うかもしれないが
決して恋を失うことではない
〜愛のパンセより

相手を思いやるこころ
やさしいこころをずっと持ち続けていたい

2007/10/11 (Thu)

[47] 語る詩's:つぶやき
詩人:山鳩 [投票][編集]

悠 なる記憶


美 しい思い出


子 羊の群れの雲


この丘の上を流れる



秋空を見上げ

その名を何度もつぶやく


なよらかな風の旋律に

君の空耳を聞く


あんずいろの木洩れ日の中に

あの日のまぼろし


その名をつぶやけば

僕のこころは浄化されてゆく


僕のこころは

ようやく浄化されてゆく

2007/10/09 (Tue)

[46] 語る詩's:涙と海の物語
詩人:山鳩 [投票][編集]

ひとはかなしくなると

海を見に来るという



そのかなしみは

海に捨てられて

やがてかなしみは海に溶け込み

この紺碧の大海原は

徐々に塩辛くなってしまった・・


というある詩人の話を思い出す


涙と海の物語


あの水平線のあたりに

君の涙の一滴が漂う

2007/10/06 (Sat)

[45] ひとりぼっちが好きになったら
詩人:山鳩 [投票][編集]

もしもあなたが仮に

ひとりぼっちが好きになったら

ひとつの詩を書けばいい


詩は哀しみになり

詩はしあわせを運び

詩は従順な猫のように

あなたの足にまとわりつく


ただその内には

なんの情報もなく

人を信じさせる効果を持ち合わせていないので

気をつけて下さい


私が詩を書く理由もそのひとつ

こころから愛した人を忘れ去るため

想い出を海に捨て去るため

認めた君からの言葉を

捨て去るため


ひとりぼっちがたまらく好きになるとき

僕はひとりの名も無い詩人になる

2007/10/05 (Fri)

[44] 失恋について
詩人:山鳩 [投票][編集]

君からの言葉を

ひとつふたつみっつ

夜空にかがやく

星星を数えるように

花占いの

花びらを千切るように

古びた机の上に並べてみる

しあわせそうな言葉

かなしみの言葉

うれし涙の言葉

さよならの最後の言葉

どれも

君の濡れたような唇が揺れて

僕の手の上に零れて弾けた

言葉はすべて消えて

君があの日に去って

僕の恋心だけがここに残った

2007/10/04 (Thu)

[43] かなしみの向こうにあるもの
詩人:山鳩 [投票][編集]

僕の知らない大きなかなしみが

君のなかで生まれている


いつもの微笑みの裏側に

僕の気付かない苦しみを隠している

言葉をこえた無言の叫びを

空耳のように聞いた


僕はあれから

君の言葉の裏を探るようになっていた

こころの奥まったところに

寂しく風が吹き抜ける


今こころに浮かんだあの丘から

海の向こうにある水平線へ

かなしみの向こうにあるもの

僕は泳いで行きたい

かなしみの魚になって

流されるままに

2007/10/03 (Wed)
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