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アイカの部屋  〜 投稿順表示 〜


[169] 見たら君は…
詩人:アイカ [投票][編集]

この空は
またアタシを
からかって

その上にある陽をも
辱めて

黒い瞳の奥
茶色に
塗りたくられた
過去をみた

そこに
感情はなくて
そこには
体さえもなくて

アタシはまた
小さく汚れた町で
一人たたずむ

いつの間にか
下に傾いた頭を
元に戻せない

君の顔さえ
すぐに
思い出せない

寒くて
痛くて
今にも
死んでしまいそうだ

だらしなく
笑う口

もはや作るのには
慣れてしまった

みじん切りに
されたこの指

見たら君は
何と言うだろう

左手一本で
ぶら下がった体

見たら君は
何と言うだろう

2004/03/08 (Mon)

[170] 火星探査車
詩人:アイカ [投票][編集]

この雲の上には
神様が居ると聞いたけど

きっと雲の上には
空気しかないのさ
確かめてみれば
いいじゃないか

貴方が宙を飛べたら
どんなにいいだろう

たとえ
見たくもない
現実を……
食べ
尽くしたとしても

そこには新しい
今が
生まれて

人知れず育ち
時間と空気を
蝕むと知った

私が火星を飛べたら
どんなにいいだろう

この声はあの夜
雑音にかき消されて
道の向こう側へは
届かなかったんだ

使い捨ての
この地面を
使い捨ての
この星を

貴方は見限って
火星へ
お飛びになると?

苦しさを
全部時間の
せいにした

机の上には
逆回りの
カイチュウ時計

二人分
痛みを分けて
さみしいね。と
呟いた

から回った針を
いったい
どうやって戻せば
いいだろう

私がここに居る
意味は
いったい
何だろう?

2004/03/08 (Mon)

[171] 似合
詩人:アイカ [投票][編集]

ある日でっかい
穴が開いてた
世界にいくつも
穴が開いてた

雲はいつしか
霞んだ壁に
画鋲で張り付いて

そして君には
なんでも手に入る
紙切れが似合った

鳩は死んだね
その上で

感情は死んだね
この中で

そうさ君には
紙切れが似合う

透明な香水の中で
泳いで
匂いが体から
離れたがらない

駅の裏
兵隊の様に
ならぶ自転車を
蹴り倒し
敬礼をした

そしてそれは
誰もが知らぬふりを

繊細な紙の束
涙で濡れたら
破れるさ

伝えたい事など
もうないのさ

出会った以上
別れはあるのさ

2004/03/10 (Wed)

[172] 悪い同盟条約
詩人:アイカ [投票][編集]

発砲音で飛び去る
鳥の声は
まるで嗚咽の様に
まるで叫びの様に

グラウンドに
埋めた凶器を
今一度掘り返して

君の中に巣くった
怪物を
撃ってあげる

すぐさま
横たわる体を
抱き上げて
悪い同盟条約を

この手で
君を助けたら

次は子猫を
助けてね

2004/03/10 (Wed)

[173] 宛てりべ
詩人:アイカ [投票][編集]

それは幻想だと
言った筈よ
それはまやかしだと
言った筈よ

勘違いなさるのは
ご勝手ですけれど

俺を好きになったら馬鹿を見る
どうせ言いたいのはそんな所?

皮肉ってあげる
嘲笑ってあげる

その空気の詰まった頭が
鳴ってる事に
もうそろそろ
気づかせてあげる

誰もアンタなど
愛しちゃいない

さては
私の言葉が
全てアンタ宛てだって思ってるでしょ

勘違いなさらないでね

アンタの言う
"私らしくある為に"
それはやっぱり
惨めな淋しい
兎ちゃんじゃなきゃ駄目だって
そう言う事でしょ

勘違いなさらないでね

アンタが言うほど
惨めじゃない
アンタが言うほど
淋しくない

この言葉だってそう
アンタ宛てじゃない

勘違いなさらないでね

2004/03/10 (Wed)

[174] 選り好み
詩人:アイカ [投票][編集]

時給がやすいから
コンビニじゃ
働けないんだってさ

そんな貴方は
間違ってる

そう。大変ね
気持ちが
分かるふりをした

貴方は
私の神経を
逆撫でするためだけに
現れたのね

うんざりだ
最低だ

がんばれだなんて

なんて
ありきたりなんだ

最高の冗談と
言った筈よ

押し殺せ
瞬いた瞳でさえも
押しつぶせ
明日を待つ
体でさえも

仕事がない
仕事がない
そう言う前に
働けば?

気持ち悪い
気持ち悪い
この汚い時世に
選り好み
してるから

いつまでも
宙ぶらりんなのさ

金が欲しいなら
地を這ってでも
働け
甘えるな

見てると
虫酸が走るんだ

頼むよほんとに

2004/03/10 (Wed)

[175] 条約の意味
詩人:アイカ [投票][編集]

まるで
優しい悪魔の囁きさ

「一生お前の
側にいるよ」

いつもとは
まるで違う
そんな目で

まるで
似合わない台詞

消えちゃったのは
そんな台詞
吐いたせいだよ
ホントに
お馬鹿さん

そんなんだから
海にさらわれて
しまうのさ

君は
そうだね

優しすぎる

パパもママも
居ないから

側に居るのは
私だけだって
泣いた君は
今にも消えそうで

折れるほど
抱きしめた

私の耳に入った
一生側にいるよ。は
一生側にいてよ。に
聞こえてしまった


パパにもママにも
捨てられちゃった
アタシ達

一生側に………は
二人だけの
悪い条約さ

まったく悪い冗談
本当に
必要とされたのは
あれが最初で最後

これからアタシ
どうしたらいいのさ

君はいつのまにか
消えて

汚い私を
見つけてくれた
関係のない人達は
いつのまにか疲れて
消えちゃった

条約を交わした
君が消えたら
アタシも
消えるしか
ないじゃないか

まっさらに戻したい
もう
こんな記憶は
要らないんだ

神様
アタシも連れてって
もう
置いてきぼりは
嫌なんだ

2004/03/11 (Thu)

[176] 不必要人間
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もしも私に
優しい
パパとママが居たら

もしも私に
汚い過去が
無かったら

もしも私が
一般的な
どこにでもいる
可愛らしい女の子
だったとしたら

貴方は
貴方は

側に居てくれた
と言うのかしら

決定的に違うのは
感情の温度差

私の温度は
青く黒く
そして
瞬間真っ赤に
燃える

貴方の温度は
常に一定
ほどよく暖かい
オレンジ色に
燃えてる

分からなかった

どうして
そんなに
暖かいのか

責められるのには
慣れてる
だからそんなのは
どうでもいいのさ

貴方が消えるのが
正しいと言うのなら
それでもいいのさ

完全なる
拒絶は怖いから
楽に見える
ニブいあきらめを

不必要人間
それは私の代名詞

2004/03/11 (Thu)

[177] 空中の扉
詩人:アイカ [投票][編集]

空中にある扉を
ノックしてる

いつまでも

君の扉も
貴方の扉も
彼女の扉も
ノックしたつもり

ノックの仕方を
間違えたかしら

普通は違うだろ
普通はこうだろ

普通って何?
教えてくれる?

電話帳はもう
必要ないわね
お望み通り
消してあげる

ついでに
要らない私まで
消しちゃったりして

「またまた〜
心配させようと
思って
言ってるんだろ?」

その口は
最後まで私を
信じない

私は誰にも
必要とされない
私は誰にだって
信じてもらえない

それは
事実で真実さ

貴方はいいね
必要として貰えて
私は貴方じゃない
一緒にしないで

この体に
歪んだ真実を…

綺麗事で
生きていけるか
試してみてね

傷ついてなど
おりません
慣れていますから
慣れていますから

貴方など要りません
人が去るのには
慣れていますから
慣れていますから

2004/03/11 (Thu)

[178] 生まれ変わり
詩人:アイカ [投票][編集]

正直に言って
くださればよいのに

お前にかまうのは
もう
うんざりだと

今度
生まれ変わったら
普通ってのに
なってみたいよ

今度
生まれ変わったら
可愛いげのある
女の子に
なりたいよ

今度
生まれ変わったら
ちゃんとした
家族が欲しいよ

今度
生まれ変わったら
愛する人たちが
愛想をつかさない
様な
そんなイイ子に
なりたいよ

今度
生まれ変わったら
生まれ変われるなら

少しでいいから
幸せに…………

幸せになりたい

2004/03/11 (Thu)
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