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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[413] 目と鼻の先にある
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少しの誤差で
助かって
救われなかった誰かの
冥福を祈る

もしかしたら
自分が殺されていたかも

目と鼻の先にある事件を
パシャパシャ撮る人の横顔
夜のニュースで
観ていた昨日

うなされて
目が覚めたのも
若干
鬱になったのも
事件のせいにするのなら

足の爪先にある地球で
殺されていく人間の顔を
思い浮かべただけで即発狂

誰でも良かった人の標的が
自分じゃなくて良かったと
思う人が何を祈るというの

巻き込まれなければ
風化する
どんな事件だって

今朝だってそう
いつもと変わらず
身を守るもの
何ひとつ持たずに
出掛けただろう

そういうことだよ
あなたって人は
そういうもんだよ
わたしって人間は

どれだけ祈ったって
今日も目と鼻の先
事件が起きて人が死ぬ

誰でもないあなたも
わたしもいつものように
今日も爪先には地球
地に足つけて歩いてる

別に生きていても
今すぐ殺されても
どっちでもいいんだね

2012/06/12 (Tue)

[412] 窓から落ちない場合
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繋いだ手を離しても
崖からは落ちない
いかにも安全な状況に
安心しきって
緩めていたんだ

ふとした拍子に
転がるカメラ
空を仰げば開いた窓が
傷ひとつない壁は
凹凸のない崖に変化して
離れた手と手
玄関口からさようなら

赤い命綱
見方ひとつで
すぐに千切れる
こんなにも脆いとは

手繰り寄せ
かちりと
握っておけよなあ
指導員は居ないもの
独学では届かなかった
未熟者ども
落ちていったのはどちら

きみは星になって消えた

2012/06/09 (Sat)

[411] 気にせず話を続ければ?
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皆に見えない
この僕が
塵になって消えたって
誰も困らないよ全然

笑い声と共に
聞こえてきた影揺れる

そんな風にして
あと2、3人
灯された火
吹いて消したってそう

騒然となるのは最初だけ
百年と続きやしない
だからねえ
殺してもいいですか?

お前も僕も皆みんな
巻き込んで
地球ひとつ
塵にしたって一緒でしょ

運悪く
見えない僕ひとり
生き残ったって
揺れる影
きっと笑って震えてる

それなら別に
消さなくたって
いいでしょう
橙色の灯火を

ねえ
そうでしょう
僕にしか
聞こえない声で言う


こっち見んな

2012/06/08 (Fri)

[410] 自分逃しの旅路の果てに
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目的も当てもない
果てのない旅に出るのは
自分逃し
先伸ばしをするため

始まりは
目を背けるところから
探しても探しても
見つからないように
身を隠そうとする
ちょっとやそっとじゃ
見つけられないように

秘密を抱き抱えて
必死に抱き抱えて
手放す日を夢見て
彼此れ何年だとか

冗談じゃない!
      って
うん そうだよ
   現実だよ

go to 自分

手を伸ばし
掴んで捕まえ
失敗するため
自分を逃し
追い掛けていく

そうして
見つけたのはいいが
困ったな

帰りの切符を買う金が無い

2012/06/05 (Tue)

[409] パンパンパパンパ
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額に手を当てると
平熱です
病気じゃないって
病気でしょうか

体温計を挟んだって
散々頭を悩ませたって
壊れませんよ
人間ですもの

弱いからこそ
頑丈に出来ていて
強く生きようとすれば
心身共に
簡単に折れますけれど

死んじゃいますから
生きちゃいます
無表情に無感動に
自分に伝わるこの気持ち
喜怒哀楽にあとひとつ
そろそろ
加えて下さいな

お医者さんは言いました
今日に至るまで
よくある症状のひとつです

吸って吸って吸って
吸って吸って吸って
溜め込んだもの
一気に吐き出そうとして
死んじゃいそうになる
でもまだ
生きちゃってます
自分しか知らない自分

額に手を当てて
どれだけ熱があるかより
額に手を当てる行為
生きていること
そのものがもう
あれ

なんて
言おうとしたんでしたっけ

病名を告げる前に
お医者さんは消えました

パンパンパパンパ
手を叩いても
変わりませんね
何も

病名はなくても
病気じゃなくても
変わりませんね
何もかも

生きちゃってます
ケチャップ
クラップ
続きはなくとも

今を生きずに
今は死なずに
生きちゃいます

お薬代は空気も込みで
対価は人生
払えるもんなら
払ってみそ汁

2012/05/28 (Mon)

[408] 空気はおいしいものなのか
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スーツがない
ネクタイがない
いつも
ネクタイを締めてくれる
妻がいない
ワイシャツがない
下着がない
そういえば
パジャマも着ていない
確かめるための
鏡もない
リビングがない
ていうか
寝室がない
キッチンがない
玄関へと続かない
出掛ける家がない
すやすや眠る
娘はどこへ行った?
あたりを見回すと
風景がない
見回す首もない
手首もない
両手がない
これじゃあ
ネクタイを見つけても
結べない
そもそも
歩く足がないから
会社に行けない
妻も娘も
探しに行けない
参ったな
これが
悪い夢なら
まだ良かったんだが
あいにく
俺には夢がない
希望がない
かといって
絶望も出来ない
考える頭もないから
だとすれば
あれれ
俺がいない
というより
誰もいない
いや
最初から
誰もいなかったのか
始まりも何もない
だから
自分を探す
俺がいない
それなら
もう
苦しまないですむ
はずなのに

最初からないのに
なくならない
そして
誰もが妄りに想う
エアー

ところで
空気は
おいしいものなのか

あなたは知っていますか?

2012/05/25 (Fri)

[407] わけありわけめなし
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こりこりこり
人差し指で
左胸を削っていく
貫通しても
まだ息をしている
折れた首で
ぽっかり空いた胸の穴
覗き込んだら
景色が見えた
滴る血も涙もないが
眼球はある
心はどこへ

こりこりこり
人差し指で
左胸の穴を拡げていく
切り離された
下半身は
上半身を
取り残したまま
どこかに去っていった

されど
転ばぬ先の知恵は健在で
ぼくは考える
ずっと考えている
物心ついた時から今まで
望みが絶えても
死なないわけを
自分に問い続けている

同じように考えている
みんなと協力し
答を出しあっても
やがて戦争が始まって
燃え盛る炎の中でも
まだ探しているんだろう

事実を
受け入れられる現実を

もう
アナタ
とっくに死んでいるのに

2012/05/09 (Wed)

[406] シムシカ
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相手を心配
しているという
よりも
自らの保身しか
考えていない
薄皮一枚隔てた
二人の関係に似て

普段は隠れている一部
繋がっているだけで
いいんだったら
はいおしまい

けれど
違うんでしょう
証が欲しいんでしょう

私だけじゃなく
相手もバカなら
すぐにでも
授かることは
出来るのでしょうが

優しい策士の目は
今も明後日の方向でしか
笑っていない

愛してほしいだけなのに
押し込めて
苦しむしか無理
っていうか溺死寸前

精一杯の我が儘は
泣かずに笑顔を返す
騙されていれば
こんな関係でも
まだ続くから

畜生

2012/05/09 (Wed)

[405] カーネーション
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歩いても
そう遠くない距離にいる
けれども
足は動かずに
訪ねるのは年に数回だけ

老い先短い命だから
会えるうちに行かないと
後悔しても知らないよ
自分に言い聞かせ
覚悟を決めないと
会いに行けない不幸者

血は繋がっているけれど
心を閉じて
愛想笑い
家族なのに
可笑しいよなあと
苦笑して
僕は僕を嘲笑う
開き直って外に出る

花屋に寄って
買ったのは
一輪の家に帰る理由
これがないと
育った場所にも戻れない

ドアを開ければ
そこにいる
緊張はしないが
息が苦しい
いつから
こんな風になったのか
これでも
マシになったほう
無意味な問答繰り返し
玄関のドア
開けると暖かい笑顔
またひとつ
皺が増えていた

一輪の理由を渡して
邪魔すらせずに
一息もつかずに帰る

次に来るのは
いつだろう

今度はもう少し
早く来たいな
それからちゃんと
話もしたいな
次に行く理由は
どうしようと
考えながら
僕は歩き出す

そうして僕も歳を取り
いつか死ぬ
その前にまた
会いたいな

2012/05/02 (Wed)

[403] 百万光年SOS
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優しい言葉を
かけてほしくて
発しているんじゃない
信号を

手を伸ばさなくていい
座ってお空を
見上げてごらん

浮かぶ雲を
吹き出しにして
呟いたSOS
視界の隅にちらり
それだけでも

助けを
待っているんじゃない
誰かを救いたいなら
他を当たれ
私は自分で
なんとかするから

放っておいて
届かない距離だから
許せる心
触れられない安 感

ほっと一息
あなたの口から
こぼれる真綿に包まれる
何気ないひとこと

きらり流れる星を見て
私はクスリ
笑えたら
明日もきっと
生きていられる

2012/04/08 (Sun)
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