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アルバトロスの部屋  〜 新着順表示 〜


[405] 人工物
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人工物は取り残される
人の想いと共に取り残される
仏頂面した置き時計も
誇りをまとった本棚も

人工物は呑み込まれる
人の想いも意固地に守りながら
溶け込むように呑み込まれていくよ
今日も夕日に染まっていくよ

2013/11/08 (Fri)

[404] 境界線
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たしかに朝は夜の「次」だけれど
はっきりと変わるのはいつだろうか
境目はどこだろうか

夜の色は朝の色に
夜の匂いは朝の匂いに
夜のふたりは朝のふたりに

今日は夜通し起きてようか
ふたり寄り添って
お互いを確かめながら

朝の気配がしたら
ふたりで朝食の準備をしよう

2013/07/27 (Sat)

[403] 横這い
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横這いで進みながら
立ち上がる方法を考えている

空と地面に平行に挟まれて
時間という便利で憎めない概念に流されながら閉口する
地球が丸いってのは嘘だ
そう文句を言いたくなるけれど

すくっと立ち上がるだけ
それが簡単なようで実に難しい
全体像の見えないこの空間
狭い視野でただ脱する方法を思考する
まるで僕らは行き先の決まった流れ星だ

何をしていても迫られている
新聞を読んでいても電車に揺られていても
歯を磨いていても恋をしていてもそう
僕らは横這いでもがきながら
いつも何かに迫られている

迫っていきたい
そいつの核心に僕は迫りたい
すくっと立ち上がって一歩踏み出して
堂々と胸を張って歩きながら迫っていきたい

それが実に難しい
今日もまた横這いで思考するだけ

2013/04/26 (Fri)

[402] 
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恋はいつも泥だらけだ
ぬかるんだ地面を蹴りあげて
懸命に走ってみるけれど
スッ転んで膝を擦りむいて
前転して服が破けて

そこでスクッと立ち上がって
慌ててポーズを決めてみても
滑稽でしかないなぁ
滑稽としか言えないなぁ

コッケイケッコウコケコッコー
朝から今日も恋をする
コッケイケッコウモウケッコー
夜が更けても恋をする

やぶれかぶれの恋かぶれ
泥にまみれて君を想う

2013/04/18 (Thu)

[401] へんたいすと
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君と過ごす時間よりも
君のことを考えてニヤニヤする時間が多い
そのアンバランスが良いのかもしれない
男なんてそういう生き物だ

男が目の前にないものを妄想して
そうして世界は成り立っているのだ

これは新発見だ
世の中の真理だ

ストーカーだと言われたら
それまでなんだけれどね

君のことが好き?
いいや君のことを考えるのが好き

2013/11/08 (Fri)

[400] 明日のこと
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明日のことはわからないよ

君はそう言って笑う

顔をくしゃっとさせて
目をきゅうっと細くして笑う

その顔が僕は好きだ

でも君が言うように
明日のことはわからない

明日も君のその笑顔が
僕の前に在るとは限らない

明日のことはわからない
でも一瞬一瞬を判断を誤らないように進むと
足がもつれて転んじゃう

君が顔をくしゃっとさせて笑っている
大好きな目がきゅうっと細くなる

嘘をつく暇もない
細工をする暇もない

君との時間を丸裸でもがくようにしながら泳ぐ
それはとてもここちよい

明日のことはわからないね

それは不安に包まれた小さな幸せ
大切に胸に抱え込む

2013/03/30 (Sat)

[399] さようなら
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死ぬってなんだよ

今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに

死ぬってなんだよ

呟くように聞いてみる?
もちろんどこからも返事はないだろう

悲しみが涙に変わり
そして胸にぽっかりと穴をあける
そっとずっと心の底に留まっていた涙が
あいた穴からつららのように絶え間なく溢れ落ちる
それは冷たく身体を麻痺させる

死ぬってなんだよ

今になってそんなことを考える
あいつはもういないのに

涙をふいて歩き出そう
また日常に流されよう
僕は今日も生きていこう
流されながらただ進もう

ふと立ち止まったときは
またここに来るよ
さようなら
さようなら
さようなら

2013/01/31 (Thu)

[398] 奇跡の旅
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奇跡なんてものはない
どこかでそんなことを聞いたことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
うんざりするほど考えている

奇跡は信じる者に訪れる
どこかでそんな言葉を見たことがある
多分そうなんだろう
僕は決まって君のことを考えている
いつも呆れて笑ってしまう

奇跡なんてものは
奇跡なんてものはね


僕は旅をしたい
君と二人で目的のない旅をしたい

さあ行こうぜ
奇跡が終わってしまう前に

君よ
どうか笑ってくれ
僕のために

2012/10/17 (Wed)

[397] 
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途切れてしまったヒコーキ雲は
どこかの空に繋がっているのかな
いつの間にか忘れていた未来には
今からでも繋がるのかな

いつも何かを取り戻すために早足で歩くよ
無意味だと知っているけれど
すべてが一瞬だなんて悲しすぎるじゃない
そんなこと考えたくないんだ

一方通行にひたすら線を刻んでいく
流れに逆らったマイナスは消えていく
君と僕と引いた白線の
交差する場所を目印にして待ち合わせしよう
通りすぎないように目を見開いて
一瞬を思いっきり睨みながら歩いていく
僕は早足で歩いていく

2012/10/02 (Tue)

[396] 石ころ積み
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あくまでイメージの話をしよう

僕は知らないうちに積んでいたんだ
不細工な石ころを選んで積み上げていた

この丸い地球上では
恐らくどこよりも水平だろうなって場所に立って
そこに見つけた小さな窪みに石を詰めたのが始まりだった

詰めた石の上に僕は石を器用に積んでいく
不細工な石ころだから今にも転げ落ちそうなんだけれど
なかなか落ちないもんだね、崩れないもんだね
しつこいなぁと思いながら無表情で無計画に
だけども丁寧に丁寧に崩さないように積む

目的は崩さないことでも崩すことでもない
そんなことは知っている
知っているからわからなくなる

昨日、不細工な石ころたちの塔は崩れた
誰も揺らさないのに風も吹かないのに

悔しい?
わかんない
でも散らばったそれを蹴っ飛ばしたくなったよ

僕は蹴っ飛ばさずに背を向けた
しばらく積みに来ないよ

2012/10/01 (Mon)
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