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矢井 結緒の部屋  〜 投稿順表示 〜


[106] 切な刹那
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


あなたが幸せであるように
わたしは多くを望まない

全部の数が分かってるから
たったこれだけでも
ありがとうと喜べる


あなたが笑っているならばわたしは泣いても構わない

降っても直ぐに晴れるから
今は無理して辛くても
おめでとうと言祝げる


あなたが辿り着けるよう
わたしは後からついて行く

先でも後でも同じなら
前行く背中糧にして
お先にどうぞと見送れる

2009/09/25 (Fri)

[107] 火族
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


50億年生きてきた
彼でさえ永遠じゃない

みんなを引き連れ
ここまで来たけれど
一瞬たりとも
休む訳にはいかない

燃えて
照らして
導いて
折り返し地点を
丁度回ったところ

醒めたふりして
冷えきって
燃えたふりして
意気がって

水金地火木土
テメェもかい?

それでも
繋いだ手は離さない
最期まで輝いてゆくよ
みんな銀河の家族だから

2009/09/25 (Fri)

[109] 柑橘系の結末
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


深すぎて
なんにも見えない
海の底より
浅瀬でチャプチャプ
のが好き
水圧で息が詰まるし
得体の知れない
魑魅魍魎は
今までの価値観が
ガンガラガンと
崩れてしまうから
いらない
知らなくていいことは
最期まで知りたくない
林檎だと思って
食べて来たのに
消化が済んだ頃に
蜜柑だった
なんて言われても
酸っぱ過ぎて困る

2009/09/26 (Sat)

[110] ガラパゴス
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化石燃料みたいに
いつか枯渇する
感性のような
先の見えてる燃料
だけを頼りに
どこまで行けるだろう

おばさんになっても
文学少女さながらに
図書館で左上見てたら
気持ち悪い気がする

アンテナは真っ直ぐで
受信出来るのは
お行儀の良い公共電波だけ

僻地に棲息する
生き物みたいに
わたしは独自の進化に
取り残される

2009/09/26 (Sat)

[111] ストリータ
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今日も出てゆく
夕暮れの街
ジェイソンマスクに
バンダナ巻いて

小柄なギタレレ
キュートな相棒
シャンパン片手に
サンダル履いて

ギターケースに
じゃら銭受けて
ルンペンさながら
パン代稼ぎ

イヤな48に
いかつい893
ペンギン歩きで
また明日

2009/09/26 (Sat)

[115] 名月の向こうには
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深藍色の天幕に
まあるい丸い穴ひとつ

乳白色の光射し
やさし優しい雲一筋

エンドロール流れても
席を立てない客ひとり

円柱形の穴覗き
宇宙の果てを垣間見る

2009/10/04 (Sun)

[116] あーした天気にしておくれ
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意味なくカユい感覚
そんなもんに
実体とかなくて
それとおんなじで
哀しみも喜びも
風が吹くように
通り過ぎる
台風だって
1日我慢すれば
明日は嘘みたいに晴れる

2009/10/04 (Sun)

[118] 希み望むなら
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


イエスも

ジャンヌ・ダルクも

何かの使命を

帯びて産まれて来た

あの人もきっと

哀しみを乗り越える

歌うことが

世界を救うなら

諦めないでいて欲しい

なんにも出来ない非力が

たくさん集まれば

きっと世界は美しくなれる

2009/10/04 (Sun)
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