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望月 ゆきの部屋  〜 新着順表示 〜


[314] ナビゲート
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

あなたはたぶん
わたしがシアワセ、と感じる指先や
透明になれるほんのすこしの暗号を
ちゃんと知っていて
いつだって手をひいて
この思慮深い森の出口につづく
複雑な線をといて
近道へ、
近道へ、
と、いざなってくれる


けれど
わたしが求めているものは
ほんとうは
たったひとつの
座標、で
それはたとえば、あなたのとなり
からみあう曲線の、上


それはたぶん、どんなに遠まわりしても
たどりつけない、
そんなところ


2005/01/15 (Sat)

[313] 地球儀U
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

くるくるくるくるくるくる
と、地球儀をまわして

えい、ここだ。
と、シャープペンシルの
先っぽで
刺す

刺さった国へ、あさって出発
ってゲーム


やだよ。
そこ、ヤバイよ。



気にくわない
からって
何度も何度も何度も何度も
くるくるくるくるくるくる
刺す刺す刺す刺す刺す刺す


ゲームだってば
ゲーム




やめろよな。




それ、
本物の地球だぜ。


2005/01/10 (Mon)

[312] 地球儀
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

朝、目をさましたら地球儀の上でした
当然ですが、びっくりしました
あんまりびっくりしたので
枕元のメガネをさがしあてるのに
2分40秒もかかってしまいました
頭の上のあたりを
何度も何度も何度も
ばったばった、と
たたきまくったせいで
まだ、夜が明けていない
どこかの国の人たちを起こしてしまったようです
「たった今寝たとこだったってのに!」と
口々に叫んでいました
いえ、言葉はわかりませんが
寝入りばなの顔つきと
こんにゃろめーの顔つきは、万国共通です
さしずめ
ノルウェーかオランダあたりでしょうか
こんなふうなとき、思うことは
やっぱり世界はひとつで、おんなじでなくっちゃ、
ってことです

地球儀の上では
自由がまったくききません
なにしろくしゃみひとつするだけでも
お尻の下の国では
大雨警報が発令されてしまいます
お腹がすいてきました
けれど冷蔵庫までたどりつけません
たいへんです
トイレに行きたくなってきました
おしっこがしたいです
これはもう、寝てしまうしかありません
幸い、日も暮れてきました
これはもう、寝るしかありません
寝る前に思うことは、
やっぱり世界はひとつで、おんなじでなくっちゃ、
ってことです
もう、寝ます
明日の天気予報、晴れでしたね
もう、寝ます
メガネはポケットに入れるから安心してください
そのかわり
夜明けまえから雨が降りだしたらごめんなさい


2005/01/10 (Mon)

[311] カラスは仰向けに
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

いつだってただ生きるためだけに眼をこらしているけれど
たしかにあの頃はそうして寝転んだまま泣いてさえいたら
おいしい物だとかやわらかい声だとかあたたかい手だとか
そういうものはいつもかたわらにあたりまえにあったので
そうしていればいいと思っていたしそれは間違ってたわけ
じゃなかった 少なくともぼくはちっとも変わってないし
変わったとすれば大人達とか酸素とか世界とか地球とかで
おかげで今じゃあすっかり下ばっかり向いて毎日毎日毎日
生きるためだけに耳をすまして声を発して眼をこらしてる
そんなんで人生たのしいのなんてたまに聞かれたりなんか
するんだけれどもそうなってしまったことは仕方ないこと
で誰かを責めてもどうにもならないし誰を責めたらいいか
よくわからないのでとにかくもう楽しむことに決めたんだ
寝転んでいても誰も何も運んできてはくれないのだけれど
それでもときたま誰も見ていないときには空のはじっこで
ごろんと仰向けになって宇宙をながめながら来ない誰かを
待ってみたりなんかして カラスだってもきっとおんなじ。

2005/01/08 (Sat)

[310] 肝油ドロップ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす

コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、夕べ

千里をもかけぬける
しじまの支配を
小気味よくすりぬけては
ドロップを、ほおばる
あなた

さしだすわたしの手

平たい空っぽの缶と
守れない3粒の、
約束



つめたくして、ごめんね


そんなあなただから
空っぽになるくらい、好きだのに

2005/01/08 (Sat)

[309] 夜の欄干
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

ああ
かみさまはいるのだ、と
思った
そんな夜の話をしてあげる

雲をつんざく、青
無尽に動く、光
まっすぐ、
ひたすらまっすぐな、光
それから逃れるため
走った

(まっすぐなものは、にがてなのです)

走って走って
たどりついた
いびつな三角形の
サーカス小屋
小屋は光を失くし
ゾウも
ゾウつかいも
夜に溶ける
投げやりな、点滅
オレンジの
オレンジの
サーカス、の電光文字

両脇に、ピエロの顔

(そのとき、もはやピエロはわたしで
    わたしはピエロそのものだった)

ああ
かみさまはいるのだ、と
思った
そんな夜の話をしてあげる

そう言ったわたしの上に
光さえ降らせないまま

(連れ去ってしまった、連れ去ってしまった)

あなたは
かみさままでも、連れ去ってしまった

2004/12/30 (Thu)

[308] こんにちは図鑑U
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小さな頃
引っ込み思案なぼくに、と
ママが与えてくれた図鑑は
表紙をひらくたんびに
こんにちは
こんにちは

語りかけたので
ぼくはひとりぼっちではなかった

ぼくの図鑑は
それからも毎日
こんにちは
こんにちは

ひっきりなしに語りかけるので
いつの頃からかぼくは
誰かが
ぼくの心とか
そういう部分を
コンコンとノックするたんびに
こんにちは
こんにちは

たたみかけるように
声を発しながら
ずんずんと近づいては
深く深く
入りこんでゆくすべを
身につけていた


たいていはそのうちに
さようなら
さようなら

深い深いところで
耳をすますぼくに
その人の声が
とどいて
それっきりとぎれたりするのだけど
そんなときぼくは
さようなら
さようなら
とか、
いかないで
いかないで
とか、
って
語るすべを
もうずっと持っていないので
ときどきぼくは
ひとりぼっちになって
まだぼくは
図鑑を手放せないでいる

2004/12/29 (Wed)

[307] こんにちは図鑑
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

きみ
図鑑にのってるよ
知ってるかい

きみだけじゃない
ぼくも
きみの、
ぼくの、
おとうさんも
おかあさんも
きみの赤ちゃんも

さっき
赤ちゃんの手の甲をペロリとなめた、犬
五丁目のノラ猫たちの
一匹、一匹
ハンバーガーを狙って旋回する、とんび
ハンバーガーを持ってかれて
砂をつかんでは空に投げる、サーファー

わすれるな
わすれるな

りんご園のだんなさん
りんご園のおくさん
海のむこうで手紙をしたためる、こいびと
こいびとの手紙を待っている、こいびと
図鑑にのってるよ

わすれるな
きみたちは
みな、死ぬよ
きみたちは
みな、
死ぬのだ、と
死んでゆく生物なのだ、と
図鑑にのってるよ
だけれど

わすれるな
わすれるな
それまでに出逢う、すべてのもの
それまでに出逢う、愛すべきもの
すべてに
こんにちは、
こんにちは、

手をのばして語りかける
それができるのも
きみたちなのだ、


2004/12/29 (Wed)

[306] *
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

グレープフルーツを半分に
ぱっさり、と
切ってごらん
まんなかにはいつも
記号


ぎゅう、

しぼったら
記号のしずくが
溜まるから
飲んでごらん
沈殿するのは
果肉
なんかじゃなくて

そんなぼくだって
(たぶん、きみだって)
世界においては
記号
でしかなくて
きまぐれに
キーボードをおされては
泣いたり
笑ったり
ねむったり
ずっこけたり
おしっこしたり
チョコレートたべすぎて
鼻血だしたりして
生きてる

記号であること

わるくない
曖昧だけれど
愛だって、
知ってる

ぼくのまんなか
の記号と
グレープフルーツのまんなか
の記号は
たぶんちがってるけれど
おんなじものも
もってるよ

まじわる、
沈殿する、
曖昧な、
曖昧な、


愛、というもの
愛、というもの







2004/12/19 (Sun)

[305] 日だまり
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

さむがりなわたし
と 
さむがりなミケ

くるん、と 
日だまりでまぁるくなる


あなたから届く 
つかの間の光



気まぐれな冬の太陽

つくりだす 
その場所で

2004/12/17 (Fri)
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