詩人:凪都 | [投票][編集] |
光に透かして
綺麗だけ見せて
美しいを共感させる
その強引さは強制
語る言葉も
魅せる身体も
君の手を引かせるモノ
振り撒く無垢さは
改めて自身に
言い聞かせている様だ
気付かぬは怠慢か傲慢か
詰め込んだビーズ
貼られた鏡
和紙の筒
綺麗だろう、と
段差1のヘクトパスカル
退けず
握り潰してやろう
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ごめんなさいで
飛び越えた歩幅
悟った素振りを吐いた
誰にも説けない教え
飛び出た杭のような
未発達な芽のような
きっと後者
いつかを夢見た
あの部屋の片隅で
もう
生き急いでなどいない事
深呼吸して
今日も水をやる
今は
義務的な動作ではない事
咲いた花は
今年もキレイ
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風も吹いていないのに
君は一人どこへ
行くつもりなんだ?
糸を手繰るあの子が
嫌いになったのかい?
殴ったりしないよ
君が手から離れて
あの子が喜ぶ姿
君が紙飛行機だったら
良かったかもしれないね
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ニワトリが鳴いて
白に溶け込んだ星
ニワトリが鳴いて
顔を覗かせた太陽
どちらが先に
追い駆け出した?
ニワトリから玉子
ヒヨコが生まれる頃
浮かぶ満月は何度目か
数えた玉子の数と
眺めた空の色
ニワトリを追いかけた玉子が
別のニワトリになる頃
同じ
鬼ごっこな空へ
違う一声が響く
明日があるなら
もう一声鳴いて
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日溜まり停滞地にて
昼寝で過ごす夏至の日
屋根に転がる黒
鍵尻尾を丸めた黒
耳に穴があるが
私のお洒落じゃない
けれどオッドアイは
何よりの自慢なの
裸足で駆け出して
思い出したように
たまに振り返り
首を傾げる黒
瓦から瓦へ
下を見ても
今はいない
今はもういない
名前だったらしい
誰もが呟いた
あれが
名前だったらしい
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揺れる木の葉の
囁きに僕はフラフラと
腰を預けた大木は
逃げようとはしない
木漏れ日に濡れた身体
遠くの入道雲を見つめる
陽だまりの夢を見たい
鈍くなる瞬きで
誰かにお願いした
傍らの草が重なり笑う
誰に向けてなのか
関心が向く前に
目蓋の裏から
掻き出した空想
風に髪を撫でられても
もう
指一本動かせない。
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そこまで回らない頭が
結果的に【優しい人】の
レッテルを手に入れた
胸に堂々と
張れたもんじゃないが
しかし棄てられず
緩んだ涙腺を無視して
こっそり懐へ
しまい込んでいた
さよならと
はにかんで
手を振る一瞬に
ちらつく足元の
伸びた黒さえ
靴裏に潜んだ
闇で染まる頃
傾いた太陽は
今日も暴けず
不貞腐れて行った
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真っ白なノートの上
走らせるペンがない
足元には汚れたシューズ
指先に力を込めて
絞り捻り出す景色
いつか見た概念を
見に行くためだけなら
これ以上靴は汚れない
電話だけ待たせて
消しゴム片手に
行ってしまえ