詩人:大示 | [投票][編集] |
プラチナに照らされて
きつい酒を飲む
汗ばんだ身体を夜気に晒して
君の黒髪を撫でた
少し開いた唇に艶を感じて
空を見る
『憎い朝を飛び越えて
夜に君を閉じ込めたい』
こんな勝手な願い事は
新月も叶えてはくれないだろう
夜空を見れば
月が笑っていた
新月まで、あと少し
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二人を引き裂く
残酷な光
沈黙の月世界だけが
私の居場所だというのに
夜咲く花は枯れ果て
この手の中で掠れた音をたてる
赤く甘い密
もう一度啜り唇を一舐め 虚ろなガラス玉に口付け
また今夜
太陽の裏側でお会いしましょう
もうすぐ手に入る
あなたの全てが
私の全てに
待ち遠しくて朝も眠れない
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嫌い、だなんて
相手を知らない間は
言えるものじゃない
どんなに嫌いと唱えても
どこかで否定する自分がいる
あぁ、こんなことを言っている間は気になって仕方ないんだ
これも情かな、と
小さく苦笑した
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あなたと一緒なら
特別な日にインスタントでもいいなんて思える
カラカラの油揚げ
お湯を注いだら
ふわふわ生き返る
お稲荷様にも
是非召し上がって欲しいぐらい
あなたと食べるきつねうどん
同じものが食べれるって
なんだか贅沢
詩人:大示 | [投票][編集] |
こうしている間にも
どこかで誰かが悲鳴をあげている
僕らは無力だね
その人の悲しみも怒りも
一つ処に留まっていては
理解できない
助けてあげることなんて
夢のまた夢かも知れない
だからせめて傍にいる人達を
出来る限り理解し
大切にしたい
細やかな願い
きっと叶える
詩人:大示 | [投票][編集] |
小さな黒猫が
期待に満ちた目で見つめてくる
なるほど、鬼ごっこがしたいのね?
わざとらしく
足音をたて、逃げるフリ
黒い毛糸玉が転がるように
一生懸命追っかけてくる
あの人も、あんなふうに
追いかけてくれるかしら
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お隣さんの野うさぎ
時々、カリカリをあげる
くりくりした瞳で見上げて
コリコリと食べてくれる
なかなか、なつかないのに。
不思議ね
なんて言われて
あなたが頭に浮かびました
そういえば私達の付き合いは
バレンタインからだったわね
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あなたが出かけるとき
家族が出かけるとき
必ず、言う言葉
『いってらっしゃい』
早く帰ってきてくれますように
無事で帰ってきてくれますように
いろんな想いを込めて
送ります
これから出かけるあなたにも
『いってらっしゃい』
詩人:大示 | [投票][編集] |
そんなこと
たいしたことじゃない
それは『あなたにとって』でしょう
私にとってはたいしたことなの
感覚が違うと理解し合うのは
少し難しいみたい
でも解り合おうと努力したら
何か良い事ありそうね