詩人:大示 | [投票][編集] |
貴女の愛を手に入れるために
僕は何でもしよう
貴女なら
僕の愛を理解してくれるでしょう
底無しの愛を
貴女も求めているはずだ
思い出すよ
大切にしていた動物が
動かなくなってしまった後も
僕は亡骸を抱きしめ続けた
たとえ面影が崩れてしまっても
僕は手放さなかった
貴女が
同じようになってしまっても
僕は、ずっと離さない
ねぇ
これも愛だろう?
詩人:大示 | [投票][編集] |
あんなに好きだったのに
あんなに
褒めてくれた人がいたのに
『心地よい』と言ってくれたのに
僕は、もう歌えない鴉
その体のまま心も黒く
今は
どんなに美しい歌を歌っても
虚しいだけ
いつか、また心が輝く頃に
ひっそりと静かに歌おうと
思っている
詩人:大示 | [投票][編集] |
ねぇ、
その子は将来素晴らしい万能薬を
作れる子だったのよ
ねぇ、
この子は近い未来綺麗な歌声で
皆を癒してくれる子だったのよ
ねぇ、
あの子は戦争の止め方を
知っている子だったのよ
ねぇ、
今抱いている子はアナタに沢山の
愛を与えてくれる子なのよ
どんな状況でも人は生まれる
自分自身と子を疑わなければ
誰にも負けない素敵な物語を
紡いで行ける
ただ、それだけを私は願う
詩人:大示 | [投票][編集] |
誰が為の、力ですか
あなたに守るものはありますか
何の為の、力ですか
ただ威張り散らすだけの力
それに何の意味がありますか
せっかくの類い稀なる力
どうか
悲しいことに使わないで
必ず別の使い方が
あるはずだから
詩人:大示 | [投票][編集] |
ほっそりとした長い指が
白と黒をいったり来たり
静かなワルツに情熱タンゴ
踊るのは貴方の指先
器用すぎる指先は
いつでも私を翻弄する
踊ってみましょうか
しらべに乗せて
貴方はマジシャン
指先一つで私を支配する
詩人:大示 | [投票][編集] |
別れを惜しむは
寂しくも嬉しいことよな
共に在った時が足りない
そう思える人と会えたんだものな
涙、堪えるな
なあ、いっそ大泣きするのも
良いじゃあないか
抱き合って、二人泣くのも
良い思い出よ
詩人:大示 | [投票][編集] |
泡立ち消えていく
数多の生命
沸き上がる激情を
静かな声で歌いながら
貴方が訪れるまで
あと何れくらい
冷えきった指先で星を数える
数えきれなかった
流れ星が海に沈む頃
暖かい何かが頬を伝った
流れた涙には願いを叶える力など無く
同じ味が蠢く海に
ただ還っていく
立ちはだかる波を越えて
暖かい貴方の元へ
重ならない歌声は
独り夜空に溶けて
信じたのは貴方の温もり
囁き交わした一つの言葉
泡立ち消えていく
数多の生命
沸き上がる激情を
静かな声で歌いながら
泳ぎ疲れた
私を抱き止めてくれた
貴方は今、何処に
詩人:大示 | [投票][編集] |
優しい呼び声に導かれて
僕は歩いていく
たくさんのカザグルマの道を
灯りもなしに歩いていく
一つだけ手にしたカザグルマ
ふっと吹いて笑った
手をひく人もなし
手招きする人もなし
風吹く道を辿ってく
からから、回るカザグルマ
お気に入りのカザグルマ
くるくる、回るカザグルマ
冷たい風とカザグルマ
詩人:大示 | [投票][編集] |
白い花が青い空に流れて
遠い町に辿り着いた時
想い語る恋人達は
穏やかな季節を感じ
閉ざされた命も蘇り衣を変える
白い花は柔らかな風に寄り添って
空を駆け巡る
甘い香りはあの人を思い出す
この世界の何処を探しても
あなたはいないのに
今だけ許して
泣き虫の僕を
もう立ち止まらないよ
季節も命も巡っているのだと
ようやく、思い出せたから