詩人:大示 | [投票][編集] |
君と一緒に眠りたくて
怖い話をしてみたよ
なかなか一人部屋に
行こうとしない
怖がりの君にアプローチ
わかっているよ、言われなくても
スマートじゃない
なんてことくらい
ただ、わかって欲しいんだ
暗い夜に、
独りで泣く必要ないってこと
ただ、わかって欲しいんだ
そんな時くらい
頼って欲しいと思っているヤツが
此処に居るってこと
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あの時の君の笑顔が眩しくて
眼をそらした
目蓋閉じても焼き付いたように
浮かんでくる
僕の居場所は
『ここ』でいいのかな
否定されるのが怖くて訊けないよ
頭を肩に押し付けられて
撫でられた時に気付いたよ
僕の居場所は
『ここ』でいいんだね
確かめる様に君の顔を見上げた
忘れないよ、この時を
これから、どんな道を歩こうとも
時折光る希望が胸の中にあるなら
詩人:大示 | [投票][編集] |
なけなしの心を
空っぽの君にあげよう
いつか歩いてくれるまで
ぼやけた願いを込めて
たいして特別な想いで
作ったわけでも無いのに
愛らしい姿で見つめてくれる
変わることない
作られたカオだけど
気付けば抱きしめていた
君が歩けたらいいのに、なんて
勝手な願いだったね
腕の中のおとなしい君で
本当は充分だよ
この先ずっと、僕の特別
これからずっと、僕の友達
詩人:大示 | [投票][編集] |
凍えた心の欠片が
奥深く眠っていた種を潤す
どんな悲しい冷たい水滴も
乾いた種の幸せ
あなたの全てを受け取って
咲くよ、あなたの為に
綺麗な花びらは
笑う風に吹かれて、
今咲いたよ、と
香り届くように
あなたに知られず咲くよ
あなたが泣いた、あの日を
想いながら
あなたを見下ろし咲くよ
あなたが笑う今に安堵しながら
詩人:大示 | [投票][編集] |
分厚い殻の中で、膝を抱えて
カルシウムばかり生み出していた
泣き虫の僕は小鳥にもなれないよ
どろどろのぬるま湯に浸って
養分渇れるまで眠れたら
幸せだろうか
飛び立つ夢は靄の中で
薄れて行くのに
虚しさは色濃く広がって苦しめる
翼の形すら無いのに
空への憧れは毎夜訪れる
身分不相応、と笑われる前に
僕は定まらない身体を引き摺って
風化した殻を撃ち破り
無い翼を広げよう
他の翼を奪おうとは思わないよ
もう解っているんだ
引きちぎられるのが
どれほど、辛いか
空虚な翼があの青空に映える頃
今よりは
今よりは直視できる僕に
なっているだろう
遠ざかる大地に残した殻を
見下ろして
微かに痛む心を抱きしめたい
詩人:大示 | [投票][編集] |
水鏡の中を覗いて溜め息を吐く
何故、私は私なんだろう
指で弾いても粉々に
滑稽になるだけ
満ち足りた顔して私の水瓶に
浮かんでいる銀色の皿
何も、のせられていない
空っぽの満月なら
涙を受け止められる?
流れるままに溢して
満月を揺らした
鏡像ほど虚しいものはない
解っているのに
声が、嗄れるまで
涙が水に戻るまで
哀しみに流された
水瓶の中身が増えて
少し塩辛く感じたのは
決して、嘘じゃない
生まれ変わった青空の支配者が
全てを照らすとき
私の水鏡は空気にとけていった
詩人:大示 | [投票][編集] |
何にも一生懸命になれないから
挫折などしらない
何にも一生懸命になれないから
苦い後悔ばかりで
地図にすら書かれていないい
僕の居場所は
この星の上にあるのだろうか
歪みを正さないと
焦燥は月と共に膨らんで
強くならないと
心に何かが忍び込む前に
本当の哀しみや理不尽に
立ち向かわなければならない時
動けないなんて
許せないから
この嘘のような哀しみも虚ろさも
ほんの些細なきっかけで
いつか消える
どんなものにも永遠なんてない
辛い夜も、虚ろな朝も
哀しいけれど、素晴らしい時も
永遠じゃない
詩人:大示 | [投票][編集] |
諦めてどうするの
こんなに生きようとしてるのに
僕の中で何度もリピートした言葉
今さら聞きたくもない
これから先の苦しさも
独りでは背負えない
信頼なんて何処にあるの?
大丈夫なんて魔法はいつ効くの?
半分もない覚悟で近寄らないで
『助けて』と叫べば
あの人は来てくれるだろうか
『辛い』と哭けば
遠い誰かに届くだろうか
『甘ったれ』なのは解っている
それでも
救いを求めずにはいられない僕は
もう限界越えている
詩人:大示 | [投票][編集] |
柔らかい体寄せて
疑いの無い瞳で見上げる
その瞳に泣きたくなるのは
何故だろう
膝の上で丸くなって
眼を細めて小さな額押し付けた
その仕草に暖かくなる心
何故だろう
何にも信じられなくなった私を
君は簡単に信じてるの
甘えてじゃれて、膝の上で眠る
信じてもいいよ、君のこと
私を信じてくれているのが
わかるから
幸せそうな寝顔に
信頼が見えたから
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瓦礫に埋もれた紅い花
モノトーンの中の幻想
渇ききった喉にしがみついた
始まりの声がもがいている
ざわめく魄を押さえつけて
僕は虚都市に吼えた
己など既に無い
未知の力を備えているなら
細胞達よ、全てを忘れさせてくれ
愛しさも憎しみも
あなた一人が教えてくれた
穴の空いた僕の心でも君の想いは
堕ちず、手のひらの下に
黒く燃える魂を押しこんで
僕は荒野に吼えた