詩人:大示 | [投票][編集] |
今、見つめている道は何処に繋がっているのだろう
何処に繋がっていようと歩かなければ終わりは来ない
わかっている
わかりきっている
このままでは地獄にも天国にも行けない
崩れ始めたその場所を蹴り飛ばし着地した道は時間に急かされ、だけど本能的に選んだ道
覚悟なんてする暇も与えられず
あてのない旅は、始まったばかり
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何の規則かは、わからないけれど
私は今、この姿の私で生きている
何の縁かは、わからないけれど
この人達の元に生まれた
この縁は
次も
この次も、ありますように
と願う
流れて、流れて
着いたその先で
待っていてくれますか
私が生まれた
あの時のように
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どんなに大好きでいても
別れは必ずやってくる
与えきれなかった愛情も
まだ、こんなにあるのに
突然の別れは、何のため
命の終りがあるのなら
何故、こんなにも早く
また笑って会える日を
今は夢見ることさえ難しいけれど
この、行き場の無い想い
受け止めてくれる人を探す旅に
僕は出よう
けして、あなたの代わりを
探しはしない
誰かが、あなたに似ていても
あなたは、僕と同じように
一人きりの存在なのだから
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黒い静寂に、雫の呟き
聞く人なく溶けていく
幾星霜の涙、岩の牢獄に
深い穴を穿った
風が行き過ぎ、洞をくぐり
強く慟哭させる
ざわめきが、こだまして
深い青を揺らし明日へ
会うこと無い、誰かに届き
一滴の涙から全てが生まれ
風に浚われて駆け巡る
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私の真似なんて一体何のつもり?
オリジナリティないのかしら
私とあなた、どう見ても別物よ
細胞全部換えて出直しておいで!
美しい色鮮やかな森に
全てを否定されたカメレオン
『自分の身を守る変身』
それは
『過酷な世界』で生きるために
必要不可欠なことだった
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夕日に抱かれた白い部屋
切なさ香るその色に
思わず景色が揺れたのは
朱色が怖くなったから
『夕暮れ時の風物詩』と
遠い時間が囁いて
『わかっているよ、そんなこと』
今の僕が呟いた
本当の独りきりなんて
知っているわけでもないのに
それでも涙が落ちるのは
僕が甘ったれだから
こんなんじゃ、笑われる
なんでもないふりをして
いつものように
おどけてみようかな
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あなたの無口が私を安心させる
あなたの些細な言動が
私の心を引き寄せる
何も語らず、富無くても
誠実な、あなたがいる
ならば私は賢くありましょう
時折の小さな愛情に気づいた様に
つまらない、その場限りの見栄に
惑わされず生きられます様に
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在るのか、どうかもわからない
自分の事など確かめようがない
意味もなく不甲斐なく叫んでは
自分の小さな存在を感じていた
『切ない』とぼんやり呟いて
カタカタ震える両手を握りしめる
冷たい空気の中めぐる血を感じて
生きていると、涙を落とした
できるなら、見たくなかった
こんな僕は
せっかくの薬さえ効きはしない
許せない事ばかり多すぎて
なのに一歩も動けなくて
臆病な奴だと、呆れ果てた
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出逢い別れの季節なんて
今の僕にはピンと来ない
年がら年中荒れた部屋で
見ざる聞かざるの僕には
動くのを止めない無神経な時間と
変わっていく温度が
動けない体を追い詰める
この荒れた場所で静かな部屋は
髪一筋も残さず旅立った
あの人のアトリエぐらいで
描きかけの一枚の似顔絵は
ぎこちない笑顔の僕
永遠なのは冷たく動く時と
薄いカーテン越しに見る
堂々巡りの季節達
世界から忘れられた暗い部屋を
秘密基地にした僕は
もう一人の僕と、同じ様に白い世界で
ただ、笑っている
詩人:大示 | [投票][編集] |
白い寂しい空箱に
ペンで似顔絵描いてみた
君の笑顔を思い出し
甘いケーキを閉じ込めた
また、からかわれるかな
また、笑ってくれるかな
僕の好きなあの笑顔で
あの時のプレゼントのお返しに
気合いの入ったショートケーキ
カッコ悪くなんか無いよ、きっと
贈りたい気持ちに
嘘をついていないから