詩人:旅人モドキ(左利き) | [投票][編集] |
奇妙な寸劇
何度もしっぽを出しているのに
ちっともつかんでもらえやしない
能が無いのか気力が失せたのか
どちらにも取れるんだけれど
結論はもう少し先送りして
いわゆる帰らぬ人のめくるめく
役者としての生き様をしめくくる
ささやかなつながりもつむいで
静かな伝説
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絶え間ない拍手が重なる
桜と紅葉が色とりどりに同居する
公の場で野心が露わになる
図らずも油断して下克上を表明する
焦りと不安で舌がもつれる
恋だの愛だの能弁に語りたがる
人の情けをも活用して操る
行き当たりばったりにも程がある
絶え間ない残響が聞こえる
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皮切りだったら電波を放ち送る局で
いわゆる道化者として暗躍などして
年明け以来遠ざかると敷居が高くて
うっかり酒に飲まれる酔っぱらいで
人波から乗り遅れるおれはうかつで
かぼちゃの灯が揺れ仮面もかぶって
筋を通して一筆書きつづりたくって
おまじないが効きすぎちゃった件で
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今の感情をしみじみと飲みこめば 悔し涙の味わいに触れ舌なめずり
誰彼かまわず辛苦も吐露するのを 何食わぬ顔で非情だと痛めつける
淡く吹く流れに乗れる渡り鳥たち 山並は波打って着せるは濡れぎぬ
気味が悪いほどの愛に萌える若芽 秋に飽きて呆れるなら商いに悩む
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出ずる雲よ
幸せを求める魂も 包み込んで進もう
峠の辺りに立って 誇り高く生きよう
渦を巻いて暴れる 風かつ雨に挑もう
心の熱さも伝えて 密かに割を食おう
酸いも甘いも知り 苦い涙も味わおう
荒れ狂う面ならば 切り離して置こう
幽かなる世を司り 海にて蛇と化そう
大いなる社よ
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まっ白な馬を見にいこう
いつまでも丘にて寝そべる怠惰な巨体を はるか遠くから見つめては物思いにふけろう
いい加減に独り立ちしなさいと諭したって まさしく馬耳東風でぴくりとも身動きは無さそう
ちっとも笑えない毒舌を吐きまくる輩に びしっと完敗など突きつけてから乾杯しよう
まっ白な馬を見にゆこう
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もう星を演じるのにも疲れちゃってさ
そろそろ幕など引こうかと考えたんだ
光なんて放っていやしない者であると
あっさり認めるならば気が晴れるはず
そんな安っぽいずる賢さも持ちながら
夢うつつな世の騒がしさから逃げ出せ
もしも抜け駆けだと後ろ指さされても
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黄金の魔球を投げ込んでも 失策を招いたら台無しなんだ
桃源郷まで歩みを進めても 花も実も無いなら凡退なんだ
緑藻として海など漂っても 泡を食ったら根無し草なんだ
赤道さえ越えて飛躍しても 無理に盾突くなら降板なんだ
紫外線は敬遠で先送りでも 冷や水を浴びたら無情なんだ
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星を待ってるの
その瞬きが涙も照らすはずなの
きっと胸に宿る苦しみだって癒すの
まだ明けない夜にそっと包まれてみるの
もっと人の痛みを思いやれる心こそ持ちたいの
ほら丸っこい月が優しく語りだすの
やっと暑すぎる夏の熱も届くの
ただ朝が近いと知って惑うの
星を待ってるの
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めっきされた金属が門扉の外でつややかで
枝折り代わりの押し花やら五色の短冊やら
陽射しを浴びて露呈するは
色素が沈着した小麦色の肌だ
何事も面白くもあり詰まらなくもあり
生態系の及ぼす微妙な釣り合いを見習え
騒がしい暴風雨に閉じこめられ
願いも虚しく後悔ばかりが募る
海は閑をもてあそぶ風とともに
幻に浮かぶ群像劇の歩調に溶け合え
扉の外では軽やかで伸びやかで
青雲の色である鋼鉄の志