ホーム > 詩人の部屋 > アルバトロスの部屋 > 新着順表示

アルバトロスの部屋  〜 新着順表示 〜


[416] あの涙はどこへ行った
詩人:アルバトロス [投票][編集]

あの涙はどこへ行った
夕やけのなかで叱られて泣いた
赤とんぼが空を切り取って
雲が月の向こうへ帰っていった

あの涙はどこへ行った
ふるさとが急に恋しくなって泣いた
カップラーメンのフタの滴が
冷たくなって机を濡らした

あの涙はどこへ行った
弱々しく握る手を握りしめ泣いた
真夜中の病院の窓に映る泣き顔が
ぼやけてしまう前に目をそらした

涙にさよならを伝えられず
涙はさよならも言うこともなく
今は僕は笑顔でいるよと
自分自身に語りかける
言い聞かせるように語りかける
そして乾いた唇をペロリと舌で舐める

2015/11/17 (Tue)

[415] 光と影
詩人:アルバトロス [投票][編集]

草ぼうぼうの空き地でゴミが散乱しても
誰も気にしない

お洒落なカフェでゴミが散乱してたら
みんな大騒ぎ

あなたは何を求めてるの?
何を祈っているの?
どうして涙を流すの?

わからないからやめる
考えるということをやめてしまう

2015/11/17 (Tue)

[414] 夕暮れと花
詩人:アルバトロス [投票][編集]

いつもの帰り道
ふとした瞬間に見つけた

花が咲いている

きれいだな
僕は花を見つめる
すると花も僕をじっと見ている

摘んでしまおうかな

いいや、やめた

本当に美しいものはただそこに在る
それが美しい
そして少し妬ましい

僕は座り込んで花を眺める
時間を忘れて見つめる
時間も僕のことを忘れてくれたら良いのに
そんなことを思ったりして

ああ、もう日が暮れる

2015/05/04 (Mon)

[413] 
詩人:アルバトロス [投票][編集]

涙は浮かぶ
空に浮かぶ
気球のように大空を旅して
この街を見下ろす
迷子になった君の心を探す

2015/01/29 (Thu)

[412] 止まれ
詩人:アルバトロス [投票][編集]

僕らを現実に縛りつける空想の鎖
ひとつずつ外す
丁寧に慎重に

現実は音もたてずに消えるだろう
何も残しはしないだろう

という空想

ひとまず決めつけて
踏ん張って
そして走り出す
身体中にあらゆる感触を
気持ち悪くなるくらいに感じながら

存在するということに恐怖する
何もないということにも恐怖する
すべてフェイクで真実なのに

お互いを束縛する世界
優しい世界
誰も導かない世界
案内人のいないキリのない旅

2014/11/25 (Tue)

[411] 
詩人:アルバトロス [投票][編集]

夜はただの時間帯のこと
そう言われてしまえば
確かにその通り

セロテープで朝と繋げて
つぎはぎのこの気持ちにそっくりだ

夜はこのよく知る空間のこと
そう思い込んでしまえば
生温い優しさ

そのまま朝に運んで
光のなかに霧のように消えていけ

君のいない夜が
君を想う気持ちに比例する
膨らんで醜い姿をぼかしていく
僕は誰かのふりして笑う

2014/08/02 (Sat)

[410] イコール
詩人:アルバトロス [投票][編集]

君は何をしていても可愛い
だからどんなに願っても僕と君は他人だ

それは哀しくて
それは最高に素晴らしい

極端なイコールで
底なしの希望を未来に描く

自分のことはいくらでも否定的に
君のことはいつまでも肯定的に

答えを導かない永遠のイコール

2014/07/25 (Fri)

[409] やっかいだ
詩人:アルバトロス [投票][編集]

自分自身の意思で
進んで来たはずなのに
誰がこの今を望んだ?
自分だよな?
なんて自問自答して
いや自答のふりして
音はなく口をパクパク
電池の切れかかった
時計の秒針のように
小刻みに震えて
唇と舌の先が乾いて渇いて
でも振り向けば確かに
自分の軌跡は
電子化されて
風化せずに残っていて
ポンッと爆発させて
蒸発させて
空の青さに歪ませて

ああ やっかいだ

2014/07/11 (Fri)

[408] 主語のない生活
詩人:アルバトロス [投票][編集]

朝、目を覚ます
しばらく布団と一緒に丸まって
時間と一緒に寝過ごしちまう

目を開ければぼんやりと薄暗い
視点がなかなか定まらない
強引に静けさだけが聞こえる

起きなきゃね
行かなきゃね
思い通りにならなくても

布団が重くのしかかる
あんまり気分は良くないけれど
布団と一緒にはねのける

2014/03/08 (Sat)

[407] しかめっ面に上っ面
詩人:アルバトロス [投票][編集]

おはよう。
今日は寒いねぇ。

こんにちは。
髪を切りましたね。

さようなら。
また明日も頑張りましょう。

上っ面かな。
上っ面だよねぇ。
でも僕は嬉しいよ。
心の表面をなでられて僕はくすぐったいよ。
しかめっ面していた心が少し微笑むよ。
上っ面の言葉になでられて。

意味はないかもしれない。
でもそこに誰かの想いがあるよ。

2013/11/22 (Fri)
324件中 (31-40) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 33
- 詩人の部屋 -