詩人:清彦 | [投票][編集] |
どれだけ平然を装っていても僕ら
お天気は操れないさ
空は怪しい雲行き
結局、
偶然に出会って
恋に陥ってかき回す無様
水たまりに映る僕の姿は
乱れる景色、恋模様?
そうだ、それは虚妄に偶像なのだと
噛み締めよう
今度も
これからも何度でも
雨が降るたびに
恋よりも愛で
優しい諦観の眼差しで
すべてを眺めていこう
そこに咲く紫陽花のように
感謝も恨みもないね
ただ、憂い、慈しみ、彩りを演じる
それでも
その美しさに心を奪われて
ほんの少しだけ立ち止まった
雨の中
遮断する傘の中
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奴はいかにも後ろから刺しそうだ
頑なに拒んで選んだ憧れ
否定して否定して否定して
たどり着く境地
暗闇にひとり
祈りはエクスタシズムの一貫だ
うやむやに全てを創造す
気づけば流れる景色に身を委ねて
欲望渦巻く間にうたた寝、夢つらつら
ろうそくの灯火が揺れている
戯言、笑う門に鬼来たる時
本当は最初から解っていたはずなのに
戯れ合う、儚い戯れの祈り
夢虚ろの一人芝居暴かれて
ああ、またひとつ悪夢が現実になった
嵐よ去れと、正にシャーマニズム
この破壊もまた創造の一貫か
哀れなことに
笑うしか出来ないんだ
次の角にまた、鬼来たるまで
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愛は間違いなく苦しみそのものだ
憎悪と執着と悲しみの根源だから
あなたを見てると
わかる気がするよ
手を差し伸ばしたら
引っ張られて
ああ、
また
深い地獄に
差真っ逆さま
景色が逆転して
近くが遠くになる
暗い渦の底に着いたら
問いただしてみたらいいよ
生きる理由は
生きる理由は
生きる理由は
生きる理由は
生きる理由は?
やがて
ひとつの答えが浮かび上がる
もうそれは
呪いなんだと
やがて死ぬ事すら忘れて
ひっそりと漂うのさ
全てを失う
その時まで
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傍観の果てには
悲しみの彼岸があった
真実の中には
覆い隠せない欠如があった
あれよあれよ、流され眺めて
いつの間にか まるで
あの場所に戻ってきたようさ
それでも探しに行くんだろう
同じ夢を
駆け抜けた道の端
僕を見ているような 勿忘草
音楽は鳴り止まない未練
轟音がきっと紡がれている痛みに響く
風が冷たくなってきた
暑い夏はもう過ぎ去ったようだ
最初から解っていたように頷いた
あらゆる夢がいつか覚めてしまうこと
それでも探しに行くんだろう
同じ夢を
めまぐるしいの道の端
あの頃のような 勿忘草
音楽は欠乏への嘆き
轟音がきっと繋がっている痛みに響く
傍観の果てには
悲しみの彼岸があった
時間が掛かりすぎてしまって
全てを取り戻せはしないけど
せめて語らせてこの夢を
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君の手首には刻まれていた
付箋に音符が踊るように
痛みと、赤く、奏でて
僕はヘラヘラ笑う道化師さ
夜道を煙草の煙フカしながら歩き
人目をはばからず、煙をもて遊ぶ
街が僕らを拒絶していた
そんな気がずっとしていて
だから君しかいなかった
音楽は秩序を暴走する衝動だ
全てをカオスに踊らせようとする
ふたりに出逢った意味なんか無かった
だから、あんなに愛し合った
街が今日も規則通りに動く
決まった時間に運ばれて、出社して
別に誰が悪いわけでもないことが
一番苦しいし虚しい
どうか、痛みよもう一度
僕を殺してくれ
君の手首に刻まれていた
付箋に音符が踊るように
痛みと、赤く、奏でて
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じりりじりりと
うんざりするほどの暑さと
目を覆うようなアスファルトの照り返し
夏の喧騒、嫌でも流れる汗を
手で拭ってさ
木陰に隠れて見上げたら
緑葉の彼方、青空が
もう、暑さにも慣れたよねと
微笑んだ途端、明らかに
時間は経ちすぎてしまっていたようだ
通り過ぎていったはしゃぎ声
ひび割れて横たわる
蝉の抜け殻
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人は過ちを繰り返す
信号待ちの交差点
本当はいつ飛び出したっておかしくない
もう、呆れるくらいに
幾度となく繰り返した痛みだ
出会う時はそう、突然
嫌な予感と並行して進む
その場任せの楽しさ、欲情
君を見ながら、でも今度は
僕は自分自身も見ているよ
どーしてか今までだってさ
上手いこといったりいかなかったり
どっちにしろ
出会いには欲望が付き添いで
愛しさに痛みは常だってのにさ
わかっていながらも何度もホラ
また自殺するみたいに僕は
美しい空と水平線の見える崖に
向って歩いて進んでる
集中して、よく感じてみな
ここには風しかないよ
僕を暗い渦へと誘う
轟音と突風
容赦なく叩きつける
春の嵐のような痛みだけが
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鏡越し、想像を上塗りしていく様
そんな幾層もある何処か節目に
文明を否定したくなる時もあるさ
「一体何の意味があるわけ?」と
今日も誰かに呆れられてる
カランカラン鳴る氷が溶けるほど喋って
しかも自分だってそう思うんだから
まるで救いようがないね
素敵な音楽にはいつも
安定と不安定が繰り返されて
好きだったあの君へ
まっすぐの様に、あの頃の様に
五感が記憶へリンクする
年を取ったもんだね
全てを笑うことしか出来なくなって
生き抜くように抗うには
もう社会に子慣れすぎたかもしれない
僕は実のところ今でも
人の精神は自由だと信じたいんだ
「神は死んだ」
笑い笑われながら言ったのか
また、人の世、この暮らし
経済活動の隅っこで
孤独な人が集い音楽が流れるBar
迷える群衆、あての無い旅
酔いもあったのかなおぼろげに
煙草の煙が幾重にも重なって
あの時、叶えたかった君との暮らし
そんな未来の幻が見えた気がした
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交わす言葉など
実はさして重要ではないね
言葉の意味よりは恐らく
表情と仕草、感情を読み取るべきだ
情景を浮かべてごらん
全てにおいて背景は存在している
花柄のワンピースに麦わら帽子
風が吹いては夏の匂い
湿った暑さが喉を乾かすね
君が歩くたびに
世界もまた動いてるよ
君が瞬きで遮った刹那も
僅かに君は死に生まれ変わっている
細胞が見えるのかい?
進化の過程を信じるかい?
神様に祈るかい?
悪魔になってすべてを呪うかい?
もってこいの夜だよ
僕が喋る台詞は全て過去の引用
何かに操作された人形とも言える
全ての根源は実はキミさ
だってここは
キミの世界だろう?
僕は嬉しくてたまらない
何から何まで全て愛しいと
キミがキミをキミとして
存在している事が
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ひとまずここで
おやすみにしよう
このままでは全てが
拐われてしまうから
君の瞳をもっと
見つめていたかったよ
覗き込んで沈むよ深く
どうして時は過ぎ去った事は
戻せやしないくせに
過去なんかに囚われるなんて
気持ちもあの頃を甦らせたね
君が愛しいこと
ずっと隠していたよ
自分自身さえ騙していた極地の地図は
衝動の強い風に吹き飛んだ
僕は黙って君の話を聞いて
解ったふりして相づちしながら
帰したくなくて触れたくて
未熟で愚かなままの論理に
とりあえず言葉を任せた
ひとまず、ここで
ひとやすみを、しよう
必ず僕は伝えるから
一番愛しいこと
君のいう全てを受け止める事を
僕の愚かな哲学も音楽も
君への愛である事を今度、話すよ