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ユズルの部屋  〜 投稿順表示 〜


[13] 春に、ひとり。
詩人:ユズル [投票][編集]


しん、しん、しん。

暖かい、春が来たよ。
もう冬は、終わりだよ。

しん、しん、しん。

なのに、いまだ、
白い雪が、舞い降りるのは。

しん、しん、しん。

君がまだ、
あの冷たい世界に、
閉じ込められているから。

しん、しん、しん。

それでも、僕は、
振り向かない。

しん。

だって、もう、
暖かい、春なのだから。

2008/03/26 (Wed)

[14] 目覚める
詩人:ユズル [投票][編集]


夢を見ること
今を完全に充実させること
それは 反対のことなのかな

だったら ここにいたい
小さな世界でいいの
時間がとまってくれたらいい

むりやり連れにきてもらうほど
こどもじゃないから わかってる
少しだけ 踏み出せばいい


空を飛ぶこと
広い世界で歩くこと
それは よく似てるけど

夢は叶えたいんじゃない
ただ夢を見ていたい
叶わない夢を ずっと見ていたい

でもそれじゃあ 暮らせない
そんなに甘くはないよ
空を飛ばなきゃいけないんだ


ほこりをかぶった 羽を広げた
初めての空は とても怖かった
甘い蜜はもう さよならだよ

地面に落ちた そのときは
また助けてね また包んでね
それなら なんとか飛んでみせる

2008/03/29 (Sat)

[15] クルトプルス
詩人:ユズル [投票][編集]


疲れた身体を あったかい椅子に預けて
目を閉じても伝わる 光を抱いて
胸がきゅっとなるような 雨の日の
君の後ろ姿だけ 想った

忘れられたらいいのにね
悲しいことだけ 洗い流せられたら
小さな言葉に ひとり笑った
目を開ければ ほら 綺麗な空だよ

心のままに 思い描いてみる
青い空を 君と手を繋いで歩く
こんな気持ちだけで 充分なら
会いに行けるだろう 待っているかな

胸がきゅっとなるような 雨の日の
君の後ろ姿が つなぐ
胸が暖かく震えるような こんな日に
二人笑い合う時間まで つないでるんだね

胸いっぱいで 自転車を漕ぐよ
軽々と 坂道も のぼっていける


2008/03/31 (Mon)

[16] 春色メランコリー
詩人:ユズル [投票][編集]


初めての花が 目の前に現れて
頑張って 微笑むよ
変わる流れに くらいつくのは
いつも必死で くたびれてしまう

いつだって置き去りにする
僕の手は 届かないんだ
新しい空に 出会うなんて
どうしても上手くできないよ

きらいなのさ
君なんて
暖かいだなんて ウソだ

きらいなのさ
君だけは
美しいだなんて ウソだ

優しい風 色づいた花 輝くたくさんの瞳
軽い足どり 命の匂い きらめく出会い
そして 始まりの音
春のうた 切り刻む 僕を

きらいなのさ
君なんて
寒くていい 会いたくない

きらいなのさ
けれど 君はいつだって そう
僕の心なんて おかまいなしに
何度も 会いに来る 季節

何度も 会いに来る 季節

2008/04/01 (Tue)

[17] not over
詩人:ユズル [投票][編集]


幼い頃に 味わった
台風の前の天気みたいな
冷たい麦茶の中にいる気持ち
もう 忘れてしまったのかな

失うものなのか 詰め込むものなのか
わからないままに ただ
薄曇りの 心地よさに
ブランコを 高くこいだ

ギシギシ 軋む音が
空を 切り裂いたら
あの雲の 向こうから
君に 笑ってほしい

2008/04/03 (Thu)

[18] 願い
詩人:ユズル [投票][編集]


手を伸ばしたら 届くんだと思う
それでも 手を伸ばさない
そっちのほうが 重症だって
わかっちゃいるんだけれど

胸をうずまく不安が
ただ雲みたいに 暗い夜に
行くあてもなく 消えた頃
涙が一筋 流れたんだ

誰かの声と 飛び交うボールの中
徐々に泥にまみれていった
胸の奥の悲鳴は かわいいもの
助けてあげたいって 言うなら

深い瞳に見つめられたら
涙は いつしか すくわれていった
不器用に伸ばした手が 君を救えたらいい
そんなことを思いながら

2008/04/06 (Sun)

[19] 君の嘘
詩人:ユズル [投票][編集]


騙すとか汚いとか そんなんじゃない

君のついた 美しい嘘の裏側で

見つけたのは 途方もない優しさ

気付かなくていい それは暖かい

心が洗われたような気がしたんだ

余計な意地とか そんなものは

君の風で 遠い世界に飛ばされた

好きだよ 小さく掠れた声

精一杯 受け止めて


2008/04/06 (Sun)

[20] 新しい空の下
詩人:ユズル [投票][編集]


可愛い嘘と クッキーを持って
あの丘を のぼろうか
季節が おどけてみせた
空だけが 待ってる

水色のくつが 跳びはねて
連れて ゆくのさ
ほろ苦い 甘い きらめき
僕だけが 知ってる

僕の手を握り返す 君は今知る

辿りついたほとりで
ふたりは はじまる
キラキラをまとった
ふたりが はじまる

2008/04/07 (Mon)

[21] nothing
詩人:ユズル [投票][編集]


「綺麗なものが好き」
冷たい雨の中 凍えそうな
途切れた声の 行方を探して
泥だらけになった

遠い君が 求めたもの
切り裂くような 鈍感
ゆっくりなんて 待てないと
それも生き方だと 気付くまで

触れ合うことすら
許されないような
最初から そんな
悲しい 悲しい物語だなんて

ひたすら 追いかけるほど
きっと追いつけない
綺麗には 好きになれないよ
これはそう 還らない夢

2008/04/08 (Tue)

[22] 背中
詩人:ユズル [投票][編集]


たまには 負けることもあるよ
それよりも 健気で綺麗な
君の瞳が 下を向かないように
ここで願っています

君にとっての 生きがいならば
それをずっと見ています
追い続けていて いつか
泣いて笑って 終える日まで

2008/04/09 (Wed)
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