詩人:ユズル | [投票][編集] |
迷いながら 間違いながら
歩いていく
その姿が正しいって ラジオから聴こえる
素敵なメロディ 瞳を閉じて
けれどわたしは きっと正しくない
間違うのが 怖くて
間違わないために いつも迷っている
間違わないように
間違った姿を 人に見られないように
恥ずかしいところを 晒さないように
一歩いっぽが 怖くてこわくて
歩かないことを 選択するんだ
プライドがじゃまをして
私の足を絡め取る
迷いながら 間違いながら
歩いていける強さを
夢見てる
今
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いつも そうだね
溜め込んで いやになって
此処に来る
憂鬱が たとえば
素敵な作品を生み出せるなら ねえ
なにかを 伝えたいんだね
まだ ぼくらは
伝えたくて 表現の海で
もがいてる
自分は ひとに 残りたくないのに
自分のうみだしたものは
残ってほしいって
変なの
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唄や 詩が すきで
すきですきで たまらないのは
人を すきですきだからなのかな
わからないけれど
絵も 声も わたしの胸に
優しく 届く
眩むような 金色も
枯れ果てた 大地も
誰かの 果てしない弱さも
映してきた 両の瞳から
零れ落ちた 宝石
たったひとしずくが
いとおしくて いとおしくて
しまっておきたい音色も
あまりに不器用な 優しさも
かたどってきた その唇が
綿毛を 旅立たせる
いとおしくて いとおしくて
たいせつに
たいせつにしていたい
忘れてしまわれないものは
ないんだとしても
それらは確かに
わたしを創って それは記憶から
とても美しい 蝶のように
飛び立っただけだよ
たいせつなものは
寄り添ってくれている
気付かなくても
わたしも あなたも きっとこんなふうに
感じることをやめないで
歩いて いけるね
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何も成し遂げられないわたしは
何にもなれないまま
たゆたうまま
からっぽの言葉を
歌にして君に投げつけ
わたしは満たされないまま
苦しい夜に 目は冴えていくばかり
こんなはずじゃなかった
わたしはわたしをどう見積もったのか
ばかな人間は見捨てられて
消えるのを待つしかないのか
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泪が流れ出るほど ロマンティックな
この闇に わたしのからだは 溶けてしまう
心の中の光は 実は 闇ととても近い存在で
わたしは 溶けて ひとつになって
哀しいメロディーを 奏でましょう
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ちいさい頃から おくびょうで
はじめの一歩は 重くておもくて
群れているものたちが 恐ろしくて
黒の混ざった藍色の風が吹く今もまだ
瞼を下ろして 幼い日の 宝物を浮かべてる
こころの強さって 生まれたときから
決まっているのかなあ
時計だけが あっというまに
ぐるぐると その速さを増している
金色の雫がある日ふと 降り注ぐ
瞬きをして 涙が あの日の宝物みたいに
宝物みたいに 僕から溢れたんだ
こころの強さは 生まれたときから
決まっていたとしても
いつか出逢えるかなあ
ありふれた やさしい未来
僕だけの しあわせに
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見渡せば 整列した デスクに
難しい仮面を与えられた 人 のようなもの
チクチクしている 世界に 足がすくんだ
時間が 過ぎるのを 息を潜めて
無機質な 灰色の群れの中で 待つ
ひとりひとりは とても 暖かいこと
僕は 知っているから 余計 ばかばかしくなる
どうして 世界は こうなんだろう
僕の瞳が 濁っているだけか
どうして 心から 笑えないんだろう
君の優しさも かき消される
こんな 世界で
荒んでいる と 誰かに 哀れまれようと
荒んでいない 景色が 見当たらない
蜃気楼の向こう 綺麗な国が 隠されている気がした
越えたら そこも 汚い 埃まみれの街さ
どうして 僕は こうなんだろう
世界が 後ろ向きに 廻っているんだ
どうして 心が 冷たいんだろう
君の優しさも 切なさに変わる
こんな 世界で
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どきどきして 眠れないの
小さな瞼が ぱちぱちしてる
それでも夢が むかえにくる
そうして明日 目を覚ましたら
キラキラのお星さまに囲まれて
負けずに 輝いている
眩しくて なんだかとても切ない
枕元に 舞い降りたのは 君が
いい子にしていた 証
僕のもとに 誰もこないのは
悪い子にしていたからさ
幼い日の 夢を見る
暖かくて カレーの匂いがして
すべてが 優しく 綺麗な彩りで
枕元にはもう 涙しかないよ
ぎゅっとしてほしい
もう いない
思い出は 思い出で 抱きしめた まま
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何よりも美しいもの
さやさやと風が草をなびく夕暮れ
橋の下 きらきらと水面を染める朝焼け
黄金の風みたいな 稲穂
心安らかに ありたい
「たいせつなものは 目に見えない」
灰色のビルの中 心の在り処を見失う
そんなわたしに そして君に
優しい景色を 届けたい
向こうの空を 見てごらんよ
薄い桃色 柔らかな紫 天使の羽が浮かぶ
流れる水が 橙に灯って さらさらと
手をつないで 眺めようよ
時間に追われたわたしたちの
たいせつな ささやかな 時間
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穏やかな陽が 黄金の葉を
煌めくしあわせみたいに 照らし
緩やかな風が 旅立つ一枚を
海を越えた手紙みたいに 舞い散らせる
ぎゅ と 踏み締めた 暖かい地は
踵から 爪先から 全身へ
そのままの暖かさを 巡らせた
此処へ 来ることができてよかった
瞳を閉じないでいて よかった
キラキラした 黄金の中で 踊る
いつも重い ブーツが 軽やかな魔法の靴
今だけは この景色の一部になれる
優しい ぬくもりを 思い出したみたい