詩人:雨蛙 | [投票][編集] |
月明かりが薄く
窓越しに射し込み
君の背に
透けるように光る
翼が咲いく
僕と言う足枷を
愛おしいと抱き締める君
羽は傷付き紅く染まって
抜け落ちていく
そんな君を見る
僕の胸も苦しくて
暖かなその腕を
振りほどき深遠の海へと
落ちてしまおう
救いを求めず
絡む絆を断ち切って
光り射さぬ水底の足枷
揺れ軋み横たわる
ただ君の翼が美しく
咲きはばたく夢を見ながら
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闇夜に降り続く
冷たく肌に触れる
一粒一粒の雨に
私は溶けてゆく
雨粒に溶けた深紅は
引力にひかれ
大地に沈む
やがて紅く色付く大地を
高い空から見下ろして
私と言う存在は
星へと還ってゆく
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人を想える喜びを思い出すたび
人を失う悲しみが僕の歩みを鈍くする
人を想える嬉しさが込み上げるたび
人を失う苦しみが最後の一歩を踏み止めてしまう
どうか僕の内の一枚の勇気よ
恐れを堪え懍と咲き起きてください
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紫陽花に光る
昨夜の雨の名残に
梅雨の訪れを感じ
朝靄に混じる
心地よく冷たい霧雨に
移ろう季節を肌で感じる
光や色彩
湿度や温度が
僕と言う小さな個に
世界を与え教えてくれる
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悲しい涙が頬を伝い
僕の心から温もりが
流れ落ちる
緩やかに温度を無くした
心はやがて
無機質な冷たさを放ち
やがて凍りつく
大切な存在を失うのは
どうしてこんなにも
心が痛むのだろう
どうしてこんなにも
苦しいのだろう
今はただ
氷牢に籠もり
雪解けの春を待ち続ける
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歓喜の唄が
楽しそうに
嬉しそうに
涙色の空を泳いでく
弾けた雫が
優しい波紋を
幾つも
幾つも
連ねて描いてく
絶望の叫びが
苦しそうに
淋しそうに
涙色の空に沈んでく
弾けた雫が
悲しい波紋を
幾つも
幾つも
連ねて描いてく
あぁ何時だって
隣り合わせなんだな
歓喜も絶望も
どちらも
大切なモノだから
涙と一緒にやってくる
今日も何処かで
涙色の空を彩り
描いているんだろうな