詩人:雨蛙 | [投票][編集] |
風が唸り木の葉が散る
あの日の僕は
どうしようもなく
寂しくて
誰かを求めずには
居られなかったんだ
月光に煌めく粉雪
あの日の僕の
願いは叶わず
一人きりの僕には
冷たい夜は長すぎて
寂しさに凍え
震える心を
止められなかったんだ
夜風に揺らぐ月影の華
あの日の僕は
泪を零したくなくて
身を切る様な風の中
瞳に揺蕩う月を
ずっと見上げていたんだ
今日もまた
一人で居られず
月明かりに誘われて
夜の世界に歩きだす
詩人:雨蛙 | [投票][編集] |
この世界に降る雨は
苦しむ弱き者を想い
普く神々の流す涙のようで
この世界に降る雪は
悲しみに嘆く者を憂い
普く神々がもたらす癒しのようで
この世界に降る雷は
傲慢に虐げる者に怒り
普く神々の狂える裁きのようで
この世界に降る星光は
静寂に眠る者を誘う
普く神々の掲げる燈のようで
この世界に降る陽光は
この世に生ける全ての者を包む
普く神々の歓喜に奏でる歌のようで
時に激しく
時に優しく
いつも見守るように
そこにある大空が
僕はたまらなく好きなんだ
詩人:雨蛙 | [投票][編集] |
いつからだろう
騒々しい朝に慣れ始めたのは
いつからだろう
憂欝な昼に慣れ始めたのは
いつからだろう
明るい夜に慣れ始めたのは
世界に拒絶されたのか
世界を拒絶したのか
もう今では
感じる事の出来ない
鮮烈な感覚を夢見ながら
何もわからず
ただ彷徨い続ける
詩人:雨蛙 | [投票][編集] |
白い白い霧に眠る世界
町並みは色彩を失ったかの様
力を奪われた太陽は
白々と空に浮かぶ
まるで白夜の世界に迷い込んだ気分
霞む朝に包まれた世界は
静寂に満ちている