詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
夕暮れの帰り道
突然の夕立に打たれながら
キミの手を少しだけ握り締めた
本当に雨が降った後地が固まるのならば
ボクらの築いてきた思いでも
いつかしっかり固まるのかな。。
夕暮れのオレンジ色に照らされて
雨の雫はそっとボクらを包み込み
キミにあげた指輪の代わりに
薬指で小さくきらめいている
恋愛マンガの登場人物のように
キミと彼の成功を祈れるほどできた人間じゃないし
簡単に次の恋を探せるほど器用でもない・・・
それでも一つだけ
僕は君の微笑った顔が大好きで
それは多分これからも変わらないもので・・・。。
いつかこの日を思い出す日が来るとしたら
ずぶ濡れになってはしゃぐ僕らの目には
優しい未来が映っているから。。
君がすきだよ
これまでも そしてこれからも・・・。。
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うっすらとあけ行く夜
ブラインドから差し込む朝日を
少し恨めしそうに見るボクがいる
いつからか繋ぐことが当たり前になった手には
安物の指輪が誇らしげにきらめいている
唇にはまだ少しだけ
君の薫りが残っていて・・・。
初めて唇を重ねた夜。。
なんかこのまま全部消えちゃうんじゃないかって
満たされていけばいくほど 怖かった
それでも確かに君との距離は消えて
重ねた唇は少しだけ
君の涙がしょっぱかった・・・。。
きっと僕らこれから幾つものキス重ねていくけど
この夜を忘れないよ
例え君のこの手を握ることがなくなったとしても
僕は忘れない・・・
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洋服ダンスから引っ張り出す冬服
少し懐かしい匂いと共に
引き出しのずっと奥から出てきたそのジャケットは
去年キミにプレゼントされたものだっけ
クリスマスプレゼントなんて
ガキくさいからいらないって言うおれに
キミは少しムッとした顔で
一年に一度しかない大切な日なんだから
一緒に楽しもうよ
そう言ってくれたね
もうすぐその大切な日が来ようとしているのに
貴方は今何処にいるの??
去年みたいに忘れたようなフリしてて
いきなり現れて驚かせてくれるのかな??
あり得ないと分かっている想像を抱く自分に
少しだけいらだち
去年キミにプレゼントした
香水の香りが残るジャケットに
そっと顔を沈める・・・
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街にちらつく冷たい雪に見とれて足を止めた
手袋越しに伝わってくるキミの手のぬくもりが
少しだけ心にしみた
降り積もる雪はそっと
ボク達の悲しい過去を覆っていくだろう
いつか雪が溶けるその日までには
雪の代わりにあの日を覆う
新しい思い出を作れるようにと・・・
ずっと互いが傷つくことのない恋愛なんて
きっとこの街には存在しなくて
心に降り行く悲しみの雪を
一つずつ覆っていくことで
また歩き出すのだろう
宝の地図を持っていても
自分の位置さえ分からなかったあの日のように
擦り切れた地図をかかえて・・・
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ペンキを塗りたくったような大空に
キミと共に何を描いたのだろう
あの空に浮かぶ綿菓子は
きっと誰かが白い絵の具をこぼしたんだね
きっとあのころのボク達は今日のこの空のように
どこまでもずっと澄み切っていて
いつかこの空が曇る日が来るとは
知らずに笑っていた
晴れの日があれば曇りの日だってある
そのうち雨も降れば雪も降る
だけどきっとボク達だけはずっと
この青空に何かを描き続けられるって
そう思ってたんだ
あれから月日は流れ
ボク達の間には寂しい風が吹き抜けれるけれど
きっとこの空はどこまでも広がり
ずっとボク達を見守っているから
だからきっといつか新しい明日を描こう・・・
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山の奥の静かな温泉に浸かって
キミと語り合ったあの瞬間は
きっといつまでも緩やかに流れ続けるから・・・
あの夜肩を並べて見上げた夜空は
都会じゃ見れないくらいに輝いていて
瞬く星達にそっと
この瞬間の永遠性を願った
あの日キミがボクにくれた言葉は
どうしようもないくらい切なくて、少しやさしくて
あったかいかいお湯と一緒に
ボクの心を包んだ
いつの日かまたあの夜空を見あげる時がくるとして
例え隣にいるのがキミじゃないとしても
ボクはまた願うのだろう
あの日の瞬間だけはずっと緩やかに流れるようにと
夜空をそっと駆けるホウキ星に・・・
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キミとあの時すれ違っていなかったら
もしも鞄の中身をバラまいていなかったら
きっと今ボク達の手は重なっていないだろう
きっとキミを「さん」付けで呼んでいただろう
もしかしたら偶然だったのかも・・・
恋の神様のちょっとしたイタズラだったのかも・・・
だけどボク達はココにいる
手を重ねている
微笑み合っている・・・
きっと偶然なんて言葉じゃ説明つかないくらい
あの時あの瞬間の出会いは不思議で・・・
今更だけど神様に感謝してみる
そうきっと、偶然って言葉だって
時を越えれば運命に変わって
奇跡って言葉だって
ボク達二人なら必然に変えられる
手が触れたなら抱きしめよう
目と目が合ったら口づけよう
いつか
あの出会いは運命だったと言えるように・・・
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いつでも側にいることが当たり前で
芽生え始めた気持ちにも気づかずにいた
昔は素直にただ真っ直ぐに
キミの幸せを願うことができたのに
今はただボクを見てほしいと願う・・・
この気持ちが恋だと気づいたときにはもう
キミは他の誰かに包まれて・・・
ボクはぎこちなく微笑みながらキミの話を聞いている
キミの幸せな顔さえ見ていられれば
それはそう嘘じゃないけれど・・・
こみ上げる切なさに
またそっと頬を濡らす
降りしきる粉雪が海に流れ出すころまでには
少しはこの気持ちも薄れているかな・・・
またキミの幸せを願うことができるかな
キミの隣で微笑んでいられるカナ・・・
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川辺に二人並んで夕涼み
すっかり隠れるのが早くなった夕日が
灰色の雲を黄金色へと変える
まるで二人の間だけは
時間がゆっくりと流れているみたいで
ボクはそっと目を閉じた・・・
あの日の夕日は
今でもまだボクの心に染みこんできて
キミを手放してしまったことの重さを
そっと教えてくれる
ケチなプライドなんて捨てて
キミにすがり付けばよかったのだろうか
カッコつけるのなんて止めて
泣きつけばよかったのだろうか
それでもあの日のボクにはプライド捨てる勇気がなく
結局もっと大きなものを
捨ててしまったね
今頃だけどキミをと出会えてよかった
ほんの少しでもキミと歩けてよかった
今更だけど一つだけ
ほんとに一つだけでも願いが叶うなら
どうかボクをもう振り返らないでほしい
キミの瞳を見つめ返す自信がないから
今キミと話したら抱きしめてしまうから
ボクはまたそっと目を閉じる・・・
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秋の風に誘われて
あたりにはそっとキンモクセイの薫りがたちこめ
その中にふっと
キミの薫りを感じる
キミが愛用していた
あのシャンプーの薫りがするたびに・・・
いっつもつけていた
あの香水が鼻をかすめるたびに・・・
ボクの胸はあの日のように高鳴るのに
急いで振り返ってみてもその先には
ただ知らない誰かが歩き去っていく・・・
きっとあの日の言葉と温もりに嘘はなくて。。
ボクに足りなかったのは
愛する気持ちではなく心を見せる勇気・・・
それでも空を見上げればほら
あの日と同じ満天の星で・・・
守るべきものなんて一つもなかった僕はただあの日
プライドだけ捨てれずにいた。。
眠れないくらいに寂しい夜も
泣きたいくらいに切ない夜も
時を重ねればキット思い出にできるから・・・
だからまたそっと歩き出そう
この先何年もたったある日
街でキミに見られてもハズかしくないように・・・