詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
遠い日は広い河の
岸で悔し泣きしていた
キラキラと憎いほどに
河はまぶしく光ってた
僕はやがて ずるいことを覚える
だけど待とう
濡れたシャツを冷やす風
歌を創れ 歌に還れ
軽い羽を取り戻そう
いま心のon the mark
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・
ふるさとは
鳥が歌い 花が招く
山のきらめき
辛夷(こぶし)咲く
愛と人が向かいあった
妙(たえ)の国
ここに来るのなら
↓
やみに
さぐる
しろい
いとを
こころ
のなか
うずめ
た
あなたに
とどくま
で
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・
大袈裟なほどハンドルを切る
水面に刺さる大粒の雨
いつか見た空 思い出せない
ひとりで探す私の希望
力を分けてくれるなら
たとえ悪でもかまわない
・
・
泣けばよかった 泣けた季節に
まぶしいほどに過去は輝く
切れ端ばかり集めたような
意味のない都会(まち)走り抜けたら
力でねじ伏せてしまえ
名前で呼べるもの すべて
力で滅ぼしてしまえ
言葉にできないものまで
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すこし 窓を開けたらいいね
あの町が見えたなら
もっと 心開いてみよう
優しさに会うために
海沿いの道を走り
トンネルをいくつか抜けて
懐かしいダイヤルで
懐かしい声を聞こうよ
西の風が吹くときは
心はやるから
これ以上無邪気には
なれない
そんな気がする
・
・
そうさ 嘘をやめたらいいね
あの人に会えたなら
そして 大きな声で言おう
“諦めはしないよ”と
季節より早い風と
降りそそぐ星を味方に
憎いほどの自信で
懐かしい肩を抱こうよ
西の風が吹くときは
心はやるから
これ以上素直には
なれない
そんな気がする
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【長崎弁】
アラカブは釣れよんね
こん海はよんにゅ獲るんね
こん海がいつまでん、ないどるごと
祈っとるけん
【標準語・意訳】
カサゴは釣れますか
この海は豊かですか
この海がいつまでも静かなように
祈ります
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どこの誰かもわからない あなた──
眼のぐあいはどうですか?
──とは言うものの 僕はなんの心配もしてません。
だって、僕のお母さんは
85歳にして週刊文春を裸眼で読んで
看護師を驚かせていた人です。
品質保証の角膜です。
その週刊文春は棺に入れました。
大丈夫。
角膜が無いぐらいでは
あの母は字を読むのに困りませんよ。
とにかく、母の角膜をもらってくれて
ありがとうございました。
あなたは何をしていますか?
恋を探しにいきましたか?
本を読んでますか?
スマホばっかり見てるなんてことは、ないでしょうね?
旅行してみませんか?
美しい景色を
人々の暮らしを
見に行きませんか?
もしかすると、旅先で、
僕を見るかもしれませんね。
そのとき、ふいに涙が溢れると思います。
きっと、そうなります。
それくらいは、許してやってください。
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味方なんて自分だけでいいと言う
君のことを否定できるわけはない
僕はまた支えにはなれなくて
自分を責める それだけ
準備は終わったね
明日はもう お別れだね
僕らはそれぞれに夢いだいて
歩きだす
・
・
ひとの痛み背負うほどの優しさが
いつの日にか僕の胸にも宿るだろう
この僕のあどけない強がりを
笑わないでね いまだけ
朝日が昇るとき
始まるんだ 君の未来
僕らはそれぞれに夢いだいて
歩きだす
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記憶なんて頼りなさすぎ
どうして僕は懐かしむのだろう
だって僕は初めて来たんだ
そして君を初めて知ったんだ
日差し浴び 君は目を細める
僕はもう 君しか見たくない
海に生まれ 海に恋して
すべてを学び すべてを超える
まぶしすぎて ためらうせいで
真実なんて 言葉にできるはずがないんだ
きっと
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踊るように光る川は
学生通りを過ぎて
笑い声に照れるように
ときどき波をたてるよ
もうすぐ日差しあふれるだろう
少女が夢見たように
この手のなかで生まれた歌を
晴れた日のために歌う
・
・
星と星の間にある
闇はもう怖くないね
風と土と涙からは
逃げ切ることは無理でも
もうすぐ浄化は終わるだろう
少女が許されるとき
君だけのため作った歌を
晴れた日のために歌う
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時には
安楽椅子で
過ぎた昔を思い起こす
別れた
あの人たちの顔はみんな
微笑み浮かべてる
私はどこまで行くの?
終着駅にはいつ着くの?
つまづき 忘れられても
黙って歩けば近づくの?
輝きを失って
心年ふりて
素直な言葉さえも
疑ってしまう
無明のときがもう
私を閉じ込める
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