ホーム > 詩人の部屋 > 浜崎 智幸の部屋 > 新着順表示

浜崎 智幸の部屋  〜 新着順表示 〜


[120] 【角膜と週刊文春】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


どこの誰かもわからない あなた──

眼のぐあいはどうですか?

──とは言うものの 僕はなんの心配もしてません。

だって、僕のお母さんは
85歳にして週刊文春を裸眼で読んで
看護師を驚かせていた人です。
品質保証の角膜です。
その週刊文春は棺に入れました。

大丈夫。
角膜が無いぐらいでは
あの母は字を読むのに困りませんよ。

とにかく、母の角膜をもらってくれて
ありがとうございました。

あなたは何をしていますか?
恋を探しにいきましたか?
本を読んでますか?
スマホばっかり見てるなんてことは、ないでしょうね?

旅行してみませんか?
美しい景色を
人々の暮らしを
見に行きませんか?

もしかすると、旅先で、
僕を見るかもしれませんね。

そのとき、ふいに涙が溢れると思います。
きっと、そうなります。

それくらいは、許してやってください。
─────
─────

2024/12/21 (Sat)

[119] 【朝日が昇るとき】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



味方なんて自分だけでいいと言う
君のことを否定できるわけはない

僕はまた支えにはなれなくて
自分を責める それだけ

準備は終わったね
明日はもう お別れだね

僕らはそれぞれに夢いだいて
歩きだす


ひとの痛み背負うほどの優しさが
いつの日にか僕の胸にも宿るだろう

この僕のあどけない強がりを
笑わないでね いまだけ

朝日が昇るとき
始まるんだ 君の未来

僕らはそれぞれに夢いだいて
歩きだす

─────
─────

2024/12/03 (Tue)

[118] 【海に生きる少女】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



記憶なんて頼りなさすぎ
どうして僕は懐かしむのだろう

だって僕は初めて来たんだ
そして君を初めて知ったんだ

日差し浴び 君は目を細める
僕はもう 君しか見たくない

海に生まれ 海に恋して
すべてを学び すべてを超える

まぶしすぎて ためらうせいで
真実なんて 言葉にできるはずがないんだ
 
きっと

──────
──────

2024/11/20 (Wed)

[117] 【晴れた日のために】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



踊るように光る川は
学生通りを過ぎて
笑い声に照れるように
ときどき波をたてるよ

もうすぐ日差しあふれるだろう
少女が夢見たように

この手のなかで生まれた歌を
晴れた日のために歌う


星と星の間にある
闇はもう怖くないね
風と土と涙からは
逃げ切ることは無理でも

もうすぐ浄化は終わるだろう
少女が許されるとき

君だけのため作った歌を
晴れた日のために歌う

──────
──────

2024/11/11 (Mon)

[116] 【無明】むみょう
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



時には
安楽椅子で
過ぎた昔を思い起こす

別れた
あの人たちの顔はみんな
微笑み浮かべてる

私はどこまで行くの?
終着駅にはいつ着くの?
つまづき 忘れられても
黙って歩けば近づくの?

輝きを失って
心年ふりて
素直な言葉さえも
疑ってしまう

無明のときがもう
私を閉じ込める

────────
────────

2024/11/08 (Fri)

[115] 【若葉の頃には】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



雨もよいの日に
待っていてほしい
大きな画集を持ち
黄色い服で会いにいく

若葉の頃には
思い出せるでしょう
幸せに囲まれて
どうして人が泣くのかを

嘘を操るの
すでにやめました

わたしのことが気になるなら
手紙をください

──────
──────

2024/11/07 (Thu)

[114] 【古い映画のように】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]




古い映画のように色が戻る
時間がたつとともに胸が痛む
もっと遠くにいたい
──おねがい

遠くの光が怖い
舞いたつ破片(きらら)のように
何度も瞬くせいで
見返す勇気を減らす


今も心に残る辛い昨日
私みたいな人を抱いたあなた
夏の終わりに決めた
──さよなら

学生通りをゆるく
行き交う人々たちは
みんなが笑顔をつくり
孤独を追い越していく

──────
────── 

2024/11/06 (Wed)

[113] 【とも子さんが歌ってくれた子守唄】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]




疲れはてた溜め息でもいいから
伝えられるものはすべて
わたしの背中に預けて

そしりも 涙も わたしに返して
あなたの大事な彼女(ひと)が泣くまえに
あなたはきっと優しすぎるから

──おやすみ おやすみ 
わたしは
──おやすみ おやすみ 
さびしさも
愛してゆける

──────
──────

2024/10/29 (Tue)

[112] 【星の降る里】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



星の降る里で君に伝えたい

遠く遠い声をついばむ鳥になり

君が好きですとそっと囁こう

細く細く誰も聞き取れないように

帰りたい 帰りたい 星の降る里へ
帰りたい 帰りたい 星のふるさとへ


寒い星空は思い出させます

むかし死んだ人を優しきあの人を

君の優しさと愛のせつなさと

辛く辛いときも星を忘れるなと

帰りたい 帰りたい 星の降る里へ
帰りたい 帰りたい 星のふるさとへ

─────
─────

2024/10/07 (Mon)

[111] 【若い樹】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


思い出はいつも
優しい陽だまり
色褪せた夢さえも輝くわ

綺麗じゃないよね
仕方がないよね
ぎこちないけど諦められない

あなたが望むならば
この樹は繁り

きららきらら 光りだす
梢まで


いつかは見つける
私のしあわせ
意外なほどに近くにあるはず

あなたが笑えば
世界がうなずく
あっけないほどピースが埋まる

あなたが祈るならば
この樹は稔(みの)り

さららさらら 歌いだす
不思議だね
───────────
───────────

2024/10/19 (Sat)
120件中 (11-20) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 12
- 詩人の部屋 -