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浜崎 智幸の部屋  〜 新着順表示 〜


[108] 【恵美の舗道】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


君の素肌の温もりを
感じていた頃は

幸せという言葉さえ
素直に言えたのに

恵美の舗道に
また春がめぐるとき

僕は図書館の
白い座席に帰ろう

そこから街を見下ろして
小説を読み返そう


八月は悲しみの月
繰り返される過失

君とよく似た女性を
愛してしまう気候

去年と同じみたいでも
花も人も違う   ※

丘へと風が集まって
僕を牽制する

恵美の舗道が
秋の気配運ぶころ

僕は文学の翼を
試してみよう

羽の裏の白さを見せ ※※  
小説を書き直そう

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─────
※年年歳歳、花相似たり
歳歳年年、人同じからず 

※※【習】という漢字は、鳥が羽の裏の白を見せて、飛び立つ練習をすることを表す。余談だが、鳥も飛行機も向かい風に飛び立つ。 
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第2連、つまり2番のほうが長いという珍しい歌詞になりました。
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2024/09/16 (Mon)

[107] 【昼の月】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



気をつけて 逃げ水の恋です
夏がまぶしいから
見えるはずのものが見えないのに
気づかない

目を開けて 私だけを見てて
昼の月のように
光なくしてから 見えてくるものも
あるわ

もう傷つくこと 悲しむこと
何もない 悔やまないで

昼と夜が呼び交わすとき
今の恋が本物になる


よく聞いて 少し不安だから
夏が褪せるまえに
つかみかけた夢を
五線に残しておいて

そばだてて その耳を鋭く
若い恋はpiano
虫の羽音に似て 頼りない和音
だから

もう気遣うこと ためらうこと
何もない 悔やまないで

空へ人が呼びかけるとき
今の恋が真実になる

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2024/09/10 (Tue)

[106] 【君の空】
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雲の動きを目で追うように
あなたの背に届くように
祈りをこめる

痛みにくらみ 目を細め
君の空を見上げている
自由を賭けた跳躍を
やめないように

今日の思いを忘れないから
僕はずっと幸せです
とんな冬でも


氷のような余韻を残し
すれ違った刹那の恋を
悔やまないけど

はじけた胸と 閉じた目で
君の空を見上げている
まぶたを刺して慰める
光の中で

今日の契りを刻みつけたら
善も悪もまじめに暮らす
ここに帰ろう

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────────
ひとつだけ間違いないこと。
あの人が、この空の下にいるということ。
あの頃もそうだったのに。
もっと近かったのに。

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2024/09/06 (Fri)

[105] 【だれかが口笛ふいた】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



──だれかが口笛ふいた
──夏草の小道で
──だれかが口笛ふいた
──さわやかな朝に

待ちかねた青空に
君の笑顔映えれば
僕はもう躊躇わず
君の味方になれる

輝くほど 燦めくほど
悲しみだけ 薄れるように


懐かしい風が吹く
こんな淡い午後には
君に宛てた手紙に
ほんとのことが書ける

誠実さが ただ一つの
君を選ぶ 理由(わけ)であると
──────
──────
小学生高学年の教科書に載っていたフランス民謡「誰かが口笛吹いた」。

自分の作詞作曲の原点となった曲である。

爽やかな歌詞と新鮮な転調。新しい扉が開いた。

冒頭16小節は原曲のままで、それ以降は私の作曲である。

「君」は中学校の制服を着て、柔らかい光に溶けそうになりながら、そこに立っている。
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2024/09/02 (Mon)

[104] 【小夜曲2】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



夏の夜は水も冴え
叶わぬ恋を慰める
浅い眠り誘う楽(がく)の声

偽りの言葉 すでに無く
この胸の痛み 懐かしく
我もまた ひとつ あかり点す


心騒ぐことは熄(や)み
億万の目が閉ざされる
寄せて返し 時は滞る

渇仰(かつごう)のくびき すでに無く
素足の天使が舞い降りて
浄められた窓 そっと叩く

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2024/08/29 (Thu)

[103] 【銀の鈴】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



銀の鈴を拾いました
名も知らぬ花の陰で

それは二度と帰ってこぬ
夏の恋の夢でした

好きと言えないままに
散り急ぐ野の花よ
恋が終わったならば
次の恋待ちわびよ

銀の鈴を拾いました
捨てられた口紅(べに)のそばで

それが美しいなら
私でも涙する
蛍 身を焦がすほど
文殻をもてあます夜

銀の鈴を拾いました
捨てられた櫛のそばで
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2024/08/27 (Tue)

[102] 【醍醐】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



ああ わたしの好みの光
そして 響き

ああ 小さな窓にも届く
朝の希望

そこまで来た夏は
愛のように甘い

そこまで来た夏は
愛のように甘い

さあ 踊ろう 夢のなか
さあ 笑おう 今すぐに

ああ 君はスジャータですか
もうここは天上ですか


指を弾くだけで
世界中に響く

呼吸を聴くだけで
こころ全てわかる

菩提樹の枝には
迦陵頻伽(かりょうびんが)遊ぶ

菩提樹の枝には
迦陵頻伽遊ぶ

さあ 脱けよう サンサーラ(輪廻)
さあ 目指そう ニルヴァーナ(涅槃)

ああ これはサルピスですか
もうここは天上ですか

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サルピス・・・仏教でいう熟酥味(じゅくそみ、ヨーグルト味でいいかな?)。カルシウムを強化したら、カルピス。
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2024/08/24 (Sat)

[101] 【帽振れ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



不可解な色彩の渦で
あなたが見えない
甘やかな迷宮

人知れず 胸を焦がす恋
「蜜」と呼べる「罪」は
あなたの髪に触れたこと

花吹雪を肩に浴びて
笑い声をあげよう

祝う声にかき消される
僕の言葉
僕の指令──帽振れ!


不合理な満足の日々の
それなりの魅力
ときめく帰り道

君知るや 色褪せない愛
翼のある心
一途に走るこの思い

月の雫 両手に受け
君の町を目指そう

響きわたれ 響き交わせ
僕の言葉
君の合図──帽振れ!

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────────
第一連では、あなた。第二連では、君。
つまり、距離感ですね。
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2024/08/23 (Fri)

[100] 【笑顔のままで】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



夜明けから日暮れまで
鳥が空にいるように
僕は君のことだけ
考えることにしてる

10時から6時まで
夢を見続けるように
僕は君のことだけ
考えることにしてる

実りのときが近づいたのは
君の笑顔でわかるよ
空と話すこともできるよ
信じていなくても

ここで
みどりを育ててくれますか
笑顔のままで
みどりを護ってくれますか
みどりのままで


珍しい蝶よりも
季節の草でありたい
僕は無理をしないで
君のために歌いたい

背伸びするぐらいなら
誰も愛さずにいたい
僕は無理をしないで
君のために歌いたい

もっと深いよ もっと強いよ
君の笑顔の約束
人が人に立ち返れるよ
意識してなくても

ずっと
みどりを助けてくれますか
笑顔のままで
緑を愛してくれますか
みどりのままで

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2024/08/22 (Thu)

[99] 【恒星の記録】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



帰らない時なら
私はいらない
死んだ記憶なら

帰れ恋人なら
淋しい私に
声を分けてくれ
昔のように

選ばないで
私はかなり希薄

飾らないで
あなたはきっと微弱

東雲(しののめ)の時まで
起きて 観てるから

星たちの空を記録してほしい


慈悲深い心で
門を叩くなら
閂(かんぬき)をはずし

裸身を温める
恋人を迎え
差別(しゃべつ)に親しむ
悲しみの部屋

咎(とが)めないで
私はかなり希薄

阿(おも)ねないで
あなたはきっと微弱

暁のときまで
正気でいるから

星たちの空を記録してほしい
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──────
差別(仏教用語)・・・あらゆるものがあるがままに存在し、その価値を認めあっている状態。
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2024/08/19 (Mon)
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