詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
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夜のなかに生まれ 朝のなかに育つ
愛は空へ走る青い羽の鳥
闇のなかで見えず 君以外は見えず
月の示唆するまま流れに染まりて
ゆらゆら ゆらゆら
漂い 歌うよ 気のむくまま
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生まれたばかりの愛 君の前で光れよ
笑い声をたてよう 妖精たちのように
泉へ いつか行こうよ
静かな瞳がほしい
透明な宝石を 森の奥に探そう
軌道それた惑星 森の奥に探そう
泉が 今日も呼んでる
涼しい瞳がほしい
女神たちの沐浴(もくよく) 僕は見てしまったよ
それで殺されるなら それも仕方ないこと
泉が 夕陽を抱くよ
寂しい瞳がほしい
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…
木炭バスと言われても、想像もつかない。
ただ、故障が多かったとか。
それでも、その日の故障は最悪だった。
長崎市の北の入り口、打坂。馬を鞭で打たないと登らない坂という意味らしい。またの名を地獄坂。曲がりくねった道、片側は崖。現在では想像もつかないが、当時の地形図はまさにそうなっている。
そこで故障。
ハンドルもブレーキも効かない、最悪の事態。
バスはずるずると崖に向かって後退していく……。
若い車掌が飛び降りた。
近くの石をタイヤに噛ませ、輪止めとするが、三十余の乗客の重みのかかった車体には効果がなかった。
ずるずると、ずるずると、崖へ。
しかし、奇跡は起きた。
何かに乗り上げてバスは止まった。
……もう、想像はつくのではないだろうか。降り立った乗客や運転手が見たものを。
横たわった車掌の体と、それに乗り上げたタイヤ……。
▽
「息はある!」
自転車の急報を受けた麓の営業所の職員は、軽トラックで現場に戻り、彼を荷台に載せた。
炎天下。荒い息は徐々に弱くなっていく。
……結局、助からなかった。
この勇敢な車掌の名は、鬼塚道男さん。享年、二十一。
これだけの出来事なのに、長く人々の記憶から消えていた。
それが一番 信じられない。
現場に地蔵尊が祀られ、顕彰碑が建ったのも、事故から時を経てからだった。
語る義務があるのではないか? 知った者には。
騙りがあってもいいのではないか? 顕彰の目的ならば。
SNSは、その手段となりえないか?
何度でも、語る。間違いを恐れずに、語る。
涙にぼやける液晶画面に、すべてを託す。
今日も地蔵尊は、安全と生活を見守っている。
生者が怠惰ではいられない。
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──洗髪──
めを
とじているんだよ
つよく
なみだをこらえるときのように
まだ
とじているんだよ
きっと
じぶんをにくんだときのように
もう
めをあけていいよ
せかいは
おまえのものだから
ね
(点字による原文)
──せん°はつ──
めを
と゛しているん゛たよ
つよく
なみ゛たを こらえる ときのよーに
ま゛た
と゛しているん゛たよ
きっと
゛し゛ふんを にくん゛た ときのよーに
もー
めをあけていーよ
せかいわ
おまえのもの゛たから
ね
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粉々に砕いたら白くなる
澄んだ石英
物陰で泣いていたあの人の
涙にも似て
──愛する人はどこにいる?
──愛は形がない気体(期待)?
ふりそそぐ白い粉
▽
いつの日かあの人を思い出し
泣く冬がくる
大切なあの人の名前さえ
忘れる頃に
──終わらね愛はどこにある?
──とても優しい人の手に?
ふりかかる白い粉
★★★★★★
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そのたなごころに氷のかけらを載せて
水に戻るまで見つめている君よ
歩いていこう 死にたいときほど
会えたのに別れ 恋した人もいまは別々の町
生まれたときから人は平等じゃない
報われぬ明日は何度でも来るのに
切歯扼腕(せっしやくわん)するしかないけど
信じても別れ 許した人もいまは別々の恋
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地に至る星たちが
小さな声で人を呼ぶ
気まぐれな旅に出る
悲しい人に会いにいく
When I dream,I see you.
星になれ
Let me scream,Make it true.
蜜になれ
始まりは誰だって
無垢の裸で会えたのに
泣き顔が似合う人
いまの私はそんな人
When I dream,I see you.
星になれ
Let me scream,Make it true.
蜜になれ
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みどり ほとばしれ
みどり もえあがれ
すべての遺伝子とまじわれ
みどり はねまわれ
みどり ふきあれろ
あやまちの螺旋をほふれ
愛に変われ
えいえんのじかんをつらぬけ
てんきゅうのくうかんをみたせ
さいぼうのはたらきをすべよ
みらいのえいちのたねとなれ
みどり とびはねろ
みどり ふきあれろ
歴史の暗黒を
愛で満たせ
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思い出に溶けてゆく冬の坂の道
磨かれた鏡のよう──見透かされる
黙りこんだ友の横顔をまだ覚えてる
野の花に頼みましょう──春のいそぎ
命、かがやけ!
命、はばたけ!
この心の花に
祈り、こもれ!
砕かれながら
乱反射できるならば
いつまでも世界を
好きでいられる
命、はびこれ!
命、のさばれ!
この心の花を
ひかり、みたせ!
終わりのときに
小さな拍手があれば
いつの日か世界を
愛しく思える
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命の花プロジェクト……青森県の高校生が始めた、動物の殺処分ゼロを目指す活動です。このプロジェクトが一日も早く過去のものとなることを祈っています。
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薫風(くんぷう)は森を抜けて
海に帰っていった
おのおのの家の窓に
愛が湯気をたてる
──届け歌声
この挨拶
──ありがとう
また この挨拶
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▽
炯眼(けいがん)の人の胸に
瑤洛(ようらく)の音を聞き
慈悲深い人の右手(みて)に
宝珠(ほうじゅ)輝くを見る
──届け歌声
この挨拶
──ありがとう
また この挨拶
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※瑤珞……ネックレス