詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
雨もよいの日に
待っていてほしい
大きな画集を持ち
黄色い服で会いにいく
若葉の頃には
思い出せるでしょう
幸せに囲まれて
どうして人が泣くのかを
嘘を操るの
すでにやめました
わたしのことが気になるなら
手紙をください
──────
──────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
古い映画のように色が戻る
時間がたつとともに胸が痛む
もっと遠くにいたい
──おねがい
遠くの光が怖い
舞いたつ破片(きらら)のように
何度も瞬くせいで
見返す勇気を減らす
・
・
今も心に残る辛い昨日
私みたいな人を抱いたあなた
夏の終わりに決めた
──さよなら
学生通りをゆるく
行き交う人々たちは
みんなが笑顔をつくり
孤独を追い越していく
──────
──────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
疲れはてた溜め息でもいいから
伝えられるものはすべて
わたしの背中に預けて
そしりも 涙も わたしに返して
あなたの大事な彼女(ひと)が泣くまえに
あなたはきっと優しすぎるから
──おやすみ おやすみ
わたしは
──おやすみ おやすみ
さびしさも
愛してゆける
──────
──────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
星の降る里で君に伝えたい
遠く遠い声をついばむ鳥になり
君が好きですとそっと囁こう
細く細く誰も聞き取れないように
帰りたい 帰りたい 星の降る里へ
帰りたい 帰りたい 星のふるさとへ
・
・
寒い星空は思い出させます
むかし死んだ人を優しきあの人を
君の優しさと愛のせつなさと
辛く辛いときも星を忘れるなと
帰りたい 帰りたい 星の降る里へ
帰りたい 帰りたい 星のふるさとへ
─────
─────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
思い出はいつも
優しい陽だまり
色褪せた夢さえも輝くわ
綺麗じゃないよね
仕方がないよね
ぎこちないけど諦められない
あなたが望むならば
この樹は繁り
きららきらら 光りだす
梢まで
・
・
いつかは見つける
私のしあわせ
意外なほどに近くにあるはず
あなたが笑えば
世界がうなずく
あっけないほどピースが埋まる
あなたが祈るならば
この樹は稔(みの)り
さららさらら 歌いだす
不思議だね
───────────
───────────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
手探りだけの闇のなかで
あなたのてのひら
出会えました
行き先のない船でもいい
あなたのぬくもり
すがりつきます
Namaste Namaste
あなたを信じる
明けない夜はないと
あなたは言った
・
・
自分のために祈るならば
なにも得られぬと
あなたは笑う
許し許され 心を交わし
すべてのしあわせ
求めなさいと
Namaste Namaste
あなたに従う
やまない雨はないと
みんな知ってる
───────────
───────────
あなた=大日如来
───────────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
夜を忍んで逢いたい
恨みを越え逢いたい
死者と生者の定めは
交われない悲しみ
我の名は忘れてしまえ
ひとり咲け そして枯れゆけ
桔梗よ
魂は癒されることなし
逢いたくても逢えないなら
独り寝のこの夜
明けるな
・
・
弓を絞れど虚しい
命はもう戻らず
嘆く鴉(からす)は吾が友
もうよい とく帰れよ
ひとの心移るときを
見抜くなら 吾に教えよ
桔梗よ
魂は満たされることなし
時と時が重なるなら
吾が身に罪あるも
責めるな
─────
─────
桔梗・・・高橋留美子原作「犬夜叉」に登場する悲劇のヒロイン。退魔の弓使いの巫女。
つまり、これはキャラソンである。
──────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
君の素肌の温もりを
感じていた頃は
幸せという言葉さえ
素直に言えたのに
恵美の舗道に
また春がめぐるとき
僕は図書館の
白い座席に帰ろう
そこから街を見下ろして
小説を読み返そう
・
・
八月は悲しみの月
繰り返される過失
君とよく似た女性を
愛してしまう気候
去年と同じみたいでも
花も人も違う ※
丘へと風が集まって
僕を牽制する
恵美の舗道が
秋の気配運ぶころ
僕は文学の翼を
試してみよう
羽の裏の白さを見せ ※※
小説を書き直そう
─────
─────
※年年歳歳、花相似たり
歳歳年年、人同じからず
※※【習】という漢字は、鳥が羽の裏の白を見せて、飛び立つ練習をすることを表す。余談だが、鳥も飛行機も向かい風に飛び立つ。
─────
第2連、つまり2番のほうが長いという珍しい歌詞になりました。
─────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
気をつけて 逃げ水の恋です
夏がまぶしいから
見えるはずのものが見えないのに
気づかない
目を開けて 私だけを見てて
昼の月のように
光なくしてから 見えてくるものも
あるわ
もう傷つくこと 悲しむこと
何もない 悔やまないで
昼と夜が呼び交わすとき
今の恋が本物になる
・
・
よく聞いて 少し不安だから
夏が褪せるまえに
つかみかけた夢を
五線に残しておいて
そばだてて その耳を鋭く
若い恋はpiano
虫の羽音に似て 頼りない和音
だから
もう気遣うこと ためらうこと
何もない 悔やまないで
空へ人が呼びかけるとき
今の恋が真実になる
─────
─────
詩人:浜崎 智幸 | [投票][編集] |
・
雲の動きを目で追うように
あなたの背に届くように
祈りをこめる
痛みにくらみ 目を細め
君の空を見上げている
自由を賭けた跳躍を
やめないように
今日の思いを忘れないから
僕はずっと幸せです
とんな冬でも
・
・
氷のような余韻を残し
すれ違った刹那の恋を
悔やまないけど
はじけた胸と 閉じた目で
君の空を見上げている
まぶたを刺して慰める
光の中で
今日の契りを刻みつけたら
善も悪もまじめに暮らす
ここに帰ろう
────────
────────
ひとつだけ間違いないこと。
あの人が、この空の下にいるということ。
あの頃もそうだったのに。
もっと近かったのに。
─────