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浜崎 智幸の部屋  〜 新着順表示 〜


[68] 【ユウレカ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


どこかに
私を望まない人がいるなら
すべての愛を(無)にする冷たい視線を浴びたい

どこかに
私を許さない人がいるなら
言葉の刃物をみがいてむごく殺してかまわない

独りよがりの道徳
哲学のない疑惑

寒い心の裂け目に
罪が細くにじむ夜へと向かう──輪廻


こころを
閉ざして見えてくるものがあるなら
阿吽(あうん)の呼吸をはずしてユングの海で溺れたい

邪悪が
土星の力を得たというのなら
レーキを投げろ
農夫たち
愚者の咎めを気にするな

芸術を楽しむには人は黒くなりすぎた
言葉が通じたうちに蝋燭(ろうそく)を点すべきだった

ユウレカ! ユウレカ!

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2023/08/08 (Tue)

[67] 【夢の流れ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



いくつも
橋を過ぎ

小川は
町に出る

夢みてた人は──
今も夢のなか

かすむ笑顔のように
今も夢のなか


別れは
華やいで

小さな
家のそば

聞こえればいいね
さよならの声が

夢の流れはやがて
深い海になる


たくさん
人が死に

たくさん
川になる──

出会えたよろこび
なくしたしあわせ

すべてこの川のなか
すべて流れてる
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*この川の名は若菜川。河口は長崎市の茂木(もぎ)地区です。

2023/08/07 (Mon)

[66] ララバイ(死に至る病)
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夜が明ける 夜が明ける

さあ目覚めなさい
さあ目覚めなさい

話しなさい 話しなさい

今見てた夢をささやくように

涙の形の小さな雲が
夜明けの空に消え入るまえに


悔やみなさい 悔やみなさい

死んだ人たちを
思い煩って

信じなさい 信じなさい

疑うことより やさしいはずよ

泣いた日もあるし
泣く日もくるし

それでもあなたは
止まれないから

死に至る病
何度もかかる

それでもあなたは
止まれないから
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2023/07/27 (Thu)

[65] 【鏡】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


恋の一つや二つなど
とるにたりないことだけど

世界はまだ暗く──君の愛撫を待っていた

夜明けの不思議な光が君の輪郭をなぞれば

歴史は武器となり──君の正義を押し付けた

肩に
髪に
腕に
胸に

ふりつもれよ微粉末

僕の敵は僕が倒す──安心して

君が守る君の世界
理想は現実の鏡


主題もなしに小説を
書いた人たちが増えすぎ

世界は甘くなり──君の殴打を待っている

8分19秒 光が旅するあいだに

遺伝の拡散(核酸)は──君の嘔吐をうながした

膝に
腰に
尻に
臍に

ふりかかれよ深層水

君の敵は神が殺す──むごたらしく

僕は阻む僕の世界
理想は現実の鏡

指に
爪に
眉に
舌に

ふりしきれよ真菌類

神の敵の名前は神──間違いなく

僕は妬む君の世界
理想は現実の鏡
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※太陽光が地球に届くまでが8分19秒です。

2023/06/28 (Wed)

[64] 信じているよ
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


今も忘れない
爽やかな憧れ

僕の好きだった
伸びやかな光

友達のままで
違う町にいる

いつか会えるかな
晴れた朝の庭で

僕の記憶は
色褪せないよ

信じているよ
君は変わらないと
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2023/06/02 (Fri)

[63] まどろみ
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


甘やかな眠り つかの間の憩い

幼い頃まで 時間を戻そう

なお善き言葉を
疑いもせず

信じて笑った
私はどこに?

いまの私は罪人(つみびと)?

★★★★

2023/04/26 (Wed)

[62] 辰砂(しんしゃ)
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


風になるよりあなたは速く

みどりの風のなかに駆け出す

ラララ不思議な風景が僕の前に広がる

大きな樹木の下に立って

空に手紙を書いてるあなた

ラララ恋かもしれないね
恋ならいいのにね
美しい辰砂たち

だから
愛してる
だから
愛してる

あなただけが意味を持つのだ

だから
夢みてる
だから
夢みてる

あなただけに日々は微笑む

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2023/02/27 (Mon)

[61] 国東半島
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


石に刻んだみ仏は

いつも静かに笑ってる

時は無慈悲な鑢(やすり)です

知らず知らずに削ります

誰のせいでもないし
誰を恨むでもないけれど

人よ覚えていてほしい

こんな小さな祈りだけれど

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2023/02/19 (Sun)

[60] 今ふるさとでは
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


今ふるさとでは
夏の日射し浴びて

人々が歩き
挨拶を交わしてる 

昔の仲間たちは
それぞれの町に帰り

なつかしい歌と
ざわめきを愛してる

晴れた午後には退屈なほうがいい

東向きの部屋で
ごろりと横になる

さあ思いきって
雄渾にペンをふるえ

空に手紙書こう

今ならば届くから

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2023/02/17 (Fri)

[59] 見えない夜景
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


秋の夜更けは数多(あまた)の流星

吐く息白く闇に躍った

いつもあなたは夕刊越しに

見えないはずの夜景を見ていた

遠い町の空港では定刻に発つ飛行機が

赤 緑 きらめかせて

自由な町を目指してる
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※旅客機の主翼の両端には赤と緑のライトが光ります。(翼端灯)
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2023/02/17 (Fri)
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