詩人:和泉 | [投票][編集] |
屋根と屋根の間
紅く染めた顔が見え隠れ
生温い風は
あたしを連れて行ってはくれない
地べたに張り付いた足がやけに痛む
紅く染まった顔が
黒い闇に引きづり込まれた
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笑顔の仮面で
本当の“顔”を隠す
仮面越しに見る世界は仮面ばかりが漂う
皆で仮面の奪い合い
相手の本性を暴こうと
仮面を剥がす
私の仮面も
もう失いかけている
詩人:和泉 | [投票][編集] |
果てしなく続く地平線
喉が潰れるほど叫んでも
目眩がするほど叫んでも
“声”は
返ってこない
あの人や
この人や
その人の
間に出来た
大きな
大きな壁は
私の“声”を遮る
己の“声”だけが
虚しく響く
どうせなら
一人で叫んでいるほうがよかった?
詩人:和泉 | [投票][編集] |
絡まった糸をほどくのは困難で
小さな穴からは
何も見えない
針山に
ぽつんと一本
掛け違えたのは
ボタンが真っ直ぐについていなかったから
ほつれた裾は
元には戻せない
絡まった糸は
更に絡まる
どこで
間違えたのだろう
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ここにいるよ と
主張する微かな太陽の光
重たい壁で閉ざされた
天 と 地
繋がりたくて降る雨さえ
私は掴むことができなくて
今日は雨と天気予報は告げていたのに
まだ私のところには
天と地を繋ぐロープが降りてこない