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和泉の部屋  〜 投稿順表示 〜


[1] 夕闇
詩人:和泉 [投票][編集]

屋根と屋根の間
紅く染めた顔が見え隠れ

生温い風は
あたしを連れて行ってはくれない


地べたに張り付いた足がやけに痛む




紅く染まった顔が
黒い闇に引きづり込まれた

2006/06/17 (Sat)

[2] サイレント
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叫んだ言葉は空を切り

跳ね返って
あたしの喉に戻る

飲み込んでも
噛み砕いても



その“言葉”は“破片”となって

あたしの喉を傷付ける

2006/06/17 (Sat)

[3] 糸電話
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途絶えた繋がり
途切れた細い糸

糸のない電話なんて無意味

糸を繋げるのにも
私は無器用で


受話器に耳を当てても
何の音もしない

2006/06/18 (Sun)

[4] 仮面武闘壊
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笑顔の仮面で
本当の“顔”を隠す

仮面越しに見る世界は仮面ばかりが漂う


皆で仮面の奪い合い


相手の本性を暴こうと
仮面を剥がす



私の仮面も
もう失いかけている


2006/06/18 (Sun)

[5] 天秤
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人と比べた幸せなんて欲しくない

どこから幸福で
なにから不幸なのか



それさえ分からず
何が幸せだというの


2006/06/18 (Sun)

[6] 檻之中
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檻の鍵を壊す“力”だって“可能性”だってある


足りないのは
“勇気”

満たすのは
“恐怖”



慣れた檻から
“外”に出ることに躊躇う

2006/06/18 (Sun)

[7] ボイス
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果てしなく続く地平線

喉が潰れるほど叫んでも
目眩がするほど叫んでも

“声”は
返ってこない


あの人や
この人や
その人の

間に出来た
大きな
大きな壁は

私の“声”を遮る


己の“声”だけが
虚しく響く




どうせなら
一人で叫んでいるほうがよかった?

2006/06/19 (Mon)

[8] 裁縫箱
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絡まった糸をほどくのは困難で
小さな穴からは
何も見えない
針山に
ぽつんと一本

掛け違えたのは
ボタンが真っ直ぐについていなかったから

ほつれた裾は
元には戻せない


絡まった糸は
更に絡まる




どこで
間違えたのだろう


2006/06/19 (Mon)

[10] 恋愛小説
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閉じた本は
寂し気に私を見ていた
背表紙が泣いている


挟みかけのしおり
読みかけのストーリー



本当は
この物語の結末を知っている

2006/06/21 (Wed)

[11] レイン
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ここにいるよ と
主張する微かな太陽の光

重たい壁で閉ざされた
天 と 地


繋がりたくて降る雨さえ
私は掴むことができなくて




今日は雨と天気予報は告げていたのに


まだ私のところには
天と地を繋ぐロープが降りてこない


2006/06/21 (Wed)
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