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和泉の部屋  〜 投稿順表示 〜


[85] かさぶた
詩人:和泉 [投票][編集]

風化を求めたのでなく
ただただ永遠を願っただけ

永遠はない
延々と泣く
未知に溢れ
満ち足りず


風化を求めたのでない
ただ永遠という言葉の意味を知っただけ

2006/10/20 (Fri)

[86] 
詩人:和泉 [投票][編集]

赤の点滅は
危険のシンボル
その怪しげな光の中の虫は


危険の蜜を欲したのか
赤に捕われたのか

2006/10/21 (Sat)

[88] 
詩人:和泉 [投票][編集]

出口がない
なら入口もない

そんな迷路
ありえない


その未知に足を踏み入れたなら
出口は何処かで待っている

2006/10/24 (Tue)

[89] 
詩人:和泉 [投票][編集]

封筒から
ぱらぱらと
言葉が降る

それらは
港に辿り着けずに
舟の上


きらきらと
希望を反射させる水面に
言葉を泳がせよう

船上よりも
戦場よりも

風上を漂うほうがいい

2006/10/29 (Sun)

[90] 
詩人:和泉 [投票][編集]

秒の積み重ね
時には罪重ね

時間(とき)に比例した心音

一秒は知れるのに
一生を知るには遥かな道程


秒針さえ
鼓動に聞こえる

2006/10/29 (Sun)

[91] 
詩人:和泉 [投票][編集]

声を静かにノートに滑らせよう

まるで眠っていた水面に
波紋を広げるように


静かでもあり激しくでもある言葉を書き綴ろう

時計の針が何万回 旅をした頃か
古い時計がやっと止まった頃か

そうしたなら
時空移動したノートと再会しよう

2006/10/31 (Tue)

[93] メモル
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一瞬でいい



このフィルム
“存在”残したい

2006/11/07 (Tue)

[95] 旋回
詩人:和泉 [投票][編集]

星が流れた
しかし地に墜ちることはなかった

真昼の月に出会った
ひどく寂し気だった

白い太陽が笑った
その声に影が答えた

風が泣いた
一緒に連れさらわれた

雷が叫んだ
街は黙り込んだ

空が落ち込んだ
雨が優しく励ました



星が流れた
瞳を閉じて願うより
見つめていたいと思った

2006/11/10 (Fri)

[96] 逆さ言葉
詩人:和泉 [投票][編集]

嘘を置き手紙に
ここを去るならば
相手を想う嘘でありたい

その嘘が見破られぬよう
手紙の置くにひっそりと隠しておくから

2006/11/16 (Thu)

[97] 残り香
詩人:和泉 [投票][編集]

空白の余韻も冷めぬうちに
闇が裂かれた


寂しがりな言葉たちよ
君達がかき消されぬよう
僕らが大きな声で
叫ぶから


鏡のようなその瞳で
オンリーワンを捕まえておくれ
黒が光を受けて輝くように


その瞳が涙で溺れぬよう
空白の余韻を愛しく撫でて


2006/11/19 (Sun)
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