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山崎 登重雄 の部屋  〜 新着順表示 〜


[114] 蝉の声 @葛藤K
詩人:山崎 登重雄 [投票][編集]


セミが鳴く

早くあなたに会いたいと
全身を震わせて

セミが泣く

何故 あなたは約束を破ったのかと
命のすべてを投げ出して

あの夏の日の約束は
生まれ変わっても巡り逢う約束は
叶ったのか 果されたのか

猛り鳴くセミの声は
どうしても悲恋の叙情詩に聞こえて

やがては鳥に食まれ
やがては力尽きてポトリと落ち
やがては虫に食まれ そして消ゆ

口々に 愛しき者の 名を呼びて 夏・巡恋歌 セミの声消ゆ

2009/11/10 (Tue)

[113] 恋心 @葛藤J
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亦、心なり 恋心。

変わるかもしれない気持ち。
気持ち次第の心。

誰が好きなのか。
初恋の人。
思春期の想い。

生きるか死ぬかの時に暢気です。

青年期の憧れ。
未来を望んでの妻子。

夢破れての、夜の華々。
言葉が紡ぎし人々。

誰が好きなの恋心。

2009/11/10 (Tue)

[112] 夏の匂い @葛藤I
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ジリジリと焼付き陽炎が立つ
天も地も熱い

一瞬の陰りとともに
ボタボタと雨粒が染み始める

情熱と冷静が如く
熱と水とが交差し

土ぼこりの匂いを纏いながら
染めては渇き
渇いては また染めてゆく

やがて一面のグレーと染め抜いて
夏の雨の匂いは消ゆ

夏の匂い

2009/11/10 (Tue)

[111] 自らを由とする術 @葛藤H
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自由

勝手な言葉にするまじ

このままでよいものか
いかなる術にて自らを由と

このままでよいものか
これで由

誰人が認むるのか
まして自らを由と
誰人に問う

一生一死
全うするが自由

日々 己に問えた者こそ自由

2009/11/10 (Tue)

[110] 真夏の身体 @葛藤G
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日差しはひたすらに妄想を駆り立て
何もまともに思考できぬほどに
身体を焼いてゆく

激流の如く汗がほとばしり
命を薄皮のように剥いでゆく

一日の地獄を耐え抜いた者だけが
陽が休むとともに
己に冷気を纏うを許され
闇とともに浄化されてゆく

MAXの体温と
MAXの安息

青春の縮図が如く

2009/11/10 (Tue)

[109] 人生 @葛藤F
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人が生きる
生きて始めて人が生まれる

人が生き生きと 生き
人と呼べる者が生まれるのだ

では ただ生きるは恥か

誰も言い切れまい 何故なら
誰人もその代わりを出来得ないから

己しか 生き 生かせまい

万の力を与えても 己に力なくば
一言も響かず 虚しく消ゆ

生きるしかない どうすればよいのか
いつ 自分が 生まれるのだろうか

2009/11/10 (Tue)

[108] 心の扉 @葛藤E
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誰が扉を開くのか

自らが望むも好し
誰かを待つも好し

見えぬもの 感じぬもの
誰人に決められようか

そもそも開くものか

閉じているのか

誰が決め 誰ぞ従う
扉の有無さえ見え知らぬのに

在ると信じて 果敢に開き
無しと信じて 心を開き

ただ黙々と 生きればよいものを

2009/11/10 (Tue)

[107] 風V @葛藤D
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一枝 一枝と
伝え 渡る

命を 運び
薫り 継ぐ

見る者よ
知る者よ

我は風

背に纏え されば押し上げん
心に纏え されば暗雲を吹き払おう

我は風 大いなる気

2009/11/10 (Tue)

[106] 風U @葛藤C
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風になりたい

微動だにしない 無
すべてを拭い去る 猛

心地よい 涼
人を包み 国を包み 星を包む大気

目に見えず絶え間なくそこに在る

泰然と また淡然と 優雅に舞い
変幻夢幻に駆け巡る

風は水を運ぶ
風は薫りを運ぶ
風は命を運ぶ

2009/11/10 (Tue)

[105] 風T @葛藤B
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見慣れた景色
いつもいる部屋の窓
木々の間を小鳥がすり抜ける

羽ばたきがまとう空気が
“さわ”と葉を揺らす
そこに風がある

肌に触れなくても
風が見える

小さな風
四、五本の枝を触り抜け
元の空気に戻る

桜の大樹の一葉だけが揺れる
そこに風がある

2009/11/10 (Tue)
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