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右色の部屋  〜 投稿順表示 〜


[34] 三匹目の豚:オズワルド
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いわゆる勝ちと負けが世の中にはあるらしい
さらに努力という得体の知れない物もあると聞く

しかし
私はついぞそんなものを見た試しがない

何かを成すには準備が必要なのであって
わざわざ努力なんて大袈裟な物語を作る必要はない

勝ちや負けの概念だってそうだ
自分でその基準を作る前から
既存の基準に頼りきって
負けだの 
勝ちだの言っている
他人の負けや勝ちを見て模倣する必要がどこにあるというのだ

全部思い込みで
本当は自分で決めるべきことなのに
面倒で自信が無いからやらない

だいたい努力なんてものは他人の感想であって
行為ではないし

勝ちや負けも第三者が理解する為の記号でしかない



今の彼等は無知を餌に生きる豚
常識とかいう狼に喰われる前に
赤レンガの家を建てては如何だろうか

2007/06/18 (Mon)

[35] 砂漠の自己愛:ランシェ
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僕はみんなが好きなのじゃなくてね

誰かを嫌う自分自身が嫌いなんだ

そうなんだ

何度やっても

どこまで行こうと

掬えるのは砂粒みたいな自己愛だけ

確かに

自分を嫌う人間は不幸なのかもしれない

しかしね

自分を嫌うことが出来ない惨めさは

決してその不幸に見劣りするものではないよ


自分を嫌えない

全てを正当化する論理展開(ロジカル・サーキット)

たぶん

まだ

しばらくは

僕はこの砂漠を周り続けるのだろう

2009/10/23 (Fri)

[36] コーヒーを飲む小詩人:エシュ
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なぜ言葉を綴るのか

訊かれることがある


理由というほど大したモノじゃないけど

僕はね

正直でありたいんだ

周りの皆にもそうだし
もちろん
自分自身にもね

だけど日常の言葉はとても便利だけど

どうにもこうにも
大き過ぎたり
小さ過ぎたりする




そうだね



伝えたい想いがコーヒーだとするなら
ちょうどいい形のカップが無いんだ

小さ過ぎて溢れると誤解されるし
大き過ぎると時間ばかり喰って
ちっとも理解なんて出来やしない

だからね

僕は
僕の想いの数だけカップを作ってみたいんだ

どんな不恰好でも

僕の想いは僕のまま

相手に伝われば

妥協や曖昧さなんて
野暮な角砂糖入れなくても

おいしいコーヒーは淹れられる




そうだね

言葉の「キャッチボール」はあんまり僕には似合わないから

僕は

言葉の「コーヒータイム」を楽しみたいと言ってみよう

だからだから
今のところ今みたいなことしてる

2007/06/26 (Tue)

[37] 歩く人:草陰 朝太郎
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辿り着きたい場所がある


僕の見ている景色の先には
とても柔らかい空気が流れる場所がある

時折僕はその場所に立っていて
未だ取り残されるように立つ「僕」を見る

「僕」は僕の視線に気付きながらも
いつも顔を背ける
すると
だんだんと
僕は
言い様の無い罪悪感と共に「僕」に戻る


僕は僕の求める
その場所へ
辿り着く道を知っている
それは恐い位幸せなことだ

しかし
僕は目を合わせることが出来ない

僕が願い
僕が進もうとする
その場所に



既に
そこに至ることが出来た僕と
未だに目を合わせることが出来ない

辿りついた僕が
一体どんな顔をしているのかが
それを
見るのが堪らなく恐かった



でも
何かが終ろうとしていた
ある夜に
偶然、僕は「僕」と目が合って
初めて気がついた


なんてことは無い


その場所に辿りついた僕はその先にいる<僕>に
やっぱり顔を背けていた
だから僕と「僕」は目が合った



僕は仕方の無い臆病者で

歩くのだって
不安で不安で堪らないから
とても遅い


それは
時間の流れよりも遅いから
ともすれば
進んでいるかどうか分からなくなるけど

でも

だからこそ

ゆっくりと

確実に

その場所まで歩いていってやろう

2007/07/04 (Wed)

[38] たゆる:雨峠あかね(あめとうげ
詩人:右色 [投票][編集]

口は一つで

耳は二つ


もし神様が人間を作ったのだとしたら

自分で喋るのの

二倍は人の話を聞けってことなんだろうね

2007/07/04 (Wed)

[39] 狼を追う人:灰色ファルセット
詩人:右色 [投票][編集]

狼は東へ去りました

追いかけるかどうか迷っていると

豚の群れが近づいてきました

きっとその後には狼がいるのでしょう




目的という名の狼は西へ去りました

ためらっている内に日は暮れて

夜には墓の下




狼という孤独は南へ去りました

追いかけることにしましたが

とりあえず明日から

いつまで経っても「明日」は来ませんでした



夢そのものである狼は北へ去りました

たくさんのものを犠牲にして

追い続け

遂には雪山の頂で狼を追い抜き

狼となりました

もはや進むべき方角は分かりません

しかし

飢えと誇りを忘れぬ限り

狼なんです

喩え、追うべきものが無くとも

走りつづけます

ずっと

ずっとずっと


2007/07/09 (Mon)

[40] 変わり者(フゥ):露野 空
詩人:右色 [投票][編集]

穴埋めみたいなものなんだ
僕にとって
会話なんてものはね

例えば
僕にとって一から十まで
キチンと話しているつもりでも

誰かにとっては一の次に五が来るような飛躍だったり
そもそも一から始まらないことだってある

そこで説明なんて有意義なだけの余剰で
空いた空白をツギハギする

誰かにとってはそれでいいと思う

しかし僕にとって一から十で完全だったものに
途中で余計な記号を入れるから
途端にワケの分からないものになる

だから感動や思い出を伝えることは出来ても
僕の中には残らない

だから今はまだ

会話はしたくないし
言葉にもしたくない

勘違いして欲しくないのは

会話は好きだし
楽しいけれど
それはいつだって僕と誰かの間の穴埋めで
埋める土砂は
もう僕には戻らない

今はそれが少し

寂しい、と思うだけ




2007/08/30 (Thu)

[41] 仲間想い:前ノ木 小虎(ことら
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よく人との繋がりを『線』に例えるけど

実はそういう『線』って
全部ひっくるめて一本なんだと思う

誰かと自分の間にそれぞれ別な『線』があるんじゃなくて
長い長い一本の線があるんだと思う

だって
誰かと強く繋がろうとすると
その分を他から『線』を手繰り寄せなくちゃいけなくなるから
他の誰かは
あるのかどうかも分からない
糸みたいな細い『線』になってゆく

とても寂しいことだし、恐いことだ

だからと言って
簡単に自分と誰かの線を切ると
その分だけ短くなって
とても窮屈な思いをする

本当は出会ったすべての人と
強く繋がりたい

その理由は分からないけど
僕の線の長さはだいたい決まっている
だから
悔しいけど選択して
要らない理由で結んで、繋がっている

だからこそ
僕は僕に繋がる『線』をとても大切にしていきたいんだ

うん
そうだね

僕は「友達」や「親友」や「仲間」

そういう言葉を使う時

こういう想いで言っている




2007/07/15 (Sun)

[42] 上級遊び人:パンプーエレエデ
詩人:右色 [投票][編集]

「遊び」で本気になってはいけない

それは全力を出すとか

不真面目にやれとか

そういう意味ではなくて

「遊び」を目的にするな、ということだ


「遊び」は遊びのまま留めておけばいい


そうでないと

「遊び」に目的が喰われてしまう



もちろん、遊びが目的になるのは悪いことじゃない

問題は

その目的すら別の「遊び」に喰われてしまうことだ

そんなことを繰り返していたら

マトモな恋愛も出来ずに
人生が終わってしまう


人間は正当化の鬼だから

それはそれで構わないのかもしれないけど

目的を尖らせて

人生進められたら

とても「幸せ」に近い場所までいけるのは確かだ

2007/07/17 (Tue)

[43] ゆれる:ウズキ
詩人:右色 [投票][編集]

壊したいのいかどうか聞かれれば
「壊したい」と
はっきり答えるだろう

でも
聞かれていないから
僕は
この関係を壊しはしない


それでいいとする
僕は卑怯者だ
なまじ答えを出してる分
すこぶる付きに


もちろん
僕のせいではあるんだけど
君のせいにもできてしまう
そんな卑怯


曖昧だけど
楽しくて
ヤケドしない程度に
熱くて
冷たい

気付かなければ
夢のように幸せな
そんな関係


しかし
そんな関係も
その先を想像してしまった僕には
僕の「望んでしまった世界」
とを隔てるガラス製の壁になってしまった


壊すのは簡単だ
そんな方法は誰だって知っている
ただ
壊れやすい薄いガラスのはずなのに
向こう側がまったく見えない
そのクセ
立ち止まっている僕の姿がよく映る
見たくも無い
卑怯者の姿がよく見える


そこまで行くともうだめだ


言いたいことも
やりたいことも
その意味も目的も
何よりも僕の答えすら
全部バラバラに分解されて
まったくカタチにならない


そこで僕は黙する
だから君の前でも黙っている


そうして
一人になれば
しっかり板に付いてきた
自嘲的な微笑みを浮かべている

2007/08/07 (Tue)
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