詩人:カナリア | [投票][編集] |
彼には空白の時間がある
彼が言うには
その時間は突然訪れるんだって
例えば床がボコボコとした岩場に見えたり
天井が下がってきて潰されそうに見えたり
頭ん中に音楽がガンガン流れて
それは凄い気持ち悪くて
でも何だか気持ちいいんだって
馬鹿じゃないの?
あたしはそう言って彼の背中を何度も叩いた
馬鹿じゃないの?
馬鹿じゃないの?
気持ちいい事なんて
あたしがしてあげるのに
あたしがおもむろに彼自身を口にくわえると
彼は切ない顔してあたしの頭を撫で
ごめん
と一言呟いた
お願いだからもう何処にも行かないで…
あたしは次の朝
有るだけの小麦粉を全部使ってパンを焼いた
有るだけの砂糖を全部使って林檎を煮詰めた
有るだけの塩を全部使ってチキンを焼いた
彼が惑わされないように
もう二度と彼がいなくならないように
詩人:カナリア | [投票][編集] |
あたし達終わってる
単調な“オママゴト”に
何処にもイケなくなった
あたしは
ただ彼の部屋の天井見つめて
その景色に
出たり入ったりする彼を
ぼんやり感じた
果てた彼の重みで圧迫された胃から
さっき食べたチョコレートケーキを吐き出さないようにするのが精一杯で
あたし達終わってる
その言葉も同時に
胃の中に押し込んで
また繰り返す
単調な“オママゴト”
きっとあたしはまた
何処へもイケない
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君の指先が
あたしに触れるだけで
あたしは真っ赤に熟して
溶けてしまうの
赤とピンクだけの
絵の具の箱に
あたしを閉じ込めて?
そこであたしを愛してよー
もう何処にも行かないでね
My ダーリン
ずっと傍にいて
繋いだ手離さないでね
クダラナイって笑わないで
その笑顔はキライ
『キ ラ イ』
君の言葉が
あたしに語りかける度に
あたしの心臓は膨らんで
壊れてしまうの
月と太陽の
本ノわずかな隙間で
あたしを抱きしめて?
そこであたしを愛してよー
もう何処にも行かないでね
My ダーリン
ずっと傍にいて
繋いだ手離さないでね
バカミタイって笑わないで
その笑顔はキライ
『キ ラ イ』
ねぇ ダーリン…
あたしって
メンドクサイ女かなーー…
でもね ダーリン
My ダーリン
ずっと傍にいて
繋いだ手離さないでね
アイシテルって笑わないで
その笑顔はキライ
『キ ラ イ』
笑わないで言ってよ
アイシテル
ねぇ ダーリン…
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紅い星が
あたしを照らすの
クダラナイ男に
奪われた心と身体は
満たされまくって
永久(トワ)を願うから
貴方にとってあたしは
ただの暇つぶしでもいいよ
それでも貴方の上で
今はただゆっくり眠りたいから
My Sweet ダーリン
何処にもいかないで
あたしが飽きるまでは
傍にいてよ
紅い糸が二人を繋ぐの?
クダラナイって笑っていいよ
貴方の温もり
いつしかあたしにはもう
届かない
永久は星
ただの幻
それでも今は
貴方の唇に
甘いキスを
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イブの為に買ったのよ
このでっかいオーブン
多少値ははるけれど
レトロな容姿に
たちまちメロメロ
だって
花柄に水玉のコラボで
更にオウムがコンボ
それはあたしのハートに
見事にBINGO
そこから飛び出したのは
ケツからチーズとろけた
だらし無い姿の七面鳥で
もちろんシャンパンを隣に座らせて
ちょっとどなたか
ショパンをかけて?
ショクパン食べて?
蜂蜜たっぷり垂らして欲しいの
部屋の隅では
枯れることを知らない
フェイクなもみの木
チカチカ笑って
イカレてるんだ
おかえり
ダーリン
コイヌのワルツに溶け込んだ
花と水と鳥が二羽
フェイクとリアルの境界線で
チーズの伸びた所で
綱渡り
どうぞダーリン
冷めないうちに
召し上がれ♪
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若気の至り
そんな言葉では終わらせられないような
彼の過去
イカレてる
暗闇の世界に
あんたは何を求めたの?
パンツ一枚で堕ちた穴に
死とは違う世界が見えたとしたら
それは希望?
違うよ
単なるあんたが勝手に作り出したお伽話にしか
過ぎないよ
今隣で
静かに寝息を立てて
眠る横顔
どうして穴の中で死んでくれなかったの
そっと呟き
彼を抱きしめる
大丈夫
大丈夫だよ
自分自身にそう言い聞かせ
出会ってしまった運命を呪いながらも
あたしはまだもう少し
彼の隣で眠る事に決めた
あたしがいれば
大丈夫
そんな自意識過剰な言葉がどうか
お伽話の一部になりませんように
メリークリスマス
My Black SANTA
あたしの隣で
ゆっくりおやすみ
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満たされないのは
あたしが愛しすぎてしまったから?
それとも
貴方からの愛が
減ったから?
遠くを見つめる貴方の横で
あたしは
気のない素振り
でも本当は
気付いて欲しくて
貴方の膝に
そっとしっぽをくっつけて丸くなって眠った
子猫のように
満たされないのは
あたしが愛しすぎてしまったから?
それとも
貴方からの愛が
減ったから?
お願いだから
こっちを向いて
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冬が終わる頃には
あたしは日本から出て行く
春になったら
きっと
君はあたしを捜すでしょう
夏になったら…
ねぇ
君はどうする?
二人出会った季節
もう一度
出会えたなら
悲しみばかりを
残した君との運命に
あたしは賭けてみたいんだ
もう時期
あたしは日本を出ていく
春になったら
君の部屋にチューリップが咲くから
秘密にしていた花の色は
君のその瞳で確かめて
そしてもう一度
もう一度
夏に出会えたのなら
あの時と同じように
あたしの手を引いて
君の部屋まで連れて帰って