ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーンの部屋 > 投稿順表示

高級スプーンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[400] 多面的我儘
詩人:高級スプーン [投票][編集]

透き通る位
白くて
触れると
壊れそう、を
包み込む
何もない欲求の黒と

人格の詰まれた
山の表面と云ったら
そんなものばかり
流行り拡がり
嫌われ外され
時代、時代に合わせて
見離され埋もれていく
素顔の仮面達
同じに見えるのは
仕方のない事だ

認められる感覚は
真似事を
模倣した錯覚に
酷似する影響で
君を歪ませたのが僕で
正確には
多重にある僕の
一つの局面に
君の面影が残っている

外より内に
人数を増やして
孤独を紛らわせるのが
当たり前な世の中
けれども
多面的に生きていても
使用頻度が高いのは
そのうちの五つか六つで
残りの使われない
僕や君の
一面一面は
陽の当たらない深海へ
頭から沈められる

僕等のこの会話を
何時何処で
誰が聞いているのか
知る由もないが
水面下で苦しむ
描かれない僕等を
幾ら想像しても
それは
君の中の一人について
自らを装う君が
妄想しているだけで
僕等の底まで
決して辿り着けない

流して読んで
忘れてしまう
僕等は浅く
残らず消える
それでもいいと
投げ遣りな態度で
記した我が子は穴で
受ける側であって
愛されない存在も
時には
背筋の凍る微笑みを
投げ掛けてくる

蛇の足を付け足す
無作為に増殖する
感覚を乱す偽善者から
心を閉ざして
無意味に迫る

現実を真実を
リアルを
時の差を超えて
この手に

2005/11/13 (Sun)

[401] 思考に私が欠けている
詩人:高級スプーン [投票][編集]

何を書いても
私が
見当たらないね
犯行声明の進行形を
赤裸々な生い立ちとして
綴ってるって
言うのに


誰かって
クリックしても
実際に尋ねても
秘密が漏洩した時点で
醒めてしまう物語なの
やっぱり
甘くなくっちゃ
心を心と答えずに
間接的に
真芯を捕らえて
伝える技術をさ
美味しい謎に
置き換えて
人目に付くように
そっと
ちりばめる
終わらない
もどかしさが
物足りなさを
忘れさせてくれる
そう願って
死にたいとは
生きている間にしか
言えないと
誰かを名乗る
誰かは言ったけれど
伝わってしまうもの
君より後に
私が生きている限り
未完成のまま
永遠に
コピーされた
仮初めの痛みが
連鎖するよ
主体も糞もない
誰かが誰かの
続きを求めて

2005/11/14 (Mon)

[402] 誘い
詩人:高級スプーン [投票][編集]

それならドアを叩きなよ

安易な称賛も

難解な抗議も

退けて放浪したいなら

裸足で駆ける気持ち良さ

知りたいのなら

ドアを叩きなよ

今ならまだ間に合う

刄を捨てて

早く叩けよ

2005/11/14 (Mon)

[403] 今は失き世界は静かに告げた
詩人:高級スプーン [投票][編集]

幸せな二人に
介入の余地はなく
未来も世界も
必要とされない

2005/11/14 (Mon)

[404] 歌えば、繰り返す唄を
詩人:高級スプーン [投票][編集]

静かに口を閉じた
幼き君の
これからを
ソラに願うように
聖なるものに例えて
想像されるのは
どんな気分だって
答えるのはいつも
残された僕ら

夢でした
妄想でした
スミマセンでした
天国にも桃源郷にも
旅をするのは
幼き君じゃなくて
今になって
勝手に神様呼ばわり
はるか昔
悪魔と呼んだのも
やっぱり
僕らの方だ

その稚拙な唄を
称賛して
その高尚な歌声を
罵倒して
幼き君の
気を狂わせて
オモチャにして遊んだ
邪な人間達は
常に正しい側なのに
罪の意識を感じて
心地よく喘ぐ

辺り一面に
多量に含まれる
明らかにされていない
物体に
妖怪や天使と
名を付けて
幼き君と呼んだのは
あぁその通り
僕らだ

何を見ていた
何を聴いていた
その容姿は
その歌声は
幻だったのか
定かじゃない
幼き君は
大きく口を開けて歌う
白い肌を
汚れた多くの眼に
舐め回されて
自己を保てなくなっても
歌った
唄を歌った

リアルを
虚構に加工する
画面越しの
欲望を信仰する
僕らは知らない
本物について
君しか知らないか
それすら分からない
それでも

繰り返す
唄を歌えば、

2005/11/15 (Tue)

[405] まだ見ぬ君と本と
詩人:高級スプーン [投票][編集]

まだ見ぬ君が
読み終わったら
忘れてくれた方が良い
少し寂しいけれど

まだ見ぬ君が
本を閉じたら
止まっていた時間を
進めるようにと
眠る前に考える

まだ見ぬ君が
リアルの続きを
めくるキッカケに
なればと思って
次の話を書いている

一つ完成しても
続きが
山ほどあるのは
時を止めて
読んでくれる
まだ見ぬ君が
そこに居るから

2005/11/16 (Wed)

[406] 誰も聴かない音楽会
詩人:高級スプーン [投票][編集]

無意識に
息をするように
流れる音色に
耳を傾ける者の
居ない空間で

みんな笑っている
私は背中を向けて
ひとり黙々と対話する
音のない
背景の寂しさを
忘れて楽しんで
零れたのは
涙なんかじゃない

邪魔をしない
穏やかで優しい音
選び強く
強く奏でる
雰囲気を壊さないよう
ゆったりと滑らかに

私はピアノを弾いている

2005/11/17 (Thu)

[407] 爆の物語
詩人:高級スプーン [投票][編集]

見えもしない貴方に
感情を剥き出しにする
ブツケタオモイ
跳ね返り
僕は人間だと
再認識させられる

絶対を信仰して
いつか自分も
貴方になりたいと
理も無く
断りもなく
憧れていた

越えられない
壁はないと
信じきっていた
矛盾だらけな日常に
言い訳を付け足して
更にゴマして
曖昧にうなずく
遅かれ早かれ
いつかは気付く
何かを超えられるなら
貴方は居ないと

よく出来たゲーム
遊び半分で作られた世界
至る所に不具合が生じる
無理な設定ばかりなのに
デタラメに進んでも
クリア出来そうで
終末直後の
スタッフロールにでも
貴方はひょっこり
顔を出す気なのか
今の作品には
満足していますか

知らないのは
運命に左右されつつ
自らを強制的に演じる
僕らだけか
貴方もそうか
何であれ
サルでも理解る
手の平よりも下に
進んで堕ちた僕は
貴方の足元にも及ばない

だって見えない
目の前についてすら
考えられずに
人間という
仕事も放棄して
貴方になりたいと願った
今はもう
叶わないと諦めて
何にもなれず
救われない

出会えない
時間もない
この先ずっと何もない
信じないと
ゲームオーバーか
自分も含めて
全てを見下して
僕は何様だ

切り開くまでは
見えないんだ
僕は人間
貴方じゃない
人として生きよう
出遅れて始まる
本当の物語を旅する
本物の僕に


都合良すぎる妄想
リセットボタンは何処だ

2005/11/17 (Thu)

[408] 給食の時間を過ぎても
詩人:高級スプーン [投票][編集]

残した給食
どうしても食べられない
眺めるのも飽きたし
教室から離れよう

誰とも目を合わせずに
駆け抜けていった
幼き君は今

僕として生きている
足早に過ぎる毎日に
不満を漏らしながら

残された給食を
今頃になって
ちびちび
食べている気分

不味くても
仕方ないと
諦めばかり早くなり
僕は席に座ったまんま
外へ飛び出せない

2005/11/18 (Fri)

[409] 奥様はラビリンス
詩人:高級スプーン [投票][編集]

意味深を目深に被り
注目を羽織って
通り過ぎる貴方は
何者なのかしら

沈黙する背中を
見つめてもいても
分からない
印象だけを残して
去ろうとする貴方は
何者なのかしら

気になって
トタトタと
追い掛けた
そして後ろから
思い切り
秘密を剥ぎ取った


呆然とする私


見えなかった
貴方が空白にしか

謎は出会うだけじゃ
隠れた本心までは
解き明かせない
ものなのね

それにしても


出口は何処かしら

2005/11/18 (Fri)
666件中 (381-390) [ << 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 >> ... 67
- 詩人の部屋 -