詩人:孤 花 | [投票][編集] |
一日のうちで
いちばん長く見ているのは
電話とクマとカレンダーの向こう側の
左の手
隙間からちょっとだけ見える
あなたの手
考えてるんだなって
焦ってるんだなって
ほっとしてるんだなって
手を見れば
なんとなく分かるんだもん
私の席からしか見えない
電話とクマとカレンダーの向こう側の
いとおしい手
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優しく
強引に
器用な手つきで
素早く私を抱きしめた
何かを考える間もないまま
気付けば腕の中だった
お腹の中を
優しくえぐられるような感覚
あなたの隣で
いつもあなたに
欲情して
欲しいものは
違うの、
かすれた声が
届くはずがないのは知っていた
欲しいの
欲しいの
違う
悲しい
ズタズタよ
痛い
痛い
スキ
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ああ、そうか
特別な人なったね
私にとって
ゆるやかに
効いていく
薬みたいに
あなたといると
苦しみも溶けていく
ただ、ただ、
幸せ
するりと
私の心に入り
ぴったりと
型にはまった
あなたは
間違いなく
もう一生忘れられない人になる
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ごめんねが、
心の中にいつも
いっぱいだった
好き
過ぎて、
いつも胸が痛くて
そこから一歩も近づけなかった
触れる
なんて、
考えもしなかった
ただ
風に吹かれる髪を見ているだけで、
筋肉がつきはじめた肩を見ているだけで、
骨ばった膝を見ているだけで、
ドキンよりもズキンに近い
胸の中に痛みが弾けた
緊張しすぎて
見ることも出来ない顔が
ふとした瞬間に
瞳に飛び込んだ時、
その顔が
私の大好きな
愛しい笑顔だった時、
世界がゆらゆら
きらきらと
潤いをもって
揺れた
綺麗な涙が
あとからあとから
溢れ出てくる
そんな風にさせるのは、
あなただけだった
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君が消え去り
私が消え去り
私たちを知る人が誰ひとりいなくなって
この地球から
私たちに関わるもの全て
跡形もなく消えてなくなる日が来ても
この空だけが知っていてくれる
ちっぽけな私の
愛おしい、愛おしい想いのことを
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こんな夜にきみに会ったら
泣きたくなるでしょう
つめたい冬の前の
ほんの一時
穏やかな季節に
風が時折ゆるやかに頬を撫でて
心地よい温かさで包んでくれる
そんな優しい夜に
きみと見たのと
同じ光があったから
そんな夜が
きみみたいだったから
ぼくは
遠くを見つめた
ただ知りたかっただけ
きみに会ったら泣きたくなるでしょう
こんな優しい夜の下
でもぼくは泣かないよ
きみに出逢えたことにも泣かないよ
きみに会えて良かったって
こうしてずっと笑ってるから
夜と手をつないで
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理想を根底に
向き合おうとしたって
独りよがりになってしまう
ちょっとした醜いところやそれ以上をも受け入れるつもりでも
相手は大事なところを隠してる
それがわだかまりになったり
しこりになったり
時に傷になったり
そして別れが訪れて
変なプライドがくじかれて
濁った声が溢れてくることを
君は知らないだろう
私が君を信じ切って
思いもしなかったことを
君はずっと心に抱え
黙っていた狡さがあったように
本当の姿を君に見せることが出来なかった
ありのままを見せることは難しい
私の狡さを
君は知らない
君の想像の中では
私は綺麗なままで
歩んで行けるのかもしれない
ありのままで
生きることが
難しくて
それは憧れだったけど
きっとそれではいけなくて
私はもっと
穏やかで柔らかい人にならなければいけない
君がそうしてきたように
今の私は
濁った声が溢れてどうしようもないから
この理不尽な出来事も心から受け入れて笑えるようになったら
その時は堂々と君と向き合えるんだろう
人は誰かを愛したら限りなく美しく透明になれるという
だけど思ったんだ
関わるすべての人達に
愛を持って接することが
本当の出口なんだと
きっと君は
そういう人で
だけどやっぱり
狡さもあって
それは優しさでもあって
まあ
それが人間というやつで
難しいね
人間も恋愛も
人生も
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目が覚めたら
胸が痛かった
君の体温が温かくて幸せで
それが辛いなんてね
好きだよ
本当だよ
大切なの
一生そばに居てほしいよ
だけどいずれ
別れなくてはいけない気がしてる
それを君も感じ始めているよね
だからそれまで
沢山話をして
手をつないで眠ろうね
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結局
肩にさえ触れることも出来なかった
会話は途切れて
ため息が出て
だけど離れたくなくて
また
やっちゃった
いつもその繰り返し
憧れだとしか言えなかったの
好きだなんて恐れ多くて
ずっと変わらず特別って
そうゆうの
あなたには分からないかな
本当は
触れたかった
溢れさせたかった
私の中の温かいキモチを
あなたに憧れ過ぎて
大切にし過ぎちゃった
声も
仕種も
綺麗な手も
飾らない服装も
忘れちゃった出会った頃の笑顔も
私が知らない所が大部分だけど
多分全部全部
好きだったの
でも言えなかったよ
なんにも
伝えたいことの内の何一つ
そして高い位置の肩が
すごく高くて