詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
雨が香るこの街で
心と色を失った
空も
鳥も
花も
目に入るすべてのものが
灰色がかっていて
引力も
さえずりも
息吹も
何も感じない
ただ
雨の匂いだけが
強く
残っている
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君が僕と一緒にいるために
涙堪えているの
知ってるよ
僕だって
君と一緒にいるためなら
きっと同じことするんだ
でもね
悲しいよ
君が苦しみを隠して
笑っているの
僕が気付いていることを
知っていて笑うんだ
君が好き
だから
せめて僕の腕の中では
泣いてほしい
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たとえば
渇いた喉を潤す水でも
たとえば
枯れた草木を潤す水でも
たとえば
砂漠を潤す水でも
潤わない
潤せない
心の渇き
たとえば
誰もが涙する物語でも
たとえば
誰もが静聴する美声でも
たとえば
誰もが目を見張る絵画でも
満ちない
満たされない
心の飢え
貴方と出会ってしまって
貴方を知ってしまって
貴方だけを欲している
貴方しかいらない
もう
恋という
カワイイものじゃない
愛という
ヤサシイものじゃない
強くて激しい
心の叫び
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後悔したの?
悔しかったの?
辛かったの?
苦しかったの?
どんな想いで
そんなに強く握っていたの?
ガーゼを赤く染めるくらいなら
僕を濡らしてほしかった
君の手のひらに傷を作るくらいなら
僕を傷つけて構わない
だからこれからは
僕の手を掴んでくれないか
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君の近くにいさせて
終わりを迎える
最期のその時まで
近くにいさせてほしい
恋人じゃなくていい
友達でいい
僕がいなくなっても
深くは悲しまず
そっと思い出に昇華して
遠い人にしてもいい
君への想いも
嫉妬も
羨望も
涙も
僕の恋は総て持って行くから
最期の時だけは
僕を
僕だけを
見ていて…
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凛と静かな夜
仰げば一面の星
儚くて
今にも消えてしまいそう
お星様
昔と変わらずにいますよね
僕が見ているのは
貴方の幻ではないですよね
ちゃんとそこにいますよね
消えてしまったのを
僕が知らないだけですか?
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厚い雲に覆われても
何処にいるか分かる
夜半の月
秋の夜の
ひんやり頬冷ます空気は
心地よくて離れ難いけど
厚い雲に負けない光が
僕の心まで暴きそうで
恐くて
潜んだ家の中
カーテン閉めて
布団被って...
どうか
暴かないで