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高級スプーン似の部屋  〜 新着順表示 〜


[402] 帰り道はひとりがいい派
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目玉だけ
ぷかぷか
歩いていたら
判別できないからね
視線を落としたり
柱の影に隠れたり
しなくて済むのにな

道端
店先
街中
郊外
何時でも
何処でも
俺が出歩いてる間
知り合い全員消え失せろ

そりゃ
気付かれたら
笑いはするよ?
相手が誰でも
好意を見せてさ
でもね
見つかる前に角を曲がる

先輩
後輩
元彼
彼女
友人
知人
親族
家族
どいつも
こいつも
会いたくないから
帰宅するまで砕け散れ

気にしているのは
私だけ
破砕して消失して
お詫びします

だから
目玉を向けないで

角を曲がって
知らない道へ
全然
おうちに帰れない

2012/04/05 (Thu)

[401] 絡繰れない
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電子音
駆ける五線譜
捕まって
離せないヘッドフォン
繰り返される
アルケ←
   →スティス
回回回る毒
痺れていく心臓は
しかし
脈打つのを止めず
跳ね上がり
コーダを昇る
揃い踏み
私YOUを決す
さだめも
余韻もなきものに

2012/04/02 (Mon)

[400] 束の間の
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嘘をついたら
大嫌いだと言われた

引けなくなって
大嫌いだと返した

あなたは泣いた
わたしも泣いた

どちらからでもなく
嘘だよって言った

言わなくてもわかってた
けど

あなたに嫌われるのが
怖くて泣いた

嘘だとわかって
また泣いた

抱き合って泣いた

それから
顔を見合わせて笑った


そんな展開を望んでた


嘘をついた

大嫌いと言われて
大嫌いと返した

引けなくなって
そのまんま

同窓会で
あなたに会った

あなたは笑った
だから
わたしも笑った

あなたは
忘れているのかな

覚えているのは
わたしだけなのかな

だから
嘘をついたこと
もう忘れることにした

帰り際
あなたに

やっぱりわたし
あなたが大嫌い

この大嘘つきめと
言われるまでは

2012/04/01 (Sun)

[399] きみと死体
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立ち込める悪臭
腐乱死体のそばで
机に向かってカガクする
きみはまっしぐら
人の道を逸れていく

通じないんだリテラシー
それじゃあ
愛せないんだって
白くもないのに
怪しい粉をフリカケる

死体死体
それは死体
生きてるモノには
見向きもしない

ブードゥーブードゥー
摩訶不思議
不可解魔界のまじないを
独り言ちる

どうすればいいの
この気持ち
死体になれば
愛してくれるの
死体にすれば
思い通りになるのかな
自殺シタイ死体
きみを殺シタイ死体

苦悶の表情も好きだけど
楽にイきたいイかせたい
シカンはいやん
後々のこと考えて
なるべく
傷つけないように

標本にはしたくない死体
甦るのはいつの日か
それまでに
きみも死体
ぼくも死体

シタイ相手に
成就しない恋
墓場に持ってイけないや

2012/03/30 (Fri)

[398] エンドレス循環型にんげん
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環状線を
朝からぐるぐる
山手線の
あなたは今
何周目に突入しましたか?

叩き起こされるまで
眠りたい
前提をまず
間違えている
ぼくの部屋には
一人しかいないから
寝過ごしたんだきっと

これまで
巡ってきた道程
迷宮じゃないから
出口はあるのに
標となる
立て札もパンくずもない
それでも
一本道だから
ゴールは見えている

けれども
行ったり来たりの
大阪環状線
まもなくカーブします
次は
次も
またその次も

実は環状線じゃない
山手線
あの人は今

朝からぐるぐる
思い巡らし
もう一周

はやく誰か
起こしてよ
あと一周だけ
寝かせてよ

巡るぐるぐる
ぐるぐる脳内

回る大阪環状線

2012/03/28 (Wed)

[397] 生えていないパン
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婉曲な物言いは
角も毛も立たない

歪みは矯正されて
全体的に丸みを帯びる

ちくたくミカン
清潔感

大人の言い付けを厳守
子どもにやさしい存在に

どこに行ったんだろう
さっきから
探しているんだけれど
見つからないんだ

誰に問い
何を失ったのかさえ
忘却してしまったよう

こつ
  こつ
    こつ
彼方より
指差す先に
あるのは額

パンはパンでも
食べられるパンは
なんだっけ

示す意味は
さっぱりで

ご飯を食べて
おやすみなさい

2012/03/15 (Thu)

[396] シズマラナイト
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心の声は
ヘッドホンでは防げない

当たり前だけれど

あの角を曲がっても
ヘッドライトが眩しいだけ

君はいない

天国も地獄も
信じてはいないから

そこから先は無
何もない

もう二度と出会えない

でも

寂しいから
耳の奥まで
音楽を流そう

そこから先に
何もないのなら

ここから先に
君はいないのか

流さない涙

それならまだ
生きていたい

ヘッドホンをして
目をつむる

心に抱けば
君がいるなら



思い出

後ろ向きなら
いつでも会える

それじゃあいけない

わかってるよ
でもね
わかってないよ

泣けないけれど
伝うものがある

それに
もうすぐ終わる

ヘッドホンを外して
目を開けたら

君はいない

わかってるから
少し黙れ

2012/03/12 (Mon)

[395] アモールおばちゃん
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生暖かい三月

頭を抱えながら
テーブルに肘をつき
犬のように
どんぶり飯を
頬張るおばちゃん

片隅にショートホープ
ちらかしすぎだぞ
ご飯つぶ

遠い目をして
耳を塞いだら
少しは
気も紛れるのかな

灰皿に溜まるホープ
最後の一本と
頼んだ瓶ビールは
どちらも一口呑んだだけ


生暖かい三月

厚着で出掛けて大失敗
でも
春と呼ぶには
まだ早いか

汗ばんだ午後も
夕日が沈めば薄ら寒い

夜になり
ぬくもりが恋しくなった今
気付く

昼間のおばちゃんは
あの場所で
静かに
待っていたんじゃないか

頭を隠して
天使のように
プリマヴェーラの訪れを

片隅に長くて短い
希望を置いて

背中に生えた
翼で羽ばたく
全裸のおばちゃんを
想像してしまい
飲んでいたお茶を
吹き出した

最悪だな
でも
久しぶりに笑ったなあ

携帯のストラップ
小さな羽のある
赤ちゃんが揺れ
また吹き出した

三分も続かない
ショートホープ

次の日
風邪を引いたしな

2012/03/07 (Wed)

[394] でたらめ出た目、憎く泣く次は→
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勝てない口喧嘩
秒速・地球を七回り半
それでも
わたしには夢がある

あなたの嫌いな感情論
泣いて笑って
騒々しくも
はいすぴヰどで創造し

光の速さを上回り
あなたの理屈を凌駕する
いつか

そう いつか

無理か



・・・ぐすん

2012/03/05 (Mon)

[393] かまわないでくれ
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一階から
笑い声が聞こえてくる
眠れないから
騒がないでくれ
別に
気にしてないけれど

トントントン
階段を上がる音
近付いてくるのは誰だ
あっちいけ

コンコンコン
ドアを叩く音
おれの名を呼ぶのは誰だ
あっちにいけよ

ハハハハハ
家の外から
聞こえてくる笑い声
近所迷惑だろうが
戻ってこいよ

ハハ ハハ ハ
遠ざかってく笑い声
どこへ行くんだ
お前たち



ああやっと
静かになった
これでぐっすり
眠れるぞ

騒ぐ声は聞こえない
ドアを叩く音はしない

ハハハハハ
笑っても反応がない
ハハハハハ

ひとりになったぞ
ハハハハハ

諦めるんなら
最初から誘うなよ

もう絶対に
かまわないでくれ

戻ってくるなよ
絶対に


ハハハハハ



ハハ ハハ ハ




静かすぎて眠れない

2012/03/04 (Sun)
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