詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
女の友情は甘い汚物
出来立ての
スイーツでおもてなし
深く付き合えば必死
連絡が途絶えて即死
美しい思い出から
忌まわしい過去に
友達だと思っていたのは
ひとりだけ
いい人に
巡り会わない奇跡もある
だから
信じてしまうんだ
今度は本物だって
うっとり恍惚
ねっとり分泌
しっとり甘美な関係は
男ひとつで壊れてしまう
友達だと思っていたのに
また騙されて
一方的にサヨウナラ
百人も要らない
親友ひとり
欲しい
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ミーティング中に
いきなり発狂する後輩
狐憑きかな
狐につままれ顔の上司
天気雨が頬に当たり
白昼夢から飛び起きる
まさかね
夢に生きる人よりも
絶望の淵に立つ
瞳の死んだ魚の方が
嘘みたいな事実を起こす
明るい未来を語れず
リアリストからも
白い目で見られ
ただ生きているだけで
笑われる
つまらない人間に
バリアフリーは皆無
助ける必要がないからね
あーあ
みんなと仲良く
出来たらなあ
あーあ
みんなと一緒の
感覚を持てたらなあ
きっと
人としての価値も
違っていたんだろうなあ
飛び降りたい
ここから今すぐ
今すぐここから
飛び降りたら
勇気を出して
差し伸べた手はまだ
宙ぶらりん
あの時
こっちを見た
きみの顔が
一生忘れられなくて
どれだけ中傷を受けても
空中に一歩
足を踏み出せないでいる
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ブ厚い薄皮一枚を
引き剥がしただけで
直視できなくなるのなら
これ以上
自分を探さない方がいい
グロテスクな
内臓を掻き分けて
抉り出した心は
肉塊よりも
もっと醜いから
世紀末を終えて
はや十数年
記念日をいくつ重ね
今日を終えようと
新しいニュースが
手を伸ばし
視面で躍るだけ
頭の中を
映像化するのは
頭の中でだけにしろ
共感
それから伝言ゲーム
自覚もなく改竄
神様は創造はできても
破壊を止められはしない
かすかに触れる腺
いきることわりと
もしもしハロー
おなにいポエム
意味もなく嘲笑されて
詠みかけの詩
乱暴に拭いて
夜が明けるまでに
廃棄
拾って見るのは
マニアの変態だけ
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髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい
気持ち悪い容姿の彼に
片思いされた彼女は
そっと毒を吐き
微かに声を震わせて言う
一緒に帰ろうよ
頷けば
きみは笑うだろう
ありがとうと
なのにどうして
嫌だとか
ぼくは笑ったんだろう
あと少し
もう少しで
夢を掴む
首を絞める
チャンスだって
あったかも
しれないのになのに
髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい
二人の距離が
離れていくほど
彼女の安全は確かなものに
だったらいいけど
夜は危うい
次の日も
きみが笑う
絶対はないのに
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過去が消えない限り
傷痕は息衝いている
それでも寂しいが
絡み付く煙のように
触れられないのに
こころの裡を
掻き乱してくる
悪意など
欠片もないんだろうな
けれども
寂しいものは寂しい
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水面に映える銀河を走る
ゆらめく月
伸びたレール
驚き少ない箱は進む
交差する際
窓越しに見えた
窓の先
渦巻く性までくっきりと
この目に映る
急に恐ろしくなった
まるで
手をつける前に
完成していたパズルに
気付いた時のような
絵空事は
最初からなかった
奇跡と呼ぶのを嫌い
ただ黙って闇の中
泥のように微睡みながら
行く
朝靄 開けて
広がる先にも
決して外れぬ未来が
法則正しく
敷かれているよ
次の目的地
次の目的地へと
終焉まで
それでも
あらゆる感情を抱え
関係を持ちながらも前へ
がたんごとんと動く箱
ゆらり運ばれ止まる人
ようやく辿り着いた今
扉が開いて進むのは
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年賀状を送った相手から
一月を過ぎても
返事が来ない
メールだってしたのにな
去年の夏から音信不通
何か嫌なことしたっけ
最後も笑顔で別れた筈だ
友達だと思っていたのは
私だけ?
過ぎ去る時の中で
落ちる影は薄まらず
日に日に色濃く
深く染まる
最先端の技術は今も
心の芯まで見透かせない
重かったのか
ツラかったのか
今も元気にしているのか
気になるけれど
気になるけれど
元気ならそれでも
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常識は蜘蛛
浮かばれない
飛び出す前に見えた糸
絡まりカラクリ
その場に止まり愛想笑い
とどのつまりはこの左手
多いだけで全員じゃない
忘れてきた才能を
探す日々
平々凡々と
操作するなら完全に
ぼくを殺してほしかった