詩人:哀華 | [投票][編集] |
古着た
チェックのコートに
涙のメイクで
唇色は血の気の
薄さが自慢です
指には銀の
ゴツゴツを
腰には銀の
ジャラジャラを
走り出すのは
ピンクのベンツで
バックミラーに
下がる
ヘッドバッキングな
カラベラ頭
鳴り響くのは
出し損ねた電話と
弾けすぎたドラム音と
鼻をつくのは
リバティーンで
隣には
チワワの眼をした
悲しげな兎人形
型どった
夜の端
狂い咲いた
桜を横眼に
パンキッシュな
笑い声で
通り抜ける
ついておいで
追いかけておいで
ここが世界の
終わりだから
ついておいで
見失わないで
アタシは
まだ息ているから
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伝えたい。を
残さず集めていた
広い世界の
この場所で
隣のアンタも
思うこと
誰も
かまわないで
誰も
居なくならないで
一定の距離と
壁を必死で守ってる
飽和した音
癒されぬ痛みも
忘れていたい
一つ残らず
食べ尽くした愛も
腐っていた私も
今だけは
忘れていたい
言葉の羅列と
それにまとわりつく
嫉妬
うらやましかっただけ
アンタが
吐き出す言葉が
ただ単に
うらやましすぎただけ
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机の上の
消し忘れた文字
澱みかかって
寂しがって
ベットに眠る私の
欠片を集めて
綺麗だねなんて
叩きつけた君
きっとずっと
いつまでも
月の陰から
逃げてた君
きっとずっと
いつまでも
私の陰から
逃げてた君
澱みかかって
泣きたがって
一つになりたがって
繋がれなくて
君は
君は
何思いながら
死んでいったのか
君は
私は
一つだったはずなのに
無くしていました
亡くしてしまいました
今日から普通に
戻ります
明日からきっと
そう思います
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どうしたらいいのさ
生きるためには
金が必要で
明日を待つためには
綺麗な体が必要で
比べてみたら
汚い今日の方が
幾分か軽く思えて
一寸先
真っ暗闇のその奥に
手段を選ばない私が
苦笑いで
佇んでた
首を傾げたら
頭から真っ逆様に
落ちること
知ってるよ
甘えていたら
糧もなくなって
死んでしまうこと
知ってるよ
どうしたらいいのさ
呟いても
聞いちゃくれない
本当に誰も
今日から私は
汚れてしまいます
軽蔑していた
過去へ戻ります
愛は要りません
夢も要りません
ただ
ただ
金が
生きる糧が
欲しいだけなのです
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絡まる糸に
お願い事をして
愛を半分
切り捨てた
散々怒鳴った後に
感情を殺しながら
平気な顔して
愛してると
言い放った貴女
分かってるさ
本気で死ぬなんて
言わない事くらい
血のつながりは薄い。
たとえ今日が
昨日になっても
血のつながりは薄い。
腹から抜け出た
汚ならしい娘を
憎しみの限り
殴り続けた貴女
変わることは
ないのだろう
苦しんでいたこと
未だに傷は癒えず
切なさに
切り刻まれた
時間の行方
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その声群は
まるで
毎日たらふく
食って眠る
自分ら自身が罪だと
言わんばかりに
喚き散らすの
恵まれない
人たちへの
ご協力を
お願いしますと
笑顔で言う奴らが
大勢居る夜の街
鼠のように
道を這い廻って
時間の渦を
回転させている
私もやっぱり
恵まれてるのね
やってしまった
今回もまた
裏切り者の私
さっきもまた
見殺しにした
命が一つ
やってしまった
見て見ぬ振りで
通りすがる
小さな箱の横で
あさっての今頃
見殺しにした
命がまた一つ
消える事
知っているのに
百円玉で買えちまう
安っぽい
自己満足にも
皆、飽きているのさ
協力のその果てに
一つ助かる命の陰で
助けて下さいと
泣きわめいたのに
首を切られ
使い捨ての
コンドームみたく
捨てられた男
どっちが正しいんだ
生きることは罪か
死ぬことが罪か
さもなくば
殺すことは罪か
無関心こそが
真の罪なのか
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利益追求の果てが
例えば
無だとしたらば
そこで貴方は
綴ることを
辞めるのですか
不確かな場所に
集まる者が
何を求めたか
一部分の共鳴論で
それだって
自らの気持ちに
大差ないわね
この頭と
この腕は
何故ここを求めたか
癒し
はけ口
優越
仲間
悲鳴をあげる体は
誰かに聞いて
欲しいと
切に、切に、
願っていました
共有
完成
明日には
笑みがこぼれる
そう信じます。
後ろ向きは私も得意
でも今
そうしないのは
私が私を
阻むから
立っていたい
私はここに
居るんだと
大きな声で
叫んでいたい
ただそんなけの事
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諦めることさえも
出来なかった物
捨てきれずに
積み上げて
ずっと汚い傷を
隠しながら
苦笑っていた
体の中心に
残ったのは
寂れかけた
気持ちだけ
薄汚れた過去も
許しつつ
今ここへ立つ
気味の悪い
私と共に
探した物は
消えた藍色と
私から私への軽蔑と哀
ある日
救ってくれた物は
諦めの悪い貴方と
膝をつきながら
生きている
彼女の言葉
幼い頃
必死に信じた物
必死に望んだ物
そこにあって
暖かい物
溢れ出た事
今は少しだけ
恥ずかしく
思えるから
あえて
言わぬ事にするよ
この先は長い
例え何かが阻んでも
息をしよう
共に。
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頭が落ちている
魚ばかりだ
転がる両手を
小石で押さえつけて
たたずむのは
黄土色の海の中
湿った日曜
君の跡を数えたきり
意識は遠のいて
初めの、初め
そのまた
初めに戻っていたって
ただそんなけ
いつだって
振り出しに戻るだけ
思わせぶりな
この声で
大事だからなんて
吐き出した夜
利用させてもらっただけ
アンタの事
別にどうでも
いいみたいで
そしてそのために
黒い今から
いつまでたっても
逃れられぬと
知りました
思い出は
過去として
片づける事も
できません
いつも一歩先
痛々しい
記憶の亀裂となって
私を速やかに
襲います
明日
生きていたくない
存在を跡形もなく
消し去りたいと
切に願わずには
いられないのです
私は誰ですか
消えた方が
よいのですか