詩人:哀華 | [投票][編集] |
風に揺れる
ブランコの側
成長した足
伸びた髪
垂れ下がる腕
不思議そうに
首を傾げて
見ていたのは
真っ黒に沈む夕焼け
白黒の色彩
足下に咲いた
灰色の花
私の見たもの
過去の景色
あの日あの時
この場所で
しゃがみこんで
泣いていたのは
幼い少女
何かを探す
その目は
フェンスの向こう側
来るはずの
ママを見てた
悲しいを
黒く塗って
叱られた
お絵かきの時間
帰れなかった
あの家には
蘇る感覚は
悲痛に満ちて
発狂した
この体を
どうか愛して
呼吸の意味を
教えてください
この声を
どうか見つけて
手を取り
抱き上げてください
詩人:哀華 | [投票][編集] |
愛など
とうの昔に
丸めて捨てたのさ
ここに
何があっても
何もないと同じ
そう思う
自分など
とうの昔に
砕いて捨てたのさ
何が起ころうと
特に何も
感じないから
だからなんで
だからなんで
その目で
私を見るんだ
蔑んだような
哀れんだような
その目で
汚い中身
覗かれて
しまいそうで
必死に苦笑いで
取り繕った午後
君が何を
言おうと
何も言わないのと
同じ
君が何をしようと
何もしないのと
同じ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
感情を殺して
なにも考えぬ
ただの器になりたい
無感情という
憧れに食べられて
空気の中で
交わって
笑ってみせた
その顔
なんて
ありきたりなの
狂って落ちた
言葉さえ
この頭は
信じることを
辞めたのに
みんな同じ
助けてなんて
もう言わないで
それは空気の中で
交わった感覚の様さ
夜の途中に
目が覚めて
この先を思う
君がいなくて
私がいない
足がなくて
手がないのさ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
産まれてきて
ごめんなさい
あと何回言ったらば
私は許して
もらえるんだろう
この顔も
この手も
全てあの人に
似てるから
ママは私が
嫌いなんですか
屋根の下は
温度がなくて
空気は歪んで
耐えかねて
発狂した
右手は私に
煙草を押しつける
永遠願って
いいですか
愛してくれますか
貴方は側に
居てくれますか
私は
生きていていいですか
音も立てずに
今日が終わって
光も射さずに
泣いていた
永遠願って
いいですか
私を
愛してくれますか
詩人:哀華 | [投票][編集] |
もはや目も耳も
意味がない
焦りと、
いきどおり
心配されるためには
すばやく涙を
出さなくちゃ
ならなくて
必死にもがく図
滑稽だ
滑稽だ
体の空洞に
埋めるものは
酷く悲しい哀の唄
君のその手が
空中に宛のない
円を描く度
心の弱い場所が
また軋むのさ
届くはずのない
哀の唄
そこには何もない
ただ
白と銀で象った
空虚の世界が
あるだけ
手を握って
大丈夫だなんて
吐いて
捨てた
明日のその先
きっと
何もないんだろう
詩人:哀華 | [投票][編集] |
まったくどうして
疲れちまったのさ
今日だって
から回る時間の
内側、その奥で
背中を丸めた猫が
寂しそうに鳴いてた
それは
明るく冷たい
朝の事さ
私ってば
一人で生きて
ゆけないもんだから
自分をいつのまにか
殺したんだわ
なんだか
思い返して
いたのさ
それは
明るく冷たい
朝の事さ
嗚呼人知れず
この靄の中
空気と同じ軽さに
消えちゃいたいくらいだわ
誰が気づくかしら?
きっと
誰も気づかないさ
愛してくれるかしら?
たぶん
誰も愛さないさ
どうせ
どうせ
私の事など
もうどうでも
よいのでしょう?
詩人:哀華 | [投票][編集] |
この光は
紫の風が
吹き荒れる前触れ
今でも
乾いてる部屋
草の力で
天まで昇るのさ
どうしようもない
脱力感に
ひっぱたかれた
海月のような
この生き方
本当に強いって事は
本当の弱いって事を
知ってるから
誰かの言ってた
そんな事
ぼんやりと
思い返して
煙草に火をつけ
吸い込みもせず
月を見上げる
この背中
止まらない
止められない
その始まりはきっと
弾けた頭の
欠片にも似てる
ねぇ教えてよ
上手な生き方って
どんなだっけ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
殴られて育った
アタシと
いつの間にか
捨てられた
アンタ
闇にまぎれて
二人寄り添い
泣いていた日
自分の位置さえ
分からなかったね
霞んだ瞳も
血の流れた指も
小さな笑みで
幸せなど
夢見ていた日
内側が膿んで
別々になった
体半分
四肢の温度など
もう忘れました
助けてください
そう叫んでいた日
見つけてください
そう叫んでいた日
誰も何も
発しはしないのさ
泣き叫び
痛いのだと
伝えても
誰も何も
思いはしないのさ
大変だね
それで終わるだけ
可哀想だねって
それで終わるだけ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
線路の上
酷く暑くて座り込んで
気化する汗を
ほったらかした
アイツだけの
温度でさえ
思い出せない
ねぇ
このまま
機械が通り過ぎるのを
待っていようか
冗談混じりの
申し出に
二つ返事で
答えて笑った
もう何したって
かまわないから
好きなように
すればいい
ねぇこのまま
機械が通り過ぎるのを
待っていようか
半分本気の
申し出に
二つ返事で
答えて笑った
規則正しく
ステージへと仰ぐ
おびただしい数の
腕も
もはや意味さえなく
歓声の中
君だけを見てた
悲しくなるくらいに
大切だったのに
もう何したって
かまわないから
君の好きなように
したらいいよ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
苦し紛れの
いいわけ
貴方をつなぎ止めるための
一つの手段
感情論の行く末には
いがみ合うほどの
汚い事実が
口を開けてた
私を汚してください
もう白など分からぬくらいに
私を汚してください
もう一人など
怖くないように